あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『食戟のソーマ』第159話感想

2016-04-08 00:00:00 | 食戟のソーマ

 『暗殺教室』が、本誌16号をもって遂に終了。
 「毒を以って毒を制する」を持ち味とする松井先生の、まさに代表作といえる作品だったと思います。
 第177話はもう読んでてガン泣きでした。
 ボロ泣きなんてものじゃなくてガン泣き。ティッシュひと箱消費しました(マジ)。
 本当に3年E組だけでなく、私も色々教えられた素晴らしい作品でした。
 これほどの名作をリアルタイムで追うことが出来たこと、幸運に思います。
 まだ番外編やファンブック等で殺せんせー達に会える機会はありますが・・・ひとまず
 松井先生どうもお疲れ様でした!!
 (余談:スピンオフでの、仲間になりたそうな魔王サマめちゃかわいかった・・・v)





 週刊少年ジャンプ2016年16号掲載
 掲載順第3位
 第159話 【成長】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 またもやセンターカラー。
 しかも奇しくも“師匠さん”の作品もセンターカラー。
 佐伯先生としては同紙に同時連載というだけでも非常に刺激を受けておられるでしょうが、これをチャンスに、お互い切磋琢磨出来たら良いですね。(^^)

 そんな今回のカラーイラストはというと、なんとも和やかな祖父と孫の思い出の一枚。

 温かで幸せな時間が感じ取れる素敵なイラストですが、不満が一つだけ。
 佐伯先生、仙左衛門殿の顔色ちょっと悪くしすぎです(爆)。

 顔色悪いキャラはどっかの手袋紳士だけで充分ですよ。

 そういえば、えりなの「印象的な思い出」には象徴的に“桜”が登場しているような気がします。
 今回の扉絵もそうですし、新戸との思い出にもありましたものね。(by第109話小説版第二弾
 その思い出には必ず、彼女が心を許せる人が傍にいました。


 そして、“桜”と聞いて私が真っ先に思い浮かべるのは・・・


 [春の嵐]でもある、“彼”との対峙です。 (by第4話)





 本編はそんなえりなの現在の様子からスタート。
 極星陣が全員偵察に出掛け、一人で極星寮に残っていたえりなですが・・・

 (・・)プラプラ → (・_・) → (・・)プラプラ

 うん、かわいい。

 そして今度はちゃんと創真の言葉を考えていますね。
 うん、えらいえらい。(^^)


 と、そこへ突然の闖入者。


 あろうことか婦女子の部屋にその入り方はないだろとか
 普通に扉から入れやとか
 ていうかまだその行動改めてなかったんかいとか
 ツッコミは数知れず。
 ほんとにもうこの人は。(^^;A)

 そしてわざわざ縄を使って降りてきた一色先輩から、えりなは今回の残党狩りにアリスも関わっている事を知ります。
 驚くえりなに、穏やかに促す一色先輩。
 現地へ赴くことを。

 やっぱり一色先輩も創真と同様に、えりなに教えてくれそうですね。

 自ら動くことの大切さを。





 そして場は創真やアリスのいるD会場へ。
 楠が気付いた、黒木場の『クーリビヤック』の中に入っていた緑色の層。
 それはほうれん草のクレープでした。
 
へ~!確かに『クーリビヤック』の具にはほうれん草がよく用いられますけど、まさかクレープにしてくるとは考えが及ばなかったな~!
 しかも、「クレープ」として用いていることで、楠の「アイスクリーム」という“スイーツ”とも関連性が出来ているという見事な造り!!
 森崎先生お見事です!!


 黒木場の工夫はそれだけに留まらず、更に「ある物」をクレープに施していました。
 それは「シーズニングスパイス」
 「スパイス」という言葉に反応する創真。
 でしょうね。私も思い浮かびましたもの。
 “あの人物”が。

 ちなみにそのシーズニングスパイスに用いられていたのは、魚介類と非常に相性の良いタイム(参照:第82話)、そしてオレガノ・・・。
 そういえば、オレガノはまだこのブログで説明してませんでしたよね?
 ということで

 オレガノ・・・タイムと同じく、シソ科の多年草。
        オレガノはそんなシソ科のスパイスの中でも最も香りが強い部類に入る。(そのため、使用量には注意が必要)
        ややほろ苦い、清涼感のある香りが特徴。
        生、もしくは乾燥したものが使われ、トマトやチーズと相性が良い。
        そのためイタリア料理やメキシコ料理によく用いられ、トマトケチャップやチリソースには欠かせないスパイスである。
        乾燥させた物の方が香りが強く、茎や葉はスパイスに、そして花はポプリの材料として利用される。


 そんな各スパイスや調味料と共に、黒木場はシーズニングスパイスに粉末ベーコンも加えていたという。
 ほほ~~!
 「スイーツ」の使用だけでなく「ベーコン」という食材、そして「フランス料理」という料理ジャンルまでと、この料理対決は「鮭」というテーマ食材のみならず非常に共通項目が多かったわけですね。
 だからこそ、その料理人の姿勢の違いがより明白になっているという。



 
そうして、両者の品の差が審査員から説明されるわけですが・・・。
 鍵となったのは「不均一さ」。

 これは説得力が凄い。

 日常生活に根差している理論なだけに、めっちゃ理解できます。
 ちなみに私も卵かけご飯はざっくり混ぜる人間です。
 納豆かけご飯もざっくり混ぜて食べます。(←聞いてない)

 そして大泉のお爺ちゃまは、第156話で自身が述べていた「審査の最大のポイント」という観点からも評論を述べましたが・・・。
 正直なところ、ここにはう~む?と首を傾げたり。
 「一見楠の方が優れているようだが・・・」と仰っておりますが、いやいや。
 その点においてもストレートに、鮭を完全に包み込んでいる黒木場の料理の方が勝っているように見えるんですけど?


