愛知学院大学青木ゼミのブログ

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第4回名古屋マーケティング・インカレ本大会

2009年11月29日 | 名古屋マーケティング・インカレ
第4回名古屋マーケティング・インカレ本大会が11月28日に名城大で開催されました。今回は,愛知大,名城大,名古屋学院大,愛知学院大から20チーム90名を超える学生が参加しました。そして協賛いただいている日経ビジネスより3名の特別審査員をお迎えしました。

午前中5ブロックに分かれて予選の研究発表が行われ,学生の相互評価(採点)によって,決勝進出チーム(優秀賞)を決めました。そして午後に各ブロックから勝ち上がったチームによる決勝の研究発表が行われました。

優秀賞に選ばれたのはつぎのチーム。
 愛知大おしゃれイズム
 愛知大でっどおああらいぶ
 愛知大I Love Surf
 愛知大ユニclothes
 名城大OGC~オーガニック
 名城大2ブロック
 名城大のべーず

同一ブロック同点チームがあったので,じゃんけんで決勝進出を決めました。その結果,おしゃれイズムとユニclothesが残念ながら決勝進出を逃しました。決勝後,今回最優秀賞に選ばれたのはOGC~オーガニックでした。このチームは,有機野菜の普及率を向上させるための,企業による普及策(マーケティング戦略)の提案を導き出しました。普及策を案出するために,企業へのヒヤリングと消費者アンケートを実施しています。この中で企業が思うほど消費者は有機野菜の特色である見た目の悪さにこだわっていないことを明らかにしています。したがって,そういう不ぞろいな野菜の積極投入などを提案しています。

OGCが評価されたのは,何より「足を使った」「手間をかけた」調査を行った点だったと思います。複数の企業に数度ヒヤリングを実施し,さらに消費者アンケート調査を行っています。消費者アンケートは,他チームが大学生対象という簡便な方法をとっている中で,彼らは街頭で消費者一般に対して実施しています。このねばっこい手間をかけた調査は最優秀に値すると思います。

名古屋マーケティング・インカレでは,学生の相互評価によって,予選通過が決まります。決勝では日経ビジネスの特別審査員が加わりますが,相互評価が中心であることは変わりません。教員は採点には加わりません。そうした場合,学生達の評価と教員の内々の評価とが違っていることがままあります。学生は分かり易さに重きをおく傾向がありますが,我々教員は着眼点や論理展開など研究そのものの「面白さ」に重点をおきます。そこで,今回,実行委員会特別賞というのを設け,我々教員が面白いと思った研究を表彰することにしました。

特別賞に選ばれたのはI Love Surfでした。このチームはコンサートやスポーツ観戦などのエンターテイメント・サービスの購買に対する阻害要因を明らかにすることを目指していました。彼女達なりに見出した阻害要因はサービス消費の際の消費者の一体感でした。非日常な出来事であるエンターテイメント・サービスの魅力は一体感なのだが,それが新規顧客を獲得することに対して阻害要因になっているというのです。世の中長所が短所に化けるという現象は気づきにくいものの意外に多いものです。魅力が阻害要因になるというロジックを自分達なりに見出したことに研究のおもしろさを感じました。

なお,特別賞を設けるぐらいなら,教員が採点に関わればいいじゃないかという意見があります。しかし,我々はそれをする気はありません。なぜならば,そうすると学生達は教員の方を向いて,教員に気に入られるような活動をしてしまうからです。そうなると,同じ立場の学生間で教えあったり,批判しあったり,刺激しあったり,交流したりすることを遠ざけてしまうかもしれません。このインカレの趣旨からずれてしまうかもしれないのです。相互評価(ピアレビューといいます)こそが,競争を激しくし,相手からの学びを促し,交流を深めるのだと信じています。

今回発表全体を振り返ってみると,ほとんどのチームのレベルは拮抗していた(団子状態)と感じます。飛びぬけた発表をするチームはなかった一方で,下限が上がって,平均レベルは昨年よりも上昇していた印象です。教員が皆指摘したのが,質問のレベルが上がったということです。ゲスト参加の愛知学泉大浦上先生が「言葉足らずなことが多かったが,学生達は適格な質問をしていました。私が聞きたいと思ったことはきちんと質問していました」と述べられました。予選段階から論理展開の矛盾や根拠の不十分さをつく質問がきちんとなされていました。

勝敗を決めたのは少しの差と運だったと思います。全大学の学生には「勝っておごらず,負けてくさらず」という言葉を認識して欲しいと思います。

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