アメリカン・ブルーです。
明日は父の命日です。
東根市へ転勤になって、1ヶ月も経たない頃のことで、
あれから、早いもので丸3年を迎えます。
石川啄木の処女歌集「一握の砂」の中に収められている歌
ふるさとの山に向かいて
言うことなし
ふるさとの山はありがたきかな
父の墓所から見るその岩手山を前に、
いつも啄木の歌を思い出します。
年々、その意味に共感しつつ・・・
つい先日、既に初冠雪の便りを聞いていたし、
父の葬儀の日の寒さを思い出して沢山着込んで行きました。
金曜日、姉と夫とルナと私・・・
ふるさとの山は、
優しい光と暖かさで迎えてくれました。

今年の夏は、色々なことがいっぱいで、お盆の帰省が出来ず、
また、母のお世話になっている施設も、
実家の近くだった厨川から姉の家の近くの南仙北へ移転。
その様子も見たかったので、
11月に入ると初雪の便りとなり、タイヤ交換をせずには行かれなくなります。
今月中に行ってみようと考えていました。
久しぶりの盛岡・・・
珍しく、夫が「遠かった・・・・」と漏らしました。。。
ふるさとがいろんな意味で、だんだん遠くなって行くのも事実です。

母には連絡を取らずに出かけました。
施設から、日付や時間を伝えないでくれと言われています。
「認知症型のグループホーム」でお世話になっていますが、
母の認知症型は一般的な認知障害とは少し違っているので、
人の認識も、昨日の出来事も、時間も把握できます。
それゆえに、時間に来なかったりするとそこからが大変なようです。
突然私が顔を出したので、
さすがに、しばし固まった様子で・・・「由子?」
私の名前を呼ぶのに前回より長い時間がかかりました。
それでも、それが認識出来れば、「夫」にも、
「体は大丈夫? 転勤後仕事は順調? 家は片付いたの?」
「今日は、ワンコは来なかったの?」
私の家族を十分に理解しています。
息子の結婚式のDVDを見せようと、パソコン持参で行きました。
それから、待っていたルナの登場で、
施設は部屋の中へ犬OKで助かります。
犬が大好きな母なので、ルナも大喜びで、母の顔をなめようとします。
管理された食事で、母はすっかり痩せてまた一回り小さくなったようでした。
姉に聞くと、「それでもまだ2kgほど減量した方が良いと言われる・・・」
母の身体に触ってみると、今までには感じなかった骨に手が触れるのに、
身長が無いので、43kgほどを目指しているようでした。
「チョコ食べる?」
姉がそう聞くと、母は「うん

部屋での飲食は基本NGのようですが、
姉は小さなチョコをいつも持ってきて、母の口に入れてやるのだそうです。
大好きな「チョコ」と「筋子」を楽しみにしているようで、
「職員さんに筋子を渡しておいたから夕飯に出してもらってね!」
「うん

この母に育てられたので「食」の楽しみがよく解ります(笑)
母の部屋は、前のところより、若干狭くなったようでしたが、
その分、収納スペースがあって、すっきりしていました。
壁に大きなコルクボードがあって、
そこには、息子達が送ったハガキや敬老の日に寄せたメッセージカードだったり、
私が送った結婚式で集合した母の孫たちの写真等々、
施設の方々のご配慮で、ちゃんと目に止まる場所に貼ってありました。
1時間半ほどを過ごし、
「また来るね!」
母にそう告げて、部屋を出ようとすると、
「あなた、ずいぶん変わったわね・・・」
「えっ? どう変わったの?」
「なんだか若返ったみたい!」
「え~~~♪」
「〇〇さんによろしくね!」
「は~ぃ」
その日、家に帰ってから気が付いたこと・・・
姉と夫とルナが先に部屋を出て、私が最後だったのですが、
どうやら、姉と私を間違えたようでした。
「〇〇さん」とは姉の夫の名前です。
それは確かに、3歳違いの姉が若くなったように見えたのでしょう(笑)
やはり、娘たちをも間違えるくらいのところに来たのかなぁ~


間もなく盛岡は晩秋に入ってゆくところでした。
街路樹のナナカマドは真っ赤な実をたくさんつけて、
今月末には、木枯らしで落葉が舞う季節になります。