名古屋市科学館に行ったついでに
名古屋市美術館に行く…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/13/b7/fd5f2dd6ecd36fb052cdc6ea6e16eed8_s.jpg)
「藤田嗣治展 東と西を結ぶ絵画」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/18/4d/8901d4a46e70456ceead511fc109e2a1_s.jpg)
いや…
実は
名古屋市美術館のついでが
名古屋市科学館だったのでありまして…
私…
恐竜に興味はなくても
藤田嗣治展には興味津々だったのよ…
…というのは
去年、ここ名古屋市美術館で
「画家たちと戦争展」
…という特別展をみにきたことがあって…
そのときにみた
藤田嗣治さんの戦争画が強烈だったのよ…
そもそもは…戦争画を描くことで国家に協力してきた
藤田嗣治さん
それは…戦争を鼓舞する絵…ではなくて…
戦場の残酷さ、凄惨、混乱を細部まで濃密に描き出して
そう…戦争の生々しさを描いていまして…
これって…愛国心を煽って
戦争鼓舞したかった国家の思いとは逆効果…
戦後は…戦争協力者として日本を追われ
「私が日本を捨てたのではない。日本に捨てられたのだ」との言葉を残して
渡仏されている…
人間らしさ…を絵から
思い切り感じたのが…
昨年の「画家たちと戦争展」
…で出会った
藤田嗣治さんの絵だったのよ…
さてさて
今回の
「藤田嗣治展 東と西を結ぶ絵画」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/0b/21/691be336e825a3a21a619523f16456a0_s.jpg)
では
藤田嗣治さんの波乱の人生が…
そのまま感じられる展示内容でして
藤田嗣治さんに興味津々の
私にとってはたまらない…
見応え十分の「藤田嗣治展」でありました…
20代でパリに遊学…
西洋の画風に日本の画の要素を取り入れて…
描かれている
柔らかく透明感を感じる肌が印象的な裸婦像の絵を眺める…
この淡い色遣い
そして優美な線描と向かいあう…
淡い…透き通るような肌の裸婦像を次々と眺める…
なんとも魅力溢れる
惹き込まれるほどの藤田嗣治の想いが
絵を通して伝わってくる…
その裸像の横に描かれる猫たち…
藤田嗣治さんの猫好きは知っていた…
猫好きと同様に
ぽっちゃりの女性も好きだったのかな…
藤田嗣治さんの描く裸婦は…どの方も
ちょいと豊満で…安産型でありまして…笑
透明感を感じる肌の
「五人の裸婦」に感じられるような
繊細な淡い色遣い
優美な曲線
背景のどこかに「日本」が感じられるような
優雅さ…
そして…猫…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/2b/e7/6dc949d12f30bdf54c9665a81061c5f0_s.jpg)
眺めれば
眺めるだけ
「発見」もありそうな…
そんな
乳白色の裸婦像が次々と…
これを描きたい!!
…といった藤田嗣治さんの想いが
エネルギーとなって
絵から発せられてるような気がして
絵を眺めるごとに圧倒される想い…
乳白色の下地に描かれた
繊細な緻密な…優雅な曲線美に
心から惹かれて…
立ちすくんじゃうこともしばしば…
さてさて
今回の展示は
画風の変化が分かりやすい
展示となっていまして…
フランスでも人気画家となり
その後は
アメリカ、中南米、中国と各地を転々として
絵を描き続けます…
その頃には
乳白色の裸婦像を描いていた
フランス在住の頃とは違って
鮮烈な色彩で描かれている絵が多くみられるようになってました…
そして日本に帰国…
軍国主義化を進める国家の要請に応えるべく
従軍画家時代
ただ…
他の従軍画家が描くような勝利を称えるような画とは異なり…
藤田嗣治さんが描く戦争画は実に生々しい…驚!
戦争の壮絶さと悲惨さが
絵を観るものの心に突き刺さる…
大迫力の戦争画に…
ホント言葉を失うほど…
とてもじゃないが
あの素晴らしき乳白色の肌の裸婦像を描いていたのと
同じ画家が描いているとは思えない!!
