週刊少年ジャンプ2016年15号掲載
掲載順第7位
第158話 【その差】
甲乙付け難いほどの完成度であった黒木場の料理『クーリビヤック』と、楠の『コンフィ・フラム』。
ですが審査員三名のうち二人は、それらに決定的な差があることを見抜きます。
そんなわけで、まずは楠の方からネタ明かし。
・・・ですが・・・。
いやこれ、特に「秘密」とは言えないんじゃ・・・?
何故ならば、楠が作ったのはサーモンの『コンフィ』。
『コンフィ』というのは油脂を使って低温でじっくり煮る手法だというのが、前々回のラストで既に説明されています。
その説明に乗っ取って見れば、この楠のテクニックは「秘密」でも何でもなく、単にマニュアル通りのやり方に従っているだけなんですけど。
具を包み込む品である『クーリビヤック』を選んだ黒木場をせせら笑う楠。
秋の選抜の時から何も変わってないと。
・・・。(-_-)
黒木場や審査員達が黙っているのを良いことに、楠や梁井はもう言いたい放題。
・・・・・。(-_-#)
と、ここで創真が口を挟みます。
勝負はまだ決まっていないと。
「俺でも分かりますよ 連たろ先輩の言ってることにひとつだけ間違いがあるって」
・・・・・・・・・・。(^‐^)
そうだね。
かくして審査員はもう一度、両者の品を食べ比べてみることに。
すると、最初の時には分からなかった違いに気付きます。
鮭の美味しさがより鮮明に際立っていたのは。
黒木場の料理の方でした!!
その評価に仰天する楠達。
・・・・・・・・・・・・・・・♪( ̄ー ̄)
納得できず喚く楠に、自分の品を差し出す黒木場。
それを味わった楠は・・・
前回の茜ケ久保ももと同バージョンでおはだけ☆
(なんで波●砲じゃなかったんだろ?)
驚く楠。
黒木場のクーリビヤックの旨味は、ただ単に具を包み込んだだけでは到底出せないものでした。
その時、クーリビヤックの中身になにやら「緑色の層」を見付ける楠。
どうやらそれが黒木場のクーリビヤックの「秘密」の模様。
厚さからみて、単なる葉物ではないようですが・・・果たして?
いや~~~見事に裏をかかれました☆
なんだかんだで、やはりこの作品は勝者を悟らせないのがお上手ですよね。
登場人物達の言動やら「おはだけ」の差やらといった勝敗を予想させるヒントは数多く撒かれておきながらも、読者の様々な考察に放たれた鶴の一声。
創真の発言力はやはり絶大です。
楠が勝利するだろうという私の予想は見事に外れたものの、後読感は良かったです。
丁度それは、勝敗予想自体は当たったものの全く嬉しくなかったタクミVS美作の食戟の時と正反対の気持ち。
やっぱり一番肝心なのは「勧善懲悪」という爽快さですよね♪
黒木場と楠の実力の拮抗具合を示す意味で、審査員の内一人を判定不能にさせた今回の勝負。
最初の実食では判別出来なかったのを、もう一度食べ比べてみたことでようやく判別できたという流れに持っていってましたが・・・。
最初は分からなくとも、再び味わうことによって気付く工夫。
なんかそれって、丁度この作品のようですね。
この作品も、最初に読んだ時は気付かなかったものの、読み返すことによって気付かされる作者側の意図や工夫が多々ありますもの。
勿論私はこの作品のそんなところも心から楽しんでいます。(^^)
そんなわけでして、今回の黒木場と楠の対決は色々と作者の策に踊らされた感がありましたが、同時に作者の意図もしかと読み取れました。
でもそれについて語るのは次回にしておきます。
ラストの創真が超格好良くって他がどうでもよくなっちゃったからv(待て)