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松本隆のコトハ歌コトバ その5

2021-05-18 13:01:00 | 松本隆のコトハ歌コトバ
前回の続きで
繋がりのある
似ている物語の作品を
二つ


太田裕美さんの
「木綿のハンカチーフ」
かまやつひろしさんの
「水無し川」
という作品。


♪恋人よ 僕は旅立つ
東へと向かう列車で
華やいだ街で 君への贈り物
探す、探すつもりだ

【木綿のハンカチーフ】

♪北から吹いた風に追われて
旅立つ僕を許してくれよ
寒い都会にゆこうと思う
そこで仕事を探すつもりだ

【水無し川】



木綿のハンカチーフに
登場する男は西日本あたりから
東京を目指し
水無し川に
登場する男は北日本あたりから
東京を目指してる
設定は違うが
どちらも
彼女と別れて
都会へと出てゆこうと
している男の歌だ。

木綿のハンカチーフでは
手紙のやりとりのような
男女のコトバのやりとりが
あって、
掛け合いがあって歌は進行するが

水無し川の方は
男からの一方的な
いわゆる彼女へ向けた手紙のような
北国の男らしい
朴訥とした感じが残る
感情の綴られた歌となってる

♪恋人よ 君を忘れて
変わってく僕を許して
毎日愉快に過ごす街角
僕は 僕は帰れない

【木綿のハンカチーフ】

♪なけなしの夢はたいて
賭けた
いちかばちかは男の賭けさ
君の汽車賃送る代わりに
最後の酒に酔うかもしれぬ
最後の酒に酔うかもしれぬ

流氷が消えて春になっても
君の気持ちが変わらないなら
その黒髪を切らないでくれ
僕は一目で愛を知るだろう


【水無し川】

木綿のハンカチーフでの都会に
慣れてしまって
変わっていく自分を彼女に対して
許してと言いながらも
彼女のもとへ帰ることを拒む男と

一方、いちかばちかの都会で勝負して彼女を呼ぼうと考えてた
男は
故郷に残してきた女性が
長い黒髪を待っている
年月分そのまま伸ばして
いてくれたなら
…と
都会で成功して呼ぶ約束をしたが
出来てない不甲斐ない男からしたら
待っていてくれている
女性を知れば
「愛」を感じずには
いられないだろう。
そんな
純愛物語となっている。

木綿のハンカチーフも
水無し川も
どちらも
都会へ行った男性を待ってる
女性が描かれている
その存在感が
松本隆さんの内面に確立している
女性像なのでしょうか?

この歌が世に出た当時でギリギリ
世の中の女性がここまで古風な
考えであったのは…
田舎であっても
その在り方は変わっていった時代

いわゆる
「流行らない」女性像
なのに
あえて昔の大和撫子のような
憧れを歌の中に託している点に
この歌を聴いて
グッとくる
心が引き寄せられるところを
持っている作品なんだと思う。