望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

彗星なんとなくウラ話・その10・ある日の稽古場<稽古中は波乱万丈>

2020-02-03 23:55:06 | 舞台・ウラ話

我ながら、今回のウラ話のマジメさに、
どうなっちゃったんだろうとウロたえておりますが、

でも考えてみれば、
マジメな話だけで、稽古が進むワケはないんです。

はい。いろいろと思い出してまいりました


今はあんまり放送してないのかもですが、
昔、よくNG大賞ってありましたよね。
ドラマの収録のときの笑えるNGを集めた番組。

舞台の稽古中っていうのも、
ああいうNGが繰り返されて、
形になっていくようなものなんです。

稽古というのは、トチって、すべって、冒険してなんぼ!

これが許される座組が、いい座組だと、
私は思っています。

やっぱりあるんですよね~、
演出家が怖すぎて萎縮する座組とか、
ミスを笑えない雰囲気とか、
共演者が足を引っ張り合う座組とか。
いろいろと・・・。


でも、今回は、ちょっとないほどの、いい座組。

ってことは、ミスし放題!

いやいやいや、そういう座組に限って、
それほどなかったのですが・・・。
でも思い起こせば、それなりにはあったっけ。


たとえば・・・、
北条雷太と、ナオの夫・徳造が嵐に遭うシーン。

本番では音響さんと照明さんの力を借りつつ、
2人の迫力のある動きと、しずえの緊張感のある語りで、
大きな山場のシーンになっていたと思います。

しかし、こんな大変なシーンが、
稽古の時からうまくいくワケはないのでして・・・。


このシーンは、
しずえの実況中継のような台詞と、
男2人の、激しい動きと緊迫した台詞の応酬、

この2つがぴったり合ってこそ、
迫力のあるものになります。

しかし、稽古中は、
台詞はうろ覚えだから、止まったり飛ばしたり。
動きもまだ固めきれてない。

その上、動きながらの会話も多い。
だけど、緊迫感をもって、早く喋り倒さねばならない!


となると、どうなるかというと・・・。


しずえ「そして船は嵐に巻き込まれた。玄界灘の・・・、玄界灘の・・・・・・」

(あれ、出てこないみたいだな)

しずえ「襲いかかる黒い波・・・」

(お、つながった。次何だったっけ)

しずえ「2人は海へ放り出された!」

(え?え? 早っ!)

2人があわててどぶーん!



   (つづく)



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