 こうして完全に黒木場が形勢逆転となった中、観衆の間を移動する人物が。
 あれ?キミも来てたの?


 旨味同士をぶつけ合うだけの粗暴な料理人。
 黒木場をそう捉えていた楠にとって、故意に不均一にさせたスパイスの効果を配慮するなどという繊細な発想は、以前の黒木場からは考えられないことでした。

 ですが、秋の選抜後、黒木場は体験していたわけです。
 実地研修[スタジエール]を―――

 

 

 

 

 

 ・・・えっとね?

 

 

 

 結構その格好サマになってますよ黒木場くん。(※皮肉にあらず)

 

 

 

 第116話で描かれていた様子からは自分の本領を大いに発揮できていた黒木場ですが、やはり彼も創真と同様に、自分の苦手分野というか未知の分野というか腹立つ分野(おいおい)の職場にも赴いていたわけです。
 研修が始まる前は「楽勝」と高を括っていたものの、いざ始まってみて思い知らされる、未知の世界の難しさ。自分の未熟さ。
 しかもそれが自分に苦汁を味わわせた相手の得意分野というのだから尚更。
 でも、そんな屈辱に耐えられたのは他でもない
 アリスという、敗北の悔しさを分かち合える相手がいたから。
 アリスと話した後の黒木場くんの後ろ姿、かわいかったです。(^^)

 

 

 

 

 

 そして。

 

 新たにもう一人、ここに同じ敗北を分かち合う人物も現れたわけですね。

 

 

 そうして見事、軍配は黒木場に!!
 お~ここの黒木場かっこいい☆(バーサクモードより普段モードの方が好き)

 ・・・あれ?
 ここの観衆の女の子・・・。
 どう見ても“師匠さん”の作品に登場している「あの子」ですよね?
 これはアレですか佐伯先生?特別出演というヤツですか?
 ということは隣の男子は“師匠さん”ですか???(なーんちゃって☆)



 こうしてセントラルに一矢報いたことに盛り上がる創真達。
 っていうか、いつの間に皆さんこんなに仲良くなったの?(いや嬉しいけど)
 これもやはり「敵対する相手」が共通しているからでしょうか。

 とそこへ、彼らに拍手を送る者が。
 その人物こそ、彼らの「共通の敵」である薊。

 「連たろ先輩」呼びに続き、創真の「中村先輩」呼びに入るツッコミ。
 私としては創真が薊を「中村」と呼ぶことは作劇上大事な意味合いがあると思っています。
 ま、創真からしてみればえりなもアリスも「薙切」なので、単にややこしいからという理由でしょうけども(笑)。

 それにしても創真が叡山に勝利した時は極星寮を訪れ、今回もわざわざ声を掛けてきたりと、薊って逐一勝利に沸いている場に水を差してくるよな~。(地味に匂う小者感)

 一変して険しい表情になるアリス。
 今回の扉絵が語っている通り、仙左衛門やえりなはアリスにとって大切な家族。
 そんな二人を失脚、そして虐げた薊は敵以外の何者でもないでしょう。



 さて、もう一人の「薙切の一族」であるアリスは、果たしてどんな衝突を薊と繰り広げるのでしょうか?
 そしてきっとその様子を目にすることになるであろうえりなの心情も合わせて、次回も目が離せない展開になりそうです。

 

 


 

 

 今回の話は第116話【成長という果実】と照らし合わせながら読むと、より味わい深いですね。(附田先生もきっとそれを意識して、今回のサブタイトルを付けたのでしょう)
 こうなってくると、他のキャラも随所でスタジエールの様子が描かれてくるに違いありません。
 特に私が気になるのは伊武崎とタクミの研修模様。
 彼らが現場でどんな試練に遭い、どんな成長を果たしたのか大変興味深いところです。



 それにしても、今回はとりわけ料理に関する説得力が秀逸でした!!
 いつも料理関係の工夫には唸らされるのですが、今回はそれこそ文句のつけようがないレベル。
 改めて、感覚的にだけでなく論理的にもこれほど見事な料理を毎回考え出す附田先生&森崎先生って凄い。凄すぎる。
 本当に良い料理漫画に出会えたと思います。

 でも・・・一方でこんな意見も見られたんですよね。
 「最先端料理研究会の代表として出した黒木場の料理が『クーリビヤック』という古典料理なのは如何なものか」
 という疑問が。
 成程。確かに一理あり。
 私としては楠が最先端調理機器の使い手という、既に「最先端料理」のスキルホルダーであったため、対照性を持たせる意味で古典料理を選んだと思っていたのですがね。
 そういうわけで、その観点も踏まえてもう一度黒木場の料理を見直してみたところ・・・。
 黒木場の料理の勝利を決定付ける鍵となったのは「スパイスの不均一さ」。
 人の舌の構造を利用した工夫でしたが・・・。
 それは「味覚生理学」の分野に基づく発想です。
 科学的アプローチから料理を探求する研究会として、この発想は充分その代表者として相応しいものだと思います。
 ま、こじつけと言われればそれまでですけどね☆