驚愕の戦争画3枚が展示されてまして
その中の1枚が…
この
「アッツ島玉砕」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/3b/29/2ed96472f72558497474406c5ef80d2e_s.jpg)
太平洋の小島で繰り広げられた米兵との凄惨な戦い
ぱっと見ただけでは
敵も味方もワカンナイ…
横たわる戦死者の中から
はっきりとした「生」を感じ
湧きあがる「生きることの荘厳さ…」
…を感じずにはいられない…
この絵のタイトルが
「アッツ島玉砕」
「全滅」…ではなく
「玉砕」
「玉砕」という言葉で
戦死が「美化」されてしまう…
こんなに…
太平洋の小島で必死になって兵士は戦ってるんだから
国民も一丸となって
節約節制し
アメリカをやっつけよう…
見方を変えれば
この絵で…
戦争鼓舞ができなくもないけど…
藤田嗣治さんが最後に
描いたという
「サイパン島同胞臣節を全うす」
(フライヤーに写真は載ってなかったので、ここに写真UPはしてないけど
このタイトルでぐぐってみてね…
心揺さぶられる衝撃的な大作でした…)
崖より投身する女性たち
赤ん坊に乳を飲ませる母親
地を這いつくばる女性の姿や
天を仰ぐ女性の姿…
ここに描かれているのは
殺された兵士ではなく…一般の民衆…
女性や子供達…
もう…
なんとも言えない感情が湧き出て
心に突き刺さる…
とても
戦争を鼓舞した
賛美した絵とは
思えない…
戦争は…
こんな悲惨なものなんだ…
今を生きる私には…
いや
絵を鑑賞した多くの人達にも
「平和のありがたさ」を
痛感する
強烈な戦争絵であるととらえられるはず…
だが…戦時中の
当時の国家は「一億玉砕」の信念を
国民に植え付け続けていた…
要は
「悲惨なもの」を「勇気あるもの」と捉えさせようとしてた
そんな
国家の風潮だったのだ…
ところが
戦後の価値観の変化に伴い…
藤田嗣治さんは戦犯扱いをされ…批判を受けることになる…
「画家は本来、自由愛好家であり、自分は国民的義務を果たしたに過ぎない…」
…とは
藤田嗣治さんの弁
戦争責任を問われ
そして
さらには…
「絵描きは絵だけ描いてください。
仲間げんかをしないで下さい。
日本画壇は早く世界的水準になって下さい。」
そんな重たい言葉を残して
渡仏…
二度と日本に戻らず
その後は
フランス国籍を取得し
カトリックの洗礼により
レオナールの名で数々の宗教画を描き
生涯を終える…
この
「礼拝」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/5a/1d/565437386b212e9b56a514e3e7cefac6_s.jpg)
という絵…
マリア様の両脇には
藤田嗣治さん自身とその妻を描き
画家として
流転の…激動の人生を送りながらも
最後は
神のもとに
近づけたんだろうな…
…といった安堵感のようなものを感じて
展示室を後にする…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/21/b9/063640237c6ba094224ca2ddcebeda0b_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/2a/77/a56b2c330135cc0ae28f614104b27d50_s.jpg)
藤田嗣治さんの写真と対峙しながら
こう思わずにはいられない…
「全滅」を
「玉砕」と美化される世の中がこないことを願いつつ…
「悲惨なもの」を「勇気あるもの」と
美化される世の中がこないことを願いつつ…
この「藤田嗣治展 東と西を結ぶ絵画」の特別展
ア●さんを始めとする
●保法案を推進する方にも
足を運んでもらいたいものだ…
?????
