【横田一の現場直撃 No.297】◆ 北陸新幹線 小浜vs米原
北陸新幹線・敦賀~新大阪の早期整備を求める声が高まっており、過去に検討され不採用となったルートのうち建設費が安く工期が最も短いとみられる米原ルートでの整備を求める意見が浮上。石川県議会は6月20日、米原ルートの再考を求めることを決議した。
しんぶん赤旗電子版12月10日社会面
ルート見直しで応酬 与党整備委が会合 佐々木氏「米原検証を」 小浜推進の委員長に要求
北陸新幹線大阪延伸を協議する与党整備委員会は20日、国会内で開かれ、委員の佐々木紀衆院議員は「米原ルート」の検証を要求した。現行の「小浜ルート」は事業費、工期の増大で前提条件が変わり、地元の石川県では米原を求める意見が多いと強調。小浜を強く推す委員長の西田昌司参院議員(京都府選出)とルート見直しを巡って激しい応酬を繰り広げた。 ●西田氏「今さら何を」 会合は冒頭を除いて非公開。出席者によると、佐々木氏は10月の衆院選でルートの再検証を訴えたことに触れ、「石川県内では経済界や県民会議で米原を含む再考を求める決議が出されている」と語った。 その上で、「当初はルートを検証して小浜に決めたが、工期や工費で条件が変わった。もう一度データを示すべきだ」と主張した。 これに対し、西田氏は「今さら何を言っているのか。委員を別の人と差し替える」と感情をむき出しに。さらに、馳浩知事は小浜を推進する杉本達治福井県知事に同意しているとして「個人的な事情を持ち出すな」と不快感をあらわにしたという。 佐々木氏もひるまず、「委員会の外を一歩出たら米原の意見が強い。この声にどう応えるのか。このまま進めても国民の理解は得られない」と訴えた。 2人のやりとりを見ていた委員の稲田朋美衆院議員(福井1区)が「一度(小浜で)決めた。後戻りするような議論はやめよう」と割って入ったものの、佐々木氏は「小浜では工期が最短でも25年になる。福井県でも25年かかる新幹線はいらないとの声はある」と反論した。
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