 創真陣営とセントラルとの勝負もこれで二回目ですが、フタを開けてみれば今回の勝負もまた「洗練vs混沌」の対決になってましたね。
 加えて今回の勝負では、そこに「不均一」というこれまた薊の美学に反するファクターを勝利理由に挙げていたことで、更に薊政権が掲げる「正しさ」に物申せていました。
 う~ん天晴れ☆

 この度の勝負で確定できましたが、セントラル側の料理人は「上質素材の徹底洗練による美食」をモットーにしていますね。
 「素材の徹底洗練」を信条としている料理人・・・と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、
 第一席の司先輩。
 このことから、司先輩はおそらく十傑の中で一番純粋に自分の信念と薊政権の理念が一致している人物ではないのでしょうか。
 そうなってくると一番説得が難しいのは司先輩になるわけで・・・。
 う~んこれは先が思いやられる。

 今回の食戟で黒木場が戦ったのも、アリスの料理が「洗練タイプ」だったからかもしれませんね。
 ・・・そういやあ、今回黒木場と創真の脳裏に浮かんだ“あの人物”もまた、「洗練タイプ」と言えるんだよな~・・・。



 そんな料理面と絡めて黒木場の成長、アリスとの絆、そして創真との共感性が描かれていたのも構成として大変見事。
 やっぱり人の「熱さ」って、逆境や試練に立ち向かう心だと思います。
 「熱さ(熱)」も今回の勝負のポイントでしたが、料理を通して黒木場と楠の姿勢の違いもしっかり反映されていましたものね。
 楠はセントラルの兵隊に“選ばれた”ことによる慢心
 対して黒木場は、秋の選抜で優勝者に“選ばれなかった”ことによる向上心
 そんな両者の格の差もまた大きな説得力を発揮していました。
 とても熱かったです!(^^)










 この『遠月革命編』が始まってからだいぶ経ちますが・・・。
 ようやく掴めました。
 この章で附田先生が意図している「テーマ」が。

 それは「変化」

 一人一人の。
 遠月学園という舞台の。
 これまでの人間関係の。
 全てにおける「変化」がこの章で大きな鍵になると思います。



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『食戟のソーマ』第158話感想

2016-04-07 00:00:00 | 食戟のソーマ

 週刊少年ジャンプ2016年15号掲載
 掲載順第7位
 第158話 【その差】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 甲乙付け難いほどの完成度であった黒木場の料理『クーリビヤック』と、楠の『コンフィ・フラム』。
 ですが審査員三名のうち二人は、それらに決定的な差があることを見抜きます。

 そんなわけで、まずは楠の方からネタ明かし。
 ・・・ですが・・・。
 いやこれ、特に「秘密」とは言えないんじゃ・・・?
 何故ならば、楠が作ったのはサーモンの『コンフィ』。
 『コンフィ』というのは油脂を使って低温でじっくり煮る手法だというのが、前々回のラストで既に説明されています。
 その説明に乗っ取って見れば、この楠のテクニックは「秘密」でも何でもなく、単にマニュアル通りのやり方に従っているだけなんですけど。

 具を包み込む品である『クーリビヤック』を選んだ黒木場をせせら笑う楠。
 秋の選抜の時から何も変わってないと。

 ・・・。(-_-)

 黒木場や審査員達が黙っているのを良いことに、楠や梁井はもう言いたい放題。

 ・・・・・。(-_-#)

 と、ここで創真が口を挟みます。
 勝負はまだ決まっていないと。

 「俺でも分かりますよ 連たろ先輩の言ってることにひとつだけ間違いがあるって」

 ・・・・・・・・・・。(^‐^)

 そうだね。



 かくして審査員はもう一度、両者の品を食べ比べてみることに。
 すると、最初の時には分からなかった違いに気付きます。
 鮭の美味しさがより鮮明に際立っていたのは。

 黒木場の料理の方でした!!


 その評価に仰天する楠達。
 ・・・・・・・・・・・・・・・♪( ̄ー ̄)


 納得できず喚く楠に、自分の品を差し出す黒木場。
 それを味わった楠は・・・
 前回の茜ケ久保ももと同バージョンでおはだけ☆
 (なんで波●砲じゃなかったんだろ?)

 驚く楠。
 黒木場のクーリビヤックの旨味は、ただ単に具を包み込んだだけでは到底出せないものでした。

 その時、クーリビヤックの中身になにやら「緑色の層」を見付ける楠。
 どうやらそれが黒木場のクーリビヤックの「秘密」の模様。
 厚さからみて、単なる葉物ではないようですが・・・果たして?

 

 

 


 

 

 

 いや~~~見事に裏をかかれました☆
 なんだかんだで、やはりこの作品は勝者を悟らせないのがお上手ですよね。

 登場人物達の言動やら「おはだけ」の差やらといった勝敗を予想させるヒントは数多く撒かれておきながらも、読者の様々な考察に放たれた鶴の一声。

 創真の発言力はやはり絶大です。

 楠が勝利するだろうという私の予想は見事に外れたものの、後読感は良かったです。
 丁度それは、勝敗予想自体は当たったものの全く嬉しくなかったタクミVS美作の食戟の時と正反対の気持ち。
 やっぱり一番肝心なのは「勧善懲悪」という爽快さですよね♪



