まだ今年の雪を見ていませんが,詩を通して雪を想像し,味わってみたいと思います。
雪
三 好 達 治
太郎を眠らせ, 太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ, 次郎の屋根に雪ふりつむ。
この詩を一枚の絵としてイメージしますと,村に雪がしんしんと降っている情景が浮かびます。
家々が点在しその灯りが見えます。それぞれの家の屋根には,降り続いている雪が降り積もり,夜中でもうっすらと白く見えます。
その家の一つに太郎が住んでおり,少し離れたところに次郎の家があります。二人は,それぞれの家で,雪の子守歌を聞きながら安らかな眠りの世界に入っています。
二人は,大の仲良しです。見る夢も一緒で,あたり一面の銀世界の中で,楽しい雪遊びをしている自分たちの姿を夢見ているのではないかと思います。二人の穏やかで楽しそうな寝顔が見え寝息が聞こえてきそうです。
時間は,真夜中です。二人の家の屋根はもちろんのこと,すべての家々や建物の屋根に,平等にしんしんと雪が降り積もっています。舞い降りる雪の音は聞こえず,静かに静かに雪は降り続き,後から後から積もっていきます。
朝には,雪はやみ,「手ぶくろを買いに」で子ぎつねが見たような,輝く銀世界が広がっていることでしょう。目覚めた太郎や次郎は,真っ白な世界を目にし,どう思うでしょうか。二人の笑顔が見えるようです。
私なりのイメージをまとめてみました。
みなさんの思い描くイメージは,どうでしょうか。