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隣地境界線を遙かに超えた“違反設計”のザハ案が最優秀とは?専門家は何を審査した

2015年07月05日 | 東京都政・東京五輪・新国立競技場・神宮外苑開発
 新国立競技場国際デザインコンクール最優秀作品の建築家ザハ・ハディド氏が審査委員会に提供したパース(建築予想図)がネット上で見つかりました。審査委員会が示した「計画対象範囲」を遙かに超え、首都高速道路4号線とJR中央線・総武線の線路にアクセス橋を架け、新宿区道43ー120号に接するパースとなっています。これを見ると、当競技場の観戦者8万人は、殆どこのアクセス橋からJR信濃町駅と千駄ヶ谷駅に向かうようになっているのが分かります。信濃町駅には幅員9メートルの区道からアクセスが可能ですが、千駄ヶ谷駅にアクセスする道路はありませんので、「絵に描いたもち」どころか、詐欺まがいのデザインと言わざるを得ません!
 重要なのは、新宿区道まで架かった二本のアクセス道路が、流線型デザインのキールアーチと共に、大きな特徴になっていることです。【線路を越える部分を変更すると、デザインイメージが大きく替わってしまうことが懸念される。】と審査員の中の一人は指摘しているように、デザインイメージの中心柱となっているのです。
 JR新宿駅から東京駅へ始発4時32分から終電0時40分まで、中央線・総武線の複々線4本の線路を跨ぎ、狭い切り通し法面を工事する費用と工期を、どのように審査されていたのでしょうか。取り分け日清戦争時に敷設された“大番町跨線橋”の解体工事が大前提と成っているのす。

 ビルや家を建てるときに建築士が設計図面をつくり、建築確認申請書類を役所に提出をするのが一般的です。この際の建築面積を示すときに、権原(底地の所有権、借地権、根抵当権)の登記簿書類は不要ですので他人の土地に建物を建てる図面を作成することは可能です。
 しかし、今回の国際デザインコンペは、「計画対象範囲」と「面積」が全世界の建築デザイナーに示されたのです。それを遙かにオーバーしたデザインを専門家が厳しく審査した筈なのに「最優秀作品」に選ばれたのか、これまでJSCから公開されている議事録等からは、全く解明することは出来ません。何か其処には、国民に隠された事由があるように思えて成りません。管理人の地方議員28年間の“勘”ならぬ“感”が働いていますが、これ以上は、国会議員の国政調査権やメディアの深掘り(テレビ朝日モーニングバードそもそも総研)に頼るしかありません。

管理人がアクセス部分を拡大しました(クリックで拡大)

















(青山練兵場と青山軍用停車場)
【計画対象範囲】


JSC】のサイトから(傍線は管理人)
  ‹審査委員›
施設建築にかかる有識者審査委員
委員長 安藤 忠雄(東京大学名誉教授)
委員 鈴木 博之(青山学院大学教授)
委員 岸井 隆幸(日本大学教授)
委員 内藤 廣 (前東京大学副学長)
委員 安岡 正人(東京大学名誉教授)
スポーツ利用に係る有識者審査委員
委員 小倉 純二(財団法人日本サッカー協会会長)
文化利用に係る有識者審査委員
委員 都倉 俊一(作曲家、一般社団法人日本音楽著作権協会会長)
日本国以外の国籍を有する建築家審査委員
委員 リチャード・ロジャース(英国建築家)
委員 ノーマン・フォスター(英国建築家)
主催者
委員 河野 一郎(独立行政法人日本スポーツ振興センター理事長)
専門アドバイザー 和田 章 (東京工業大学名誉教授、日本建築学会会長)
‹技術調査員›
総括管理 和田 章 (東京工業大学名誉教授、日本建築学会会長)
建築分野
構造 三井 和男(日本大学生産工学部教授)
建築設備
メカニカル 藤田 聡 (東京電機大学工学部教授)
空調 川瀬 貴晴(千葉大学大学院工学研究科教授、建築設備次術者協会会長)
音響 坂本 慎一(東京大学生産技術研究所准教授)
施工・品質分野 野口 貴文(東京大学工学系研究科建築学専攻准教授)
都市計画分野 関口 太一(㈱都市計画設計研究所代表取締役)
積算分野 木本 健二(芝浦工業大学工学部建築土木学群建築工学科教授)
事業計画分野 東 洋一 (㈱日本総合研究所都市・地域経営戦略グループシニアマネージャー)
建築法規分野
防災計画 河野 守 (東京理科大学工学部第二部建築学科教授)

‹応募›
・募集要項交付開始 平成24年7月20日
・登録受付期間 平成24年7月20日〜平成24年9月10日
・質疑受付期間 平成24年7月20日〜平成24年8月20日
・質疑回答 平成24年9月3日
・作品受付期間 平成24年9月10日〜平成24年9月25日