 黒木場と楠の実力の拮抗具合を示す意味で、審査員の内一人を判定不能にさせた今回の勝負。
 最初の実食では判別出来なかったのを、もう一度食べ比べてみたことでようやく判別できたという流れに持っていってましたが・・・。
 最初は分からなくとも、再び味わうことによって気付く工夫。
 なんかそれって、丁度この作品のようですね。
 この作品も、最初に読んだ時は気付かなかったものの、読み返すことによって気付かされる作者側の意図や工夫が多々ありますもの。
 勿論私はこの作品のそんなところも心から楽しんでいます。(^^)

 そんなわけでして、今回の黒木場と楠の対決は色々と作者の策に踊らされた感がありましたが、同時に作者の意図もしかと読み取れました。
 でもそれについて語るのは次回にしておきます。

 ラストの創真が超格好良くって他がどうでもよくなっちゃったからv(待て)



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『食戟のソーマ』第157話感想

2016-04-06 00:00:00 | 食戟のソーマ

 週刊少年ジャンプ2016年14号掲載
 掲載順第7位
 第157話 【鮭は踊る】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ※今回の感想の後半部分は、この漫画の最大の特徴について思いっきりツッコんだ内容となっております。
 そこをどうかご了承の上でご覧くださいませ。



 先に料理を完成させたのは楠。
 早速判定へ。
 その際に、茜ケ久保ももにも試食を頼む楠。
 どうやら楠の料理には「スイーツ」を使ったギミックが仕込まれているとのことで、菓子職人である茜ケ久保ももにもその出来を評してもらいたいようです。

 そしていざ食べてみることに。
 って茜ケ久保もも!ヌイグルミ(ブッチー)を台にするのは止めなさい!!(汚れるっての!!)
 まあモグモグ顔は可愛かったけど。
 同じくらい大泉のお爺ちゃまも可愛かったけど。(反論は受け付けません)

 そして楠が茜ケ久保ももに勧めたギミック(付け合せ)は一体何かというと、なんと鮭のアイスクリームでした!
 ああ、そういえば前々回ラストでスチームコンベクションと共に、確かに凍結粉砕機も運ばれていましたものね。
 何に使っていたのか不明でしたが、こんな形で用いていたとは・・・!
 これには素直にビックリです。

 そんな鮭のアイスクリームは単に意外性を狙っただけでなく、コンフィの温かさを引き立たせるという効果も担っていました。
 温かさと冷たさが、一皿の上で見事に演出された手法、それは“サーマルセンス”。
 そう、アリスが秋の選抜予選のカレー料理で用いた手法でした!!

 熱と炎の使い手とは言ってましたが、確かに「熱」は「熱さ」だけとは限りませんものね。
 熱さも冷たさも同じ「温度」。
 う~む、これはしてやられた☆


 楠のその料理の旨さに、茜ケ久保ももは「おはだけ」発動。
 結構ご無沙汰だった感がありますね。
 特にこれほど際どいのは。(ていうか、そこにもブッチーかい★)

 創真の「連たろ先輩」呼びにツッコむ楠。
 お~待望の反応きた♪(やっぱり楠は下の名前で呼ばれるのは不本意の模様)



 一方で、黒木場の料理も遂に完成!!
 その料理は・・・
 『クーリビヤック』!!

 

 

 

どやっ(()

 

 

 

 

 ・・・図に乗ってゴメンナサイ。
 でも久し振りに予想大当たりで嬉しかったんだもん。

 そんな黒木場のクーリビヤックはやはり楠に負けず劣らず絶品でした。
 夢中で頬張る審査員達の様子に、観衆達も食欲をそそられます。
 同じくそそられていた恵に、どうぞと(勝手に切り分けて)差し出してくれるアリス。
 うん、ここでもう察しは付きました。

 そういうわけで、今度は恵が「おはだけ」発動。
 なんかもう大盤振る舞いやな★



 共に実食者の舌を唸らせた楠と黒木場。
 そんな二人の判定に注目が集まりますが―――

 なんと審査員の一人が、優劣を付けられないと困窮してしまう事態に。

 これはあれですか?
 秋の選抜準決勝の葉山VS黒木場のパターンの再来ですか?

 と思ったら、もう一度食べ比べれば分かると言う大泉のお爺ちゃま。
 両者の品の決定的な差に。


 食べ比べることで分かる差、とな。
 葉山VS黒木場のパターンではなく、タクミVS美作のパターンの再来でしたか☆

 あの時は悪役全開だった美作の方に軍配が上がりましたが、果たして今回は・・・?

 

 

 


 

 

 

 今回はテンポの良い展開でしたね。
 楠と黒木場、両者の料理披露から実食、そして判定とサクサク話が進んで読みやすかったです。
 なにより黒木場の料理予想が当たったのが一番嬉しい♪



 今回の注目どころは二つ。
 一つ目は勿論楠と黒木場の料理。
 前回の創真の賛辞でぐっと料理人としての格を上げてきた楠ですが、想像以上にその料理も奥深いものでした。
 最新機器を自在に扱い、「熱さ」だけでなく「冷たさ」も“温度”として巧みに操ったその手腕。
 そしてなんと鮭をアイスクリームに調理してしまうという斬新な発想。
 アリスの料理を髣髴とさせるような、見事に「最新調理科学」が発揮されている品だったと思います。

 そんな見た目の美しさと高い技術性を備えた楠の料理に対し、黒木場の料理は外見は素朴ながらも強く食欲を湧かせる品でした。
 楠の品は「火の芸術」、そして黒木場の品は「脳天を揺さぶる」。
 大泉のお爺ちゃまがそう例えていた通り、丁度二人の品は鮭という素材を「芸術性」「本能性」という対照的な形に調理していたと思います。