でも…
ひょっとしたら…
日本国家のために
「玉砕」…美しい…
さらには
日本国家のために
「勇気あるもの」…素晴らしい…
…と受け止めちゃって
日本があらぬ方向へ
どんどんと…進むかもしれないから
やっぱ…こない方がいいかも…????…ねっ…
名古屋市美術館に行く…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/13/b7/fd5f2dd6ecd36fb052cdc6ea6e16eed8_s.jpg)
「藤田嗣治展 東と西を結ぶ絵画」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/18/4d/8901d4a46e70456ceead511fc109e2a1_s.jpg)
いや…
実は
名古屋市美術館のついでが
名古屋市科学館だったのでありまして…
私…
恐竜に興味はなくても
藤田嗣治展には興味津々だったのよ…
…というのは
去年、ここ名古屋市美術館で
「画家たちと戦争展」
…という特別展をみにきたことがあって…
そのときにみた
藤田嗣治さんの戦争画が強烈だったのよ…
そもそもは…戦争画を描くことで国家に協力してきた
藤田嗣治さん
それは…戦争を鼓舞する絵…ではなくて…
戦場の残酷さ、凄惨、混乱を細部まで濃密に描き出して
そう…戦争の生々しさを描いていまして…
これって…愛国心を煽って
戦争鼓舞したかった国家の思いとは逆効果…
戦後は…戦争協力者として日本を追われ
「私が日本を捨てたのではない。日本に捨てられたのだ」との言葉を残して
渡仏されている…
人間らしさ…を絵から
思い切り感じたのが…
昨年の「画家たちと戦争展」
…で出会った
藤田嗣治さんの絵だったのよ…
さてさて
今回の
「藤田嗣治展 東と西を結ぶ絵画」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/0b/21/691be336e825a3a21a619523f16456a0_s.jpg)
では
藤田嗣治さんの波乱の人生が…
そのまま感じられる展示内容でして
藤田嗣治さんに興味津々の
私にとってはたまらない…
見応え十分の「藤田嗣治展」でありました…
20代でパリに遊学…
西洋の画風に日本の画の要素を取り入れて…
描かれている
柔らかく透明感を感じる肌が印象的な裸婦像の絵を眺める…
この淡い色遣い
そして優美な線描と向かいあう…
淡い…透き通るような肌の裸婦像を次々と眺める…
なんとも魅力溢れる
惹き込まれるほどの藤田嗣治の想いが
絵を通して伝わってくる…
その裸像の横に描かれる猫たち…
藤田嗣治さんの猫好きは知っていた…
猫好きと同様に
ぽっちゃりの女性も好きだったのかな…
藤田嗣治さんの描く裸婦は…どの方も
ちょいと豊満で…安産型でありまして…笑
透明感を感じる肌の
「五人の裸婦」に感じられるような
繊細な淡い色遣い
優美な曲線
背景のどこかに「日本」が感じられるような
優雅さ…
そして…猫…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/2b/e7/6dc949d12f30bdf54c9665a81061c5f0_s.jpg)
眺めれば
眺めるだけ
「発見」もありそうな…
そんな
乳白色の裸婦像が次々と…
これを描きたい!!
…といった藤田嗣治さんの想いが
エネルギーとなって
絵から発せられてるような気がして
絵を眺めるごとに圧倒される想い…
乳白色の下地に描かれた
繊細な緻密な…優雅な曲線美に
心から惹かれて…
立ちすくんじゃうこともしばしば…
さてさて
今回の展示は
画風の変化が分かりやすい
展示となっていまして…
フランスでも人気画家となり
その後は
アメリカ、中南米、中国と各地を転々として
絵を描き続けます…
その頃には
乳白色の裸婦像を描いていた
フランス在住の頃とは違って
鮮烈な色彩で描かれている絵が多くみられるようになってました…
そして日本に帰国…
軍国主義化を進める国家の要請に応えるべく
従軍画家時代
ただ…
他の従軍画家が描くような勝利を称えるような画とは異なり…
藤田嗣治さんが描く戦争画は実に生々しい…驚!
戦争の壮絶さと悲惨さが
絵を観るものの心に突き刺さる…
大迫力の戦争画に…
ホント言葉を失うほど…
とてもじゃないが
あの素晴らしき乳白色の肌の裸婦像を描いていたのと
同じ画家が描いているとは思えない!!
