望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

彗星なんとなくウラ話・その9・ある日の稽古場<出の前の役者たち>

2020-02-01 18:06:42 | 舞台・ウラ話

出の前は、じっと待っているだけでなく、
そのときの状況で色々と変わります。

     

これは「稽古場ならでは」の、出の前の姿。

ここで見ていただきたいのは、
袖でスタンバっている教頭先生(光希さん)です。


彼女は、ものすごく熱心な役者さんで、
クリスマスの帽子も、伸びる指し棒も、オペラグラスも、
全部、彼女が持ってきて、演出がOKを出したもの。

こういう小道具で、教頭先生のキャラが、
いっそう濃ゆいものになりました。

ここではオペラグラスをどう使うおうか、
袖に来てまで研究中。



場に出てから、また新たなネタを見せよう、
と言うところでしょうか。

     

その光希さんが舞台で演技中、
出る前からドアノブを触ってみたり、周りを見回してみたり、
役の動きでスタンバイしている佐々木役の加藤さん。


もちろん、シーンによっては、
じっと出を待つ時もあります。

加藤さんはいつもこうやって、
かなり前から、袖で、その時の役の体を作り上げて、
その延長で場に出ていくのです。

いずれもっと書きたいと思っていますが、
この、加藤さんの稽古場での居方、本番への向かい方に、
どれほど教えられたかわかりません。

歳は私の方がずっと上ですが、
ベテランとはこうあるべしという見本を、
見せていただいた気がします。

  ・・・と、

    うーーん。


今回のウラ話、
どうしてこんなにマジメなんだ???

あんなに稽古場で笑ってたのに、
みんながマジメすぎたのか??

でもまぁ、こういう時もあるということで、
これからは笑えるネタも出てきますので、

もうしばらく、
やっぱりマジメに語ります(なんじゃ、そりゃ!)


加藤さんがやっていた、
<役の身体になってから出る>って、
これはすごく大事なんですね。

もちろん、どんな役でも、出の寸前には、
その体になってから出て行くワケですが、

ノリノリのハイテンションで出る時とか、
さんざん走り回った後のシーンだったりとかは、

感情も身体も大きく変わっていて当然なので、
袖でじっと待っていて、すぐ出るのでは、
とても表現できません。
役者と言っても、生身の人間ですから。


私の思い出話になっちゃいますが、特攻隊の芝居をやった時、
田舎から、息子のいる特攻基地までの道のりを、
全部辿ってから舞台に出る、
という作業をしたことがありました。

夜行のぎゅう詰めの汽車から始めて、
早朝から長い間バスを待って、
人に聞きながら、延々歩いていく、という、
その行程を毎回全部、想像して。

道に咲いている花、掘っ立て小屋の並ぶ村、
あっちこっちの写真で見たものを総動員して、
大変な思いをして、息子に会いに行く。

そして、やっと着いた!と思ったら、
息子はその前日に特攻に出ていた、という、
「皆さん、泣いてちょーだいっ!」
ってシーンだったんですが、

特攻基地のすぐそばから始まる場面の第一歩に、
息子への思いが見せられたらと、
毎回奈落に籠ってイメージしておりました。


・・・って、やたらと語っちゃった~

次回からは、また、全然違うネタで、
こんなに語らずにお見せいたします!


   (つづく)




 ーーーーーーーーーーーーー
 ブログランキング参加中 
  人気ブログランキング
 よろしければ、クリックを!
ーーーーーーーーーーーーー
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

参加中。よかったらクリックを!

人気ブログランキングへ