 別の言い方をするならば、楠の料理はメイン素材一点の洗練。
 黒木場の料理は多くの素材を用いての旨さの増幅。
 特に黒木場の料理は雑多感がありましたね。
 創真の料理と同様に。



 そんな二人の甲乙付け難い品は、実食のリアクションもほぼ同レベルだったという。
 ハイ、これが今回の注目どころの二つ目です。
 一話の中で二回も「おはだけ」が披露されたのは随分と久し振りのような気がしますね。
 しかもどちらも1ページ丸々使って。
 堂々と。

 ・・・これって“師匠さん”への対抗意識からですか佐伯先生?



 ですが今回の「おはだけ」を目にして、気付いた事が幾つかあったり。

 まずは茜ケ久保ももの「おはだけ」ですが・・・。

 秋の選抜での新戸の「おはだけ」と似てません? (by第75話

 ポーズといい、カメラアングルといい、かなり重なるものが。
 (ちなみに今だから言わせてもらいますけど、当時新戸はスッポンのハンバーガーを出していましたが、それってリアクションの「すっぽんぽん」と掛けていたんですね・・・★)

 っていうか。

 そもそも茜ケ久保ももと新戸って似てますよね。かなり。

 これは第152話を何度か読み返している時にふと感じたことでした。
 ラストにかけて、偵察部隊として新戸が青木&佐藤と出立するシーンがありましたよね。
 そこからページを捲ると、丁度茜ケ久保ももが新戸が居た位置に重なる場所に描かれているんですよ。(さあ、ジャンプ本誌第9号をまだお持ちの方は確認してみましょう!)
 しかもカラーイラストによって既に判明しているように、二人とも紫髪だし。

 連載を長く続けているとキャラクターのデザインが多少は似通ってくるのは仕方ないことと思います。
 ですが、この作品の最大の特徴といえる「おはだけ」までが似ているのはさすがに引っ掛かりが。
 そういうわけでして、茜ケ久保ももと新戸には何かしらの“共通点”があるのではと推理してみます。
 創真と四宮、伊武崎と一色先輩が似ているのと同じように。
 もしこの深読みが当たったとしたならば、十傑陣は想像以上に創真達「玉の世代」と関わっていくことになりそうですね。

 ・・・ふ~む・・・私としては茜ケ久保ももと関わりが深くなるのは郁魅と思っていたのですがねえ・・・。
 だって郁魅は小説版第二弾でスイーツに関わりが・・・・・・・・・・。



 ん゛!?




 そういえば。

 当の小説版第二弾の表紙って、郁魅と新戸がメインで描かれてましたよね!?
 ええええ~!?!?附田&佐伯先生!?



 と、とりあえず気を落ち着けて、次は恵の「おはだけ」について。
 以前黒木場の品を食した時は強い抵抗心からリアクションに耐えた恵でしたが(秋の選抜第一回戦ラーメン対決時)、今回は素直にリアクションを取ることに。
 鮭型の宇宙船による波動砲・・・もといビームによって服が裂かれました。
 そういえば秋の選抜のカレー予選でも黒木場は千俵なつめを海老型ロケットで宇宙空間に飛ばしてましたよね。
 ・・・今回のこのリアクションでようやく気付けました。
 黒木場の料理によるこれらのリアクションに「機械」が用いられているのは、アリスのスキルである「最新科学」を反映しているということを。
 まったくもう・・・単なるギャグ&お色気インパクトと思われがちな実食リアクションですが、見直せば見直すほど奥深い意味に気付かされてしまうというのだから侮れません☆

 ですが。
 実はこのリアクション、アリスだけでなく“もう一人の人物”によるリアクションも意識されているんですよね。
 黒木場の料理によって、恵は背後から「旨さ」という“攻撃”を受けているわけですが・・・。
 過去にも恵は背後からの“攻撃”によって、リアクションを取っています。「香り」という攻撃を。
 そう。
 今回のリアクションは丁度、葉山のカレーを食した時のリアクションと対になっているんですよ。(さあ!単行本をお持ちの方は第6巻120ページ(第45話)を見てみましょう!!)
 構図的にも丁度シンメトリー(左右対称)が意識されている造りになっているのが何とも巧妙なところ☆

 このことから見ても、黒木場と葉山がどんなに深い因果関係にあるかが容易に窺えるってもんです♪
 実際、黒木場と葉山って創真とタクミの関係性に凄く似ているんですよね。
 お互いによく似た背景を持ち、一見正反対な性格でありながら実は根底的部分が似通っているところが。
 もっとも、創真とタクミの関係を「白」とするならば、黒木場と葉山は「黒」ですけども(苦笑)。
 微笑ましく見守れる「最良のライバルであり親友」な創真とタクミに対し、苦笑を禁じ得ない「最凶のライバルであり悪友」といった感じ。(^m^)
 そんな黒木場と葉山の“共通点”はこれからどんどん掘り下げられることでしょう。
 その時に、一体どんな衝突や交流が繰り広げられるのか。今から色々予想を膨らませております。


