望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

舞台の裏のウラ話 <小劇場のウラの声・その3>

2019-07-21 16:19:10 | 舞台・ウラ話

 

場当りの時のマイクは、

演出家の暴走を止める役割がある。

 

という理由をお話しする前に、

演出家と舞台監督さんについて、

簡単にご説明いたします。

(なぜか、舞台監督だけ「さん」づけ・笑)

 

演出家というのは、皆さんご存じの通り、

その「作品」の総監督であり、総責任者です。

 

対する舞台監督という存在は、

一般の方にはなじみが薄いと思いますが、

その「舞台」の総監督であり、総責任者です。

 

演出家のイメージ(美術家がいるときも)を、

現実のセットとして作り上げるなど、

舞台に関する用意から始まって、

 

本番が滞りなく進むために、

裏であらゆる仕事をし、指示を出します。

 

何か問題があったときの、

舞台監督さんの処理の素早いこと!

 

常に冷静沈着。

役者の体調にまで気を配りながら、

舞台のどんなことにも対応できる仕事人なんですね。

 

演出家と相談しつつ動くものの、

でも、劇場の1日のスケジュールは、

舞台監督さんの手の中にあります。

 

・・・と、やたらと長くなってしまった

 

何を書こうとしてたんだっけ??

  あ、マイクの話だった!

 

つまりですね。

意外なところで劇場のマイクが役に立つのが、

場当りの時なんです。

 

演出家は、

とにかく作品をよくしたいから、

場当りのときでも、演技が気になる。

 

そこで、演出家が思わずダメ出しして、

普通の稽古になっちゃったりすることがあるんですね。

 

場当たりは、

メカニックと演技を合わせるものだから、

本当は絶対にやっちゃいけないんだけど、

やっちゃう演出家もいたりする。

 

でも、これをやっちゃうと、

時間が足りなくなって、

ゲネもできずに本番。

いや、ひどいときには、

場当りさえ終わらずに本番、ってこともある。

 

そんな事態を回避するために、

舞台監督さんが、演出家の声をさえぎって、

「はい、次行きます!」

と、デカい声で一喝するのも、

やはりマイクあってこそ。

 

以前、1本しかないマイクを、

演出家から奪い取って、進行を続けた、

頼もしい舞台監督さんもいました(笑)

 

 

あれ?

全然話が進まなかったみたいな・・・

 

   <つづく>

 

 

 

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舞台の裏のウラ話 <小劇場のウラの声・その2>

2019-07-20 17:42:30 | 舞台・ウラ話

 

舞台を写すモニターTVや、

音だけ拾うモニターマイク。

 

こういうモニター関係は、

朝、楽屋に入ったら、すぐにスイッチを入れます。

 

だから休み時間でも何でも、

舞台の上の状況は常に、楽屋でわかるんですね。

 

だから本番前、ストレッチしながら、

舞台でバカ話なんかしてると、

声は楽屋に筒抜け。

 

本人の預かり知らぬところで、

楽屋でぼろくそに言われてたりします(笑)

 

これがねぇ。

みんな、マイクで聞こえてるってわかってるのに、

喋ってると忘れちゃうんですよね(笑)

 

 

また、期間限定で存在するマイクもあります。

 

小屋入りから初日の前まで使われる、

演出家や舞台監督さんの手持ちマイクが、それ。

 

まぁ、これも普通の、

決して上等とは言えないマイクなんですが、

場当たりの必需品といえます。

 

場当たりは、作品をいくつかのシーンに区切りながら、

照明さん、音響さんと、役者が、

舞台の上で初めて合わせて、

作品を完成させていく最終作業。

 

小さな劇場でも、

仕切り役の舞台監督さんは、

必ずマイクを使いますし、

演出家も大概使います。

 

小屋入りから初日が明けるまでの間といえば、

何かとバタバタのピーク状態。

 

みんなそれぞれ、

やりたいこと、やらなきゃいけないことを、

山ほど抱えています。

 

当然、近くにいなきゃいけないんだけど、

意外にいなかったりする(笑)

スタートする前に、

「上手、いますかーー?」「下手、いますかーー?」

 

と確認するだけでも、

マイクじゃなきゃ、やってられません。

 

