グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

甲羅がなくても屁のカッパ。

2013-09-02 04:45:12 | Weblog
甲羅がなくても屁のカッパ。

前回分に資料を掲載しましたが、ひきつづいて宮崎県のカッパの話になり
ます。よろしかったら。



まずは 姿やかたちです。そうなんです、ここ宮崎の伝承のなかのカッパ
は、“頭には皿・手足に水かき・背中には甲羅”といった世間一般で認識
されている姿のものばかりではありません。むしろ

 甲羅がなく、体毛が深く、動物にたとえるとすれば“猿”

に ちかいもののほうが多いともいわれていますよ〔ルックスでいえば
鳥山石燕の描いたがんぎ小僧とか 伝承されいる利根川のカッパそして
鬼太郎でいえば皿小僧系のほうらしい
〕。

もちろんちがっているのはルックスだけではなく、そのふるまいだって
ずいぶんと りっぱなもので

 春に、山から下ってきて田の神となり稲作の準備から田植えを見守り
 稲の収獲が終ると山に上り秋から冬の間は山の神となり豊穣を恵む


というような、ある意味 田の神というか山の神というか〔あえていうな
らば神道が始まる以前の〕自然神
といった趣の存在であるようなのです
〔相撲好きでもないようですし〕。

そして肝心の呼び名ですが、現在確認されているもので20個以上もあ
り、おおまかにまとめるとすれば

  県北では セコ、セコッポ
  県央ではカリコ、カリコボウズ

というとされていますよ。

そして興味深いのは、もちろんこのような立派な河童だけがいるのでは
ないらしいこと。

そうなんです、“頭には皿・手足に水かき・背中には甲羅”といったルッ
クス〔河童の三平や黄桜のカッパのイメージです〕で、お相撲をとること
が好きで、人間の尻小玉を抜いたり、ひとの飼っている牛馬にイタズラを
しかける河童の伝承もある。こちらは主として宮崎県の沿岸部や県南にい
るらしく、沿岸部のものはヒョウスボとかヒョウスンボ、そして県南のも
のはガラッパ〔鹿児島にちかいからなのか〕などとよばれています。

ということで今回は、ルックスやふるまいがまったくちがう2つのタイプ
がいるというのに、宮崎県ではその2種類をひっくるめてカッパと呼んで
いても平気である〔甲羅があってもなくても、毛があってもなくても屁の
カッパだよ
〕という現状をお知らせしてみました。


◎  人魚がメスで、そして・・・半魚人がオスなんていう話も一部ある
  ようですが、そうなれば カッパにおけるサル型と甲羅型のちがい
  は性別によるものだ、なんことも考えたほうがよいのかしらん〔あ
  の有名な利根川のカッパはたしか女性でしたよね〕。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」