 ちょっと話が横に逸れちゃったかな?
 「おはだけ」についての考察に戻りましょう。
 こうして楠は茜ケ久保ももを、黒木場は恵を見事?にはだけさせたわけですが、両者を比較した場合茜ケ久保ももの方が露出が多いため、楠の方が勝利の可能性が高く思えます。
 ですが・・・。
 それに対して黒木場は、片方だけですが恵の三つ編みも解けさせているんですよね。
 なので少なくとも今回は、リアクションからだけでは勝敗は推し量れないかな、と。

 ですが、私としてはやはり楠が僅差で勝利すると予想します。
 その理由は、前回にて大泉のお爺ちゃまが述べておられた、「鮭の旨味をどれだけ逃していないか」という審査ポイント。
 それならば鮭を包み込んでいる黒木場の料理の方がそのポイントを満たしているように見えるものの、ストレートに察しが付くだけに、逆に楠の方が更に上をいくような工夫を施しているのではないかと思えるんですよね。
 まあどちらが勝ったとしても、読者も納得できるような理由が準備されていることを希望しています。

 

 

 

 

 

 ちなみに、恵はこれまで「完全おはだけ(全裸)」させられたことは何気に無いんですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

創真以外からは。

 

 

 

 

 

 

 

 (さあ!!単行本をお持ちの方は第1巻147ページ(第5話)を見てみましょう!!!)
 (なんとこの時点で創真は恵の三つ編みさえも・・・!!)



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『食戟のソーマ』第156話感想

2016-04-05 00:00:00 | 食戟のソーマ

 週刊少年ジャンプ2016年13号掲載
 掲載順第7位
 第156話 【絶対“温”感】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まず始めに、アニメDVD同梱版が発売される単行本18巻の予約案内ページについて少し。
 本誌が発売される2月29日が予約締切というわけで、それに沿わせた原作漫画が載ってましたね。
 この前も思ったけど・・・。
 随分と上手く使ったな~~~。
 面白かったです。マジで。
 ラストのタクミには全力でツッコませて頂きましたよ。
 カッコつけてる暇があるなら書店に行け!!!ってね。

まあ、私も締切日当日に予約したクチですけども。(核爆ドッカーン)






 さて、それでは本編感想へといってみましょう。

 またもやセンターカラーですが、今回は十傑メンバーではなく季節柄に合わせてアリスが扉絵です。

おお~~~!!これは綺麗で可愛い!!

 

 ひょっとしたらこれまでのアリスのカラーイラストで一番素敵に描かれているのではないでしょうか?
 えりだるまもとっても可愛いしv

 確か創真との戦いの際の感想にてアリスのイメージを「雪」と述べましたが(第66話)、 今回はそのイメージである“冷たさ”を醸し出しておきながら、それを遥かに凌駕する“綺麗さ”と“柔らかさ”が表現されていると思います。

 肌の白さが外見的特徴であるアリスですが、背景も服装も白一色なため、普段より血色が良く見えているんですよね。
 しかも冬を表しているイラストだけあって気温が低いのか、その寒さから頬が常より紅潮しているという。
 最初期の頃は酷く冷たい雰囲気で、陶磁器のような白い肌と銀髪ということもあり一種の人形的イメージさえあったアリス。
 ですが、このイラストのアリスは間違いなく体温のある人間。
 加えて初期の頃のカラーイラストでは冷笑が多かった彼女でしたが、当時と比べると随分と明るく朗らかな笑みを見せるようになりました。
 そう考えると改めて、創真がアリスに料理を通して“温もり”を与えてくれたことの意味の大きさを再認識させられます。
 つくづく創真ってば女の子への影響力半端ないな!!!(ホント恐ろしい子!!!)


 寒いからこそ自身の体温がより分かる。
 体温があるからこそ描くことが出来る、淡い紅色と白色のコントラスト。
 温度”というものによる配色の相乗効果。
 サブタイトルとの関連性から見ても、大変見事としか言えないイラストでした!!



 では本編へ。
 授業で寝ていたため、「スチームコンベクションオーブン」がどういう機械か知らない創真さん。

 ・・・。

メッ!


 いけませんよ授業で寝るなんて!いつどんな時にどのような知識や見聞が役に立つか分からないんですから!あ!もしかしてま~た新作料理の開発か何かで夜更かししたの?ダメですよちゃんと寝なくちゃ!まだまだ育ち盛りなんだからきちんと休養を取らなければ後々体に支障が起きるかもしれないんだよ!?そもそも何事も体が資本なわけで(以下略)


 そんな創真にアリスが解説。
 以前の「辛さ」についての解説には名言炸裂させてましたが(第123話)、今回はオーバーフローは無し。
 どんどん要領良くなってるね(苦笑)。
 それと、ここのペラペラ解説を聞いてる時の創真くんが良い感じにデフォルメかかっていて可愛いv

 要するにスチームコンベクションオーブンは、便利だけども多機能すぎて使いこなすには相応の理解と知識が必要な機材というわけですね。
 例えるならば小学生に最新のタブレットを与えても使いこなせないようなものでしょうか。

 そして私が思ったように(いやきっとほとんどの読者が思われたことでしょうが)、楠のイメージとスキルのミスマッチさを、ズケズケ言いまくる大衆食堂コンビ(大苦笑)。
 でもここのシーン、コメディチックでありながら、創真とタクミの言い方を見比べると少し面白いんですよね。
 創真はオノマトペを用いた、感覚的表現。
 一方のタクミは、漢字熟語を多用した論理的表現。
 言いたい内容はほとんど同じながらも、言い回しの違いによってそれぞれのキャラクター性を推し量ることが出来ます。
 こういう所に、やはり附田先生は常に“キャラクターの話し方”に留意してくださっているな~とつくづく。