それにやっぱり、マイクでガンッ!と言わないと、

一気に全員をビシッとまとめられないんです。

 

それと・・・、

 

マイクってね、

ときには、演出家の暴走を止める、

という役割もあるんです。

 

 <つづく>

 

 

 

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舞台の裏のウラ話 <小劇場のウラの声・その1>

2019-07-19 22:41:44 | 舞台・ウラ話

 

さて、今度のネタは、

<小劇場のウラの声>

というタイトルで進めていこうかと。

 

なんか、わかるようでわからないタイトルですが、

ひと言でいえば、マイクがらみの話でございます。

 

といっても、小劇場では、

何か、よほどの目的がない限り、マイクは使いません。

 

なら、どこにもマイクは無いのかと言えば、さにあらず。

芝居とは無関係にあるんです。

あちこちにマイクが。

 

 

まず、

「えー、インフォメーションです。

キャストの皆さんは14時舞台集合、お願いしまーす」

 

なんていうインフォメーションを、

楽屋など、裏に伝えるためのマイク。

要するに、会社や学校、どこにでもあるヤツです。

 

・・・で、これ、返事したくなりません?

 

不思議なことに、

楽屋にいると、思わず返事をします。

 

「〇〇さんいますかー?

   〇〇さん、舞台上に来てくださーい」

 

「〇〇さん、いませんよー」

なーんて、スピーカーに向かって答えてたりする(笑)

 

以前、会社勤めの友人に話したら、

「ありえない」

と呆れられましたが、

 

考えるに、普通の会社と違って、

楽屋はお喋りOKだからじゃないか、と。

 

なんかね~、楽屋っていつも賑やかなんです。

たとえ、仕事してても、台本読んでても、

シーンとなることはまずないので、

その延長線上にあるのかもしれません。

(もちろん、本番前には静かになりますよ)

 

 

他に、舞台ならでは、なのが、

舞台を写しているモニターTV。

 

つまり、普通はテレビなんですが、

小さい劇場の場合、テレビがなくて、

舞台の音だけ、マイクで拾うところも多いんです。

 

って・・・そういえば、私、

モニターのマイクって見たことないなぁ。

 

かなりの数の劇場に出てきましたが、

そして、舞台のどこかに、

最初から取りつけられているはずですが、

一度も見たことがありません。

 

というか、そんなこと、考えたこともなかった

どこにあるんだろう・・・。

今度、ぜひ探してみます!

 

   <つづく>

 

 

 

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ウラ話、次のネタは

2019-07-18 15:07:37 | 舞台・ウラ話

 

一昨日「台本がきた~~」とはしゃぎまくって、

「でも、ウラ話も書きますよ」と書いたものの、

 

そのはしゃぎ方に、

<アイツはもう書かないな>

と思っておられる方が多いと思います。

 

でも、書きます!

面白いかどうかはわかりませんが、

書きます!

 

というのも、

私のブログは「聞いて聞いて!」で書いてるんですね。

「こんな話があるの。ねぇ、聞いて!」という、

ま、子供のまんまなんですが、

とにかく、人に喋りたくて書いています。

 

なもので、

あまり普通の方はご存じないだろう、というウラ話は、

私にとっては、格好のネタなんです。

 

なんですが、

これが稽古が始まると、

そっちで「聞いて聞いて」ネタが出てくるので、

もう過去ネタまで手が回らなくなる、という。

いつもこんな感じでずっと続いています。

 

が、

今回は発表がまだなので、

これ以上「聞いて聞いて」ネタが書けない。

 

まだ読み込んでもいないので、

自分のイメージは、なんてことも書けない。

 

ということで、

もうちょっと、ウラ話も書きます。

 

・・・ということを書くためだけに、

   これだけの字数を使ってしまった

 

 

なもので、今日はこのあたりで失礼いたします。

(今日の記事はいったい何だったんだろう

 

 

あまりに何もないので、

先日、北海道みやげにもらった「おとなのふりかけ」画像を。

どんどんワケがわからなくなってくる

 

 

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台本が来たぞ~~

2019-07-16 12:51:58 | 演劇・舞台・小劇場

 

ウラ話、まだ続けます、とか書いてましたが・・・、

 

9月の台本が手元に届きましたーーっ!

