望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

彗星なんとなくウラ話・その11・ある日の稽古場<稽古中は波乱万丈>

2020-02-04 21:05:03 | 舞台・ウラ話
稽古の時は、うまくいかなくて当たり前。
特に、嵐のシーンなどは、
試行錯誤の上に次第に固めていったので、

そのプロセスは実におもしろ・・・あ、いや、大変でした


それでは、昨日のところからもう一度・・・。

しずえ「そして船は嵐に巻き込まれた。玄界灘の・・・、玄界灘の・・・・・・」

(あれ、出てこないみたいだな)

しずえ「襲いかかる黒い波・・・」

(お、つながった。次何だったっけ)

しずえ「2人は海へ放り出された!」

(え?え? 早っ!)

2人があわててどぶーん!



・・・と、しばらく、順調に進んで、
  2人が力尽きていくところへ・・・。

しずえ「徳造を背負ったまま、波に揺れるだけになった」

徳造「だめじゃ、もう泳げん」

(あれ?台詞、10行くらい戻っちゃったよね?)

こういうときには、とりあえず、
あたり障りのない台詞でつなげてみる。

雷太「何言ってるんだ!」

 (さぁここからどう行くのかな~)

徳造「・・・・・・・・・」

(今、思い出してるよね・笑)

雷太「・・・・・・・・」

(どうつなげるか、考えてるよね)

微妙な静けさの中、やっと徳造が口を開いた。


徳造「雷太1人じゃったら助かるかもしれん」

 (お、今度は2行ほど先に進んだけど、つながったぞ~)


なーんて、
本当に嵐の中を右往左往しているような、
そんな稽古が続くのでありました。

私もこの場に出てはいるのですが、台詞はたったひとつ。
あとは、3人の台詞を聞いて、
徳造に思いを馳せていればいい、という気楽な立場。

それだけに、3人の苦労のプロセスを、
しっかり楽しむことができました


あの、誤解のないように再度申し上げると、
稽古っていうのは、こういうものなんです。

だって、最初からちゃんとできてたら、
稽古は必要ないんですから。

だから本番ではこんなことはなく・・・、

   こんなことはなく・・・、

     こんなことは・・・、

  ううううう。

    ・・・ときには、あることも


   (つづく)





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