 そんな平然と失礼発言な創真達に笑いつつも、梁井は楠のスキルを明かします。
 楠は火入れのスペシャリスト、特に「低温料理」の使い手だったのでした。
 へ~、低温調理ですか。ここ最近聞くようになった調理法ですよね。
 確か『鉄腕D●SH』のラーメン企画でも、低温調理を用いたチャーシューが紹介されていましたっけ。

 ここで「スチームコンベクションオーブン」を始め、「バスサーキュレーター」、「真空包装機」、「ウォーターバス」、「ガストロバック」など、最先端調理機器の名前がずらずらと登場。
 ・・・え~っと。
 かいつまんで言えば、いずれも水や気圧を用いながら食材を加熱する機械です。
 調べている最中、特に目を引いたのが「ガストロバック」。
 日本語で言うと「減圧加熱調理器」。
 圧力鍋とは逆の原理で、圧力をかけることにより100℃を超える温度で加熱することによって調理時間の短縮や食材を柔らかくするのが圧力鍋の効果に対し、ガストロバックは圧力を低くすることで100℃以下の温度で沸騰させ、それにより食材にダメージを与えずに調味液を染み込ませることが可能とのこと。
 例を挙げるならば、食感は生の肉じゃがを作ることが出来るそうです。
 ふえ~~~、凄いですね~~~。
 食べたいとは思わないけど。(肉じゃがはほっこりホクホクの方が好きv)



 そんな楠の加熱技術によって、食材は驚くほど美しく変貌していきます。
 ・・・へえ・・・。
 創真がこれほど絶賛するなんて珍しいですね。
 素直な創真はこれまで他の料理人を褒めることは沢山ありましたが、そのいずれもが明るく笑いながらで、これほど真顔で褒めたことはほとんどありません。
 正直観衆らの多くの賛辞より、創真の一言の方がよっぽど説得力があります。

 仕上げに入る楠。
 『サラマンドル』。
 うん、私もカッコイイ名前だと思う(爆)。

 っていうか創真さん、楠を「連たろ先輩」なんて呼んじゃってますね☆
 なんか「レンタル先輩」と聞き間違えそうだ(爆っ)。
 前回感想でも述べた通り、楠は下の名前で呼ばれることを嫌っていそうと思っている私としては、これは楠の反応に期待せざるを得ません♪
 薊を「中村先輩」とも呼んでいますし、創真は何気に相手の“本質”を捉えた呼び方をしているような気がします。


 遂に楠の料理が完成。
 その名も『サーモンのコンフィ・フラム』。
 ほお~~~。
 これは綺麗かつ美味しそうと思える品ですね~!
 食べてみたいかも。
 個人的にはサーモンの横に添えている物体も気になります。
 何かのムースのようにも見えますが一体・・・?
 それと、「コンフィ」はフランス料理の技法。
 ということは・・・
 「魚介」だけでなく「フランス料理」という点においても楠の料理は黒木場と同じ土俵に立っているというわけですね。

 

 

 でもって、創真とアリスに挟まれている(であろう)茜ケ久保ももは、今回で遂に完全に蚊帳の外に(大苦笑)。

 

 

 


 

 

 

 そんなわけで楠の本当の腕前が明かされた今回。
 この作品に登場する料理人はほぼ全員調理中の姿に箔がありますが、楠も例外ではありませんでした。
 しかも創真の賛辞によって、更に強者感を増強。
 う~ん、創真の発言に高い信頼を置いている私としては、この構成にはぐうの音も出ません。



 楠は分子ガストロノミーの使い手というよりも、最先端調理機器を用いた炎と熱の使い手でした。
 いわばアリスのスキルと黒木場の特性を併せ持つ料理人だったわけですね。
 そう考えると何とも因縁めいた対決だったわけです。

 加熱、すなわち“火入れ”をマスターすれば素材特化の料理人では敵わないレベルに到達できるという考えの楠。
 いやいやいや。
 黒木場は素材特化の料理人ではないんですけど。
 何度も言うようだけど、黒木場は「フランス料理」という分野も得意としていますよ。
 おまけに“火入れ”のスペシャリストと自負している楠ですが、少なくとも創真ら[玉の世代]にもう一人、“火入れ”のスペシャリストが居るんですけど。(“彼女”との勝負も見てみたい!)
 むしろ「絶対温感」は彼女の方が持ってると思う。



 それにしても主要人物達それぞれのスキルを併せ持つ、合成能力者といえる料理人が現れてきましたね。
 今回判明した楠のスキルは最先端科学というアリスのスキル、そして繊細な温度調整という郁魅のスキルを併せ持つものです。
 ということは、これからどんどんこういった合成能力者が現れ始めることとなるでしょう。
 さあ、こうなってきた以上、これまでの主要人物達は自分の得意分野が「自分だけの専売特許」とはいかなくなってきました。
 これからの戦いを生き抜いていくためには自分の持ち味をベースにしつつ、更にそれを応用・発展させる必要性が出てきたわけです。
 学園の成り行きや人間関係だけでなく、やはりこの章でも「料理人としての成長」が問われてきそうですね。