 

これまで、12月の台本をかなり読み込んで、

台詞を覚え始めていたんですが、

今度はこっちに切り替えます

 

で、ウラ話が、ええと・・・、どうしようかな~、

というか・・・、

もう次のを書きかけてたんですけど、

 

なんというか・・・、

そういう気分にならなくなった(笑)

 

あ、でも、少しづつアップしながら、

台本に向き合っていこうと思います。

どっちにしても、まだ発表ができないので、

そんなに書くこともありませんし。

 

今回もありがたいことに、

実に面白い作品です!!

再演なので、自信を持って言えます。

 

 

ずいぶん長いこと、芝居と離れていた後に、

手元に台本が2冊!

あ~~、うれしい~~

 

まずは台詞を覚えねば!

恥ずかしながら、私はこれが大変なもので

なんて、考えているだけで、気持ちが上がる~~。

 

ということで、

過去のウラ話一色から、

やっと、今の話もできるようになりました!

 

またこれから、今の話やら、過去の話やら、

いろいろと書いて参りますので、

あらためて、どうぞよろしくお願いいたします

(どんだけはしゃいでるんだか・笑)

 

 

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舞台の裏のウラ話 <お客様には見えない苦労編・その15>

2019-07-15 13:09:07 | 舞台・ウラ話

 

大変だけど、なんか笑えちゃう、

という消えもの話を続けてきましたが、

 

当然ながら「笑えない」話もありました。

 

考えてみれば、

食べ物を扱うって、危険なことなんですよね。

 

何を扱ったところで、扱うのは役者かスタッフ。

食品のプロはいません。

 

それも、あんまり食品の知識のない、

若手たちが扱ったりするんですから、

そりゃあ、危なくないワケがない。

 

 

私は出ていなかったのですが、

受付を手伝っていた、

定食屋が舞台の芝居がありました。

 

定食屋だから、とにかく消えものが山ほど出る。

A定食、B定食、うどんにかつ丼、ビールにおつまみ、

もっとあったと思います。

 

なのに、たまたま劇場が小さかったんですね。

その上、裏がやたらと狭かった。

つまり、置く場所がない。

当然、冷蔵庫もめちゃめちゃ小さい。

 

なおかつ、ダブルキャストで人がいっぱいという、

悪条件が揃った上に、

 

時期がまたまた悪かった!

 

数年前に、ものすごい猛暑が続いた、

あの夏真っ盛りの時期が本番だったという・・・。

 

そして案の定、

 1人のキャストが、

大腸炎で、夜中に救急車で運ばれたそうです。

 

当然、気は遣っていたのでしょうが、

ダブルキャストの場合、バタバタしていて、

申し送りをしきれなかったり、

 

扱う役者が新人さんで、よくわかっていなかったり、

そんな不運も重なったのでしょう。

 

本人は大変な苦しみだったようですが、

翌日も公演があり、

やつれ果てて劇場にやって来ていました。

 

 

しかし、裏は40度にもなろうかという猛暑の中で、

出せる状態にセットしたお料理を、

何時間も置きっぱなしにするしかなかった、

 

という話を聞いたときには、

食中毒を考慮しなかった主宰の責任だと感じました。

 

今さら言っても仕方ないので、

役者たちには「できる限り食べないように」

とそっと伝えましたが、

「オレの役じゃ無理です」と言う子もいて、

それも当然だなと、あとは祈るだけでした。

 

 

まぁ、あとは何とか無事に済んだようですが、

小劇場の劇団って、この辺の詰めの甘さに、

問題のある団体が多いんですよね~。

 

まぁ、すべてにおいて余裕がないからなんですが。

 

なーんて、こういう話を語り始めると、

キリがなくなるので、このあたりで。

 

・・・と、

これにて、消えものネタは終了させていただきます。

 

次はまた違うネタでも書きたいと思っておりますので、 

よろしければ、まだしばらく、お付き合いのほど、

何卒よろしくお願い申し上げます~m(_ _)m

 

   <つづく> 

 

 

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舞台の裏のウラ話 <お客様には見えない苦労編・その14>

