
俺は高校生の頃からストーンズを聴いている。
中学から聴いてる連中はもちろんいた。そいつらは大人だったよ。
ストーンズを聴いてる中学生は大人だったんだ。
出遅れた俺は高校生になってから聴いた。
聴いていると、不健康にならなくてはいけないような錯覚になった。
慣れないバーボンを飲んで、部屋中タバコの煙でモヤモヤにして、そこいらじゅうエロ本だらけ。
髪の毛も長くなり、制服のない高校だったので3年間501をはいていたな。その501は今でもある。
女子高の女の子に振られ、メモリアルモーテルを聴いて泣き明かし、
進学や将来の不安で、ワイルドホースを聴いて死にそうになった。
ブラウンシュガーとイッツオンリーロックンロールを聴きながらスカイラインのケンメリに箱乗りして
ヤクザに追っかけられたっけな。俺はふざけた大学生だった。
将来何をしていいかわからなかった。今もわからない。
ストーンズを何年か前に東京ドームに観に行って失神しそうに興奮したのが昨日のようだ。
彼らは60オーバーになって、自分も同時に歳を取っているのに気が付いた。
高校時代が昨日のようだが、すでに上の娘は高校生だ。
生活は安定感がなく、多くの女が通り過ぎて行った。自分が通り過ぎたのかわからない。
クソのような連中の作り笑いをみながら、少しは勉強できたかな。
人を見る目は養えたな。
週末ウインドしているかもしれないし、事故で死んでいるかもしれない。
少なくともガキのまま歳をとった自分に笑いさえ出てくる。
俺はどうしようもないけど、でもよベイビー、お前を見つけたぜ、なんてミックが歌うんだな。
真実が一つあるとすれば、死ぬまで転がり続けることはきっと大切だということだね。
それが石炭でもね。
※曲と同題のDVD映画を昔の彼女と見たことがある。
酒場で主人公の男がジュークボックスにコインを入れてMOONLIGHT MILEをかけ、
店の若くて綺麗な女主人とダンスをするんだ。エンディングでね。
ムネがしめつけられる。