驚愕の戦争画3枚が展示されてまして
その中の1枚が…
この
「アッツ島玉砕」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/3b/29/2ed96472f72558497474406c5ef80d2e_s.jpg)
太平洋の小島で繰り広げられた米兵との凄惨な戦い
ぱっと見ただけでは
敵も味方もワカンナイ…
横たわる戦死者の中から
はっきりとした「生」を感じ
湧きあがる「生きることの荘厳さ…」
…を感じずにはいられない…
この絵のタイトルが
「アッツ島玉砕」
「全滅」…ではなく
「玉砕」
「玉砕」という言葉で
戦死が「美化」されてしまう…
こんなに…
太平洋の小島で必死になって兵士は戦ってるんだから
国民も一丸となって
節約節制し
アメリカをやっつけよう…
見方を変えれば
この絵で…
戦争鼓舞ができなくもないけど…
藤田嗣治さんが最後に
描いたという
「サイパン島同胞臣節を全うす」
(フライヤーに写真は載ってなかったので、ここに写真UPはしてないけど
このタイトルでぐぐってみてね…
心揺さぶられる衝撃的な大作でした…)
崖より投身する女性たち
赤ん坊に乳を飲ませる母親
地を這いつくばる女性の姿や
天を仰ぐ女性の姿…
ここに描かれているのは
殺された兵士ではなく…一般の民衆…
女性や子供達…
もう…
なんとも言えない感情が湧き出て
心に突き刺さる…
とても
戦争を鼓舞した
賛美した絵とは
思えない…
戦争は…
こんな悲惨なものなんだ…
今を生きる私には…
いや
絵を鑑賞した多くの人達にも
「平和のありがたさ」を
痛感する
強烈な戦争絵であるととらえられるはず…
だが…戦時中の
当時の国家は「一億玉砕」の信念を
国民に植え付け続けていた…
要は
「悲惨なもの」を「勇気あるもの」と捉えさせようとしてた
そんな
国家の風潮だったのだ…
ところが
戦後の価値観の変化に伴い…
藤田嗣治さんは戦犯扱いをされ…批判を受けることになる…
「画家は本来、自由愛好家であり、自分は国民的義務を果たしたに過ぎない…」
…とは
藤田嗣治さんの弁
戦争責任を問われ
そして
さらには…
「絵描きは絵だけ描いてください。
仲間げんかをしないで下さい。
日本画壇は早く世界的水準になって下さい。」
そんな重たい言葉を残して
渡仏…
二度と日本に戻らず
その後は
フランス国籍を取得し
カトリックの洗礼により
レオナールの名で数々の宗教画を描き
生涯を終える…
この
「礼拝」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/5a/1d/565437386b212e9b56a514e3e7cefac6_s.jpg)
という絵…
マリア様の両脇には
藤田嗣治さん自身とその妻を描き
画家として
流転の…激動の人生を送りながらも
最後は
神のもとに
近づけたんだろうな…
…といった安堵感のようなものを感じて
展示室を後にする…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/21/b9/063640237c6ba094224ca2ddcebeda0b_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/2a/77/a56b2c330135cc0ae28f614104b27d50_s.jpg)
藤田嗣治さんの写真と対峙しながら
こう思わずにはいられない…
「全滅」を
「玉砕」と美化される世の中がこないことを願いつつ…
「悲惨なもの」を「勇気あるもの」と
美化される世の中がこないことを願いつつ…
この「藤田嗣治展 東と西を結ぶ絵画」の特別展
ア●さんを始めとする
●保法案を推進する方にも
足を運んでもらいたいものだ…
?????
でも…
ひょっとしたら…
日本国家のために
「玉砕」…美しい…
さらには
日本国家のために
「勇気あるもの」…素晴らしい…
…と受け止めちゃって
日本があらぬ方向へ
どんどんと…進むかもしれないから
やっぱ…こない方がいいかも…????…ねっ…