2019-07-14 17:21:37 | 舞台・ウラ話

 

昨日までの話と似たような話が、

昔の映画の撮影所でもあったそうです。

 

これは本で読んだエピソードなんですが、

 

大御所の二人の役者さんが、

ご飯を食べるシーンを撮ったとき。

 

1人がよそって渡し、もう1人が受け取って食べる、

という芝居があったんだそう。

 

ところが、この二人の役者さん、

大御所だけに、台詞を覚えない。

 

舞台と違って、

映画は台詞が入ってなくても何とかなりますから、

いつもカンペを上手に使っていたようで、

 

その撮影のときも、

 

食べる役の役者さんは、

自分の食べるお茶碗の底に、カンペを貼っておいた。

 

そして、もう一方の、

 

よそう役の役者さんは、

おひつのふたの裏に貼っていた。

 

つまり、食べる方は、

全部読むためにはお茶碗をカラにせにゃならぬ。

 

また、よそう方は、

おひつのふたを開けなきゃ読めない。

 

だから、お茶碗がカラになったと見るが早いか、

速攻、おひつを開けて(カンペを読んで)、

ご飯をよそってお茶碗を渡す。

 

こっちはこっちで、

やっとお茶碗をカラにして、カンペが全部現れたのに、

あっという間にご飯でふさがれる。

 

このやろーと、またあわてて食べて、

カンペを読む。

 

と、よっしゃとフタを開けて、カンペを読んで、

ご飯をよそう。

 

と、またご飯を食べて・・・、

と、すさまじい攻防戦(?)で、

不思議な迫力のあるシーンが撮れたのだとか。

 

 

そういえば、TV中心にやっていた若い頃。

時代劇でどんぶり飯をかっ込む役の役者さんが、

着物にこっそりビニール袋を忍ばせて、

カットがかかった途端に、その袋に全部吐き出してたっけ。

 

何もわからなかった私は、

「食べちゃえばいいのに」と思って見ていたのですが、

今考えたら、

いちいち呑みこんでいたら、

あの迫力は出なかったでしょう。

 

やっぱり経験が浅いと、見る目もないんですね。

 (わかってる気でいた自分が恥ずかしい)

 

 

あ~、そういえば(どんだけ思い出すんだ!)

 

消えものには、笑えない話もあったんです。

   <つづく>

 

 

 

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舞台の裏のウラ話 <お客様には見えない苦労編・その13>

2019-07-13 08:52:33 | 舞台・ウラ話

 

食べ尽くすための解決法は、

軽くよそえばいいのですが、

よそう方にも、事情があって・・・。

 

ご飯をよそう、下男役の役者さんは、

かなり動きの多い芝居をする上に、

 

そでから物を持ってきたり、順番にハケていったり、

いろいろと仕事が多いのです。

 

彼は彼で、

ここでこの台詞を言った後、

やかんをソデにハケて、戻ってきて、

座って、この台詞を言う。

・・・みたいな状態で、

 

かなり細かい計算をしないと、

いや、いくらきちんと計算をしても、

時間的にギリギリなんですね。

 

そんなギリギリの状況で、

台詞と台詞の合間に、ご飯をよそう、

というアクションまでが入るワケです。

 

それも演出効果を狙って、

バカでかい<しゃもじ>を使ってる

デカいおひつに、デカいしゃもじ!

こんな状態で、

細やかなことをやっていられるワケがないっ!

 

バコっと山盛りによそっちゃって、

 

 (おっとぉ、ごめん~。でも時間がない!)

 

 (うっ

 

みたいな心のやりとりが、

毎回繰り広げられておりまして、

 

上の方のブースから見ている音響さんは、

そのたびに、

「うわ、今日は多いなぁ」などと、

ヒヤヒヤしながら、見ていたのだそうです。

 

 

でも、そのおかげで、アンケートにも、

「本当に食べててびっくりした」

といった声が一杯ありました。

 

彼女の苦労の甲斐があった!

