空に乾杯

日々な話やドラマの感想など雑多に書き綴ってます!

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2011-06-15 | 本やマンガ

深く抉られるような感覚がいつもそこにある……。

きっかけは確かに静人の中に芽生えていて。

それがまたあるきっかけにより行動へと繋がっていく。

読んでいてふと思ったのですが……。

彼もいつかは悼むことに区切りをつけなくちゃいけないはずだ。

家庭を持って、夫となり父となっていくのだろうから……。

彼の行為を理解するのはなかなか難しいように思える。

それでも、悼むことで、そこで亡くなったそれぞれの存在が

いかされていくような感覚はあるかもしれません。

どこかで人生に迷い込んでいくことがある。

時に、静人の行為が奇異に見える瞬間は確かにあると思う。

それでも、彼のその行いを考えずにはいられないひともいる。

それは人生を振り返るきっかけがそこにあるからかもしれない。

存在や生きる意義とか、さまざまなことを彼を通してだろうけれど。

考え、そして答えを見つけていく……。

きっと時間はかかっても終着し、またそこから始まるのだろうと……。

静人自身も最愛の人を悼むことで、

終着し、新たな始まりを迎えたように思えました……。

★悼む人 上・下

 天童荒太著