 今回の楠の品はアリスが出してきてもおかしくないような品でした。
 長い間一緒にいた相方のスキルと似たスキルを持つ相手との勝負・・・というと、個人的に思い出されるのが秋の選抜本戦第一回戦の新戸VS葉山の戦い。
 あの時もえりなを主君とする新戸と、そんなえりなと似たスキルを持つ葉山といった、人間関係や能力に共通性の多い勝負でしたからね。
 新戸がそうであったように、今回の勝負も黒木場とアリスの関係を問われることとなるのでしょうか・・・。



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『食戟のソーマ』第155話感想

2016-04-04 00:00:00 | 食戟のソーマ

 週刊少年ジャンプ2016年12号掲載
 掲載順第2位
 第155話 【最大出力】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして始まった、黒木場と楠の食戟。

 ちなみに茜ケ久保ももはかなり人見知りが激しい子の模様。
 だけどね。
 創真さんのコミュ力を舐めてはいけない。
 創真さんなら、目を合わせての会話ぐらいならその日のうちに成し遂げられそう。

 それと、そんなコミュ障ならば地獄の合宿よりもスタジエール研修の方が苦労すると思うよ。


 そんな創真達を尻目に、進行していく食戟。
 今回のテーマ食材は「鮭」。

 圧倒的格差を思い知らせるために相手の得意ジャンルに合わせていた、楠達セントラル側。
 それは黒木場に対しても同様のようです。
 逆に言えば、楠達は自分達の本当の実力を全然出していないという事でした。

 観客も驚くほどの迅速な動きで鮭を捌く黒木場。
 そんな黒木場と同等の速さの捌きを見せる楠。
 そしてドヤ顔。
 いちいちウザい。
 言っとくけど、創真だって黒木場と同等の魚捌きが出来ますよ。



 ここで回想が挟まり、何故アリスではなく黒木場がセントラルと食戟することのなったのかが判明。
 うん、楠はお呼びじゃなかったと(苦笑)。
 でもって黒木場さん、いちいちバンダナ装着しないと怒鳴れないんですかい?
 捨て台詞にさえも全力で噛みつくのはいかにも黒木場らしいけど。



 そういうこともあって、自分の調理の傍ら楠を挑発する黒木場。
 [売り言葉に買い言葉]
 これほどこのことわざが標準仕様の漫画も珍しいと思う。

 というわけでまたもや挑発に乗せられた楠。(小者感がもうノンストップ)
 自分の本当の実力を出そうとします。
 そんな楠に梁井は溜息。
 でも、「出たがりなんだから・・・」という言葉には違和感が。
 だって楠はもうステージに出ているのに。
 ここは「出しゃばり」とか、「目立ちたがり」と表現した方が適切かと思います。


 そうして、ある物が会場に運び込まれます。
 それは創真が秋の選抜本戦第一回戦、アリスとの戦いで目にしたものでした。
 ・・・附田先生&担当編集さん、重ね重ね細かいツッコミ入れてゴメンナサイ・・・でもアリスとの戦いは『食戟』ではありませんよ~・・・。

 楠が運び込ませたものは「スチームコンベクションオーブン」と「凍結粉砕機」!
 なんと楠は、アリスと同様に最新鋭調理機器の使い手でした!!



 さてどうなる次号!?

 という引きの傍らで、コミュ力抜群の創真&アリスに挟まれてる茜ケ久保ももは蚊帳の外(苦笑)。

 

 


 

 


 さて、黒木場の得意ジャンルに合わせて「鮭」がテーマとなった今回の食戟。
 確かに「魚介」は黒木場の得意ジャンルですが・・・。
 彼の得意分野はもう一つあります。
 それは「フランス料理」。
 作中では今のところ「魚介」を前面に押し出してますけどね。
 そういうわけで今回黒木場は何を作ろうとしているのか、【フランス料理 鮭 米】で検索してみたところ・・・。

 ヒットせず★

 考えること1分。(←短)

 ・・・そういえば、黒木場は秋の選抜本戦第二回戦(VS葉山戦)でもパン生地(ブリオッシュ)を使ってたっけなあ~。

 ということで、改めて【フランス料理 鮭 米 ブリオッシュ】で検索したところ・・・。

 ヒット☆

 多分黒木場が作ろうとしている料理は『クリビヤック』かと。
 ※クリビヤック・・・鮭や茹で卵やホウレン草、そしてお米やカーシャ(蕎麦粉のようなもの)を層のように積み重ね、ブリオッシュ生地で包み焼き上げるフランス料理。
 何気に黒木場の料理は正当派な品が多いですし、この予想にはちょい自信ありです☆



 そしてなんとも意外だったのが、楠の得意分野。
 その外見でインテリ系だったなんて・・・。
 その外見でインテリ・・・。
 その外見で・・・。

似合わね~~~!!


 さすがに失礼ですかそうですか。

 これはアリスにとっても見過ごせない勝負になりました。
 研究会自体に思い入れは無かったものの、薊への反発から食戟を承知したアリスでしたが、まさか敵が自分と同ジャンルの使い手だったとは・・・!
 元々アリスはえりなに負けないようにと、自分だけの武器を手に入れるべく幼い身でありながら寒い北欧へと渡った身。
 自分がそれほどの覚悟と決意と努力をして手に入れた武器を、こんないかにも小者な人物が使いこなしたとなれば、自分の矜持の侵害となってしまうことでしょう。
 アリスとしては、黒木場に勝って欲しい理由がまた一つ増えたわけです。

 でも、多分黒木場は・・・。

 恐らくこの食戟を機に、黒木場とアリスの関係にも波が立ってしまう気がします。

 


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