といっても

「もう二度とやりたくない」と言っていましたが(笑)

 

 

そうそう(とまた長くなる

似たような話が、

昔の映画の撮影所でもあったそうです。

 

   <つづく>

 

 

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舞台の裏のウラ話 <お客様には見えない苦労編・その12>

2019-07-11 21:40:28 | 舞台・ウラ話

 

芝居をしながら、喋りながら、食べ続ける姿は、

嘘がないから面白い。

・・・とはいえ、

このときはそれどころじゃなかったのです。

 

  なぜならば・・・、

 

会話の中に「おかわり」 という台詞が入っている!

 

それも3回!

 

つまり、3回、おかわりをする。

 

つまり・・・、短いシーンの間に、

台詞を喋りながら、

3膳のご飯を食べ尽くさねばならない!

 

それも、台詞を出すタイミングは絶対に外せないので、

「おかわり」の台詞までに、ご飯の完食が絶対条件。

 

それを、かける3、で3回。

 

大食い女郎役の若手の役者さん、

毎日、昼と夜との2回、飲み込むように3膳めし。

これは苦行だったようです。

 

でも、それは本番の話。

本番に至るまでには、稽古中にもっともっと食べ続け、

何度も何度も繰り返して稽古して、

やっと出来上がった結果でした。

 

もう1人のお喋りな女郎役の子は、

ご飯は1膳だけで済みましたが、

なにせ、お喋りという設定なので、

台詞が多いこと多いこと。

それも超早口のマシンガントーク!

 

その間に食べるのも、かなり大変そうでした。

喋りながらも、アリといえばアリですが、

 

ご飯粒って、口から飛び出しやすいから、

これはこれで怖いんですよね。

 

リアルったって、あまりにキタナイと、

お客様が不快になるでしょうし、

 

飛びだしたご飯粒が、衣裳や床につくと、

そのあとがもう・・・考えただけでゾッとします。

 

 

よく我々は「尺」という言葉を使うんですが、

 

この台詞からこの台詞の間に食べ尽くさねば、

「おかわり」と言えないという、

決められた尺がある、となれば、

 

解決法は、ただひとつ。

軽くよそえばいいのです。

 

なんですが、

これがまた、よそう方にも、事情がありまして・・・。

 

 

   <つづく>

 

 

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舞台の裏のウラ話 <お客様には見えない苦労編・その11>

2019-07-10 15:42:33 | 舞台・ウラ話

 

喋っては食べ、食べては喋り、

でも、台詞ははっきり、テンポは崩さず、

時間通りに食べ終わる!

 

好きな時間に好きなだけ食べる、というシーンなら、

さほど大変ではないんですが、

そんなシーンはまずありません。

 

食べながら台詞を喋ることに加えて、

 

この台詞までに、食べ終わる、

とか、

 

誰かがこの動きをした途端に、

全部食べ終わって「ごちそうさま」を言う、

とか。

 

「決まった時間内に食べきる」

という制約があるときが、

最も役者泣かせの消えものシーンになります。

 

 

そして、7、8年前。

それの典型のような芝居がありました。

 

時代劇で、シーンは、女郎屋の朝ごはん風景。

 

新米女郎が、とにかく底抜けに食べるという、

ま、言ってみれば、それを見せるだけの、

軽い、笑いを取るシーンでした。

 

なんですが、実際は、

メインの派手な立ち回りよりも、

神経を使ったんじゃないかと思います。

 

 

まず舞台上には朝食のセットが3人前。

ご飯、おかず、お汁にお茶。

当然、すべて本物です。

(そして当然、キャストたちが用意します)

これは用意する前の楽屋裏での写真。

(用意したときには、こっちもスタンバっていて写真は撮れない) 

 

このセットを、芝居中に下男が運んできて、

女郎たちの朝ごはんが始まり、

みんながっつり食べます。

 

そうまでしなくても、と思われるかもしれませんが、

その時の劇場が小さい小屋だったので、

食べるマネなんかじゃバレバレ。

 

一気にお客様に引かれちゃいます。

 

それに、芝居をしながら、喋りながら、

食べ続ける姿っていうのは、

やっぱりリアルだし、

役者の必死さも伝わって(笑)

嘘がないから面白いんですね~。

 

 

しかし、

このときはそれどころじゃなかった。

 

なぜならば・・・、

 

   <つづく>

 

 

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