‹審査›
・技術調査期間 平生24年9月26日〜平生24年10月8日
・技術調査会議 平成24年10月8日
・予備審査 平成24年10月12日
・一次審査 平成24年10月16日
・二次審査対象作品発表 平成24年10月30日
・二次審査 平成24年11月7日
・審査結果決定 (有識者会議) 平成24年11月15日
・審査結果発表 平成24年11月15日
・表彰式 平成25年3月19日

技術調査

◯日時:9月26日(水)〜10月8日(月)
◯会場:ベルサール渋谷ガーデン1Fホール

・応募作品について、作品の実現性、および募集要項に規定した与条件や法令等への充足状況など技術的な評価を行った。
・技術調査において確認した項目と観点は以下のとおりである。
【技術調査における確認事項】
1)「デーマ別の計画提案」に示した項目のうち、技術的な確認が必要な事項
①「臨場感あふれる観覧席に関する考え方」のうち、可動席に関すること
②「観客等の周辺駅からスタジアムへのアクセス及び入退場動線処理に関する
考え方」のうち、アクセスおよび入退場に関すること

③「ホスピタリティ機能及びスポーツ以外のスタジアム利活用に関する考え方」
のうち、音響環境に関すること
④「環境配慮に関する考え方(省エネルギー、エネルギー多重化及び緑化等)」
のうち、省エネ技術に関すること
⑤「構造計画、屋根の架構及び開閉機構に関する考え方」のうち、屋根の開閉
機構に関すること
⑥「事業費及び工期に関する考え方」のうち、工期に関すること
2)募集要項の「デザイン提案条件」に記載されている事項
①施設建築物の配置及び高さ
②土地利用構成
③施設構成
④スタジアムへのアクセス
⑤公園の再配置及び公開空地の確保
⑥緑化・環境配慮・防災対策
・これらの事項について、各分野の専門性を有する技術調査員および支援チームが確認し、【◯:実現可能】【△:設計段階で重大な調整が必要】【☓:明らかに実現不可能】の3段階で評価した。
・技術調査員による評価を、専門アドバイザーを含め開催された技術調査会議において確認し、【☓:明らかに実現不可能】と判断された項目については、技術調査員全体で協議し、評価を決定した。また、【△:重大な調整が必要】と判断された項目についても、複数の観点からの検討が必要とされる項目については、技術調査会議で協議のうえ決定した。

第2回審査委員会/一次審査

◯日時:10月16日(火)
◯会場:ベルサール秋葉原地階ホール

・各審査委員による仮推薦作品と技術調査会議の結果より、審査委員会において二次審査に進む作品を選定する。
・予備審査において、推薦のなかった作品または1票しか推薦を受けていない作品については、予備審査の段階で提案内容を確認していることから、一次審査で新たに確認することはせず、審議の対象とはしないこととした。
・得票が過半数を集めた作品については、技術調査の結果において明らかに実現不可能と評価された項目がないことを確認し、二次審査の対象作品として選定することとした。作品番号2、作品番号12、作品番号17、作品番号24、作品番号34、作品番号37が過半数以上の票を集め、まずこれら6作品を二次審査の対象作品とした。
・2票から4票の複数票を獲得した残り15作品について、技術調査の結果を踏まえたうえで審議を行った。
・委員長より、デザイン競技の趣旨から、この段階では実現性に多少の難しさはあってもユニークな挑戦的な作品を残しても良いのではないかとの意見もあり、特徴あるシンボリックな作品を選定することとした。また、利活用の観点からも、文化的利用の面での音響効果の提案が優れた作品、スポーツ利用の面での観覧席に関する考え方が優れた作品をそれぞれ選定した。その結果、作品番号9、作品番号26,作品番号32、作品番号33、作品番号35が二次審査の対象作品に選ばれた。
・最後に、二次審査対象作品に対して、敷地条件等において課題がある部分の取扱いについては、事務局より応募者に確認することとし、詳細は事務局と審査委員長に一任することで了承された。また、応募者の資格要件等についても事務局で再確認することとし、一次審査は終了。

・以上より、二次審査対象作品として選定されたのは以下の11作品である。
[二次審査対象作品]
作品番号2 Cox Architecture
作品番号9 POPULOUS
作品番号12 UNStudio/Yamashita Sekkei Inc.
作品番号17 Zaha Hadid Architects
作品番号24 TABANLIOĞLU Architects Consultancy Limited Company
作品番号26 DORELL.GHOTMEH.TANE / ARCHITECTS & A+ARCHITECTURE
作品番号32 株式会社梓設計
作品番号33 伊東豊雄建築設計事務所
作品番号34 有限会社SANAA事務所 + 株式会社 日建設計
作品番号35 gmp・International GmbH
作品番号37 株式会社環境デザイン研究所

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