久しく姿を見なかったノラネコのシロ(かってに名付けました)が、夕方にエサを求めてやってきました。もちろん、そのエサは愛犬クウタの夕ごはんなのですが……まずは、その元気な姿を見て安心しました。
シロは私が近づくといつでも逃げられるように身構えるのですが、そのまま私が動かずニャーゴという声を出すと、近づいてきて体をすりつけるようにしながら足の間を通り抜けます。そして、あまえるような鳴き声を出し、足のそばでじっとしているのです。その様子を見て、ついつい私もかわいくなってしまって体をなでてしまいます。
そんなやりとりを何度かしている時のことです。
その日は風の強い日だったのですが、急に激しい突風が吹き、立っているのもやっとという状態になりました。その瞬間に、なんとシロがあっという間にクウタの家の中に入ってしまったのです。クウタにしても、風が強いので我が家に入ろうと思ったのでしょうが、先客がいるものですから、ウロウロするばかりです。犬小屋の中にシロがいて、その前でオロオロしているクウタの姿を見て、思わず笑ってしまいました。ちゃっかりした顔で犬小屋におさまったシロと 我が家なのに入るに入れないでいるクウタの姿が、なんとも対照的で微笑ましく感じたからです。
でも、しばらくたってから見に行くと、シロは帰っていったようで、その姿は見えませんでした。犬小屋にはいつもと同じようにクウタが入っていました。そのクウタの安心したような顔を見て、またまた笑ってしまいました。……クウタには申し訳なかったのですが…
家を訪ねる人には、誰にでもしっぽをふるクウタですから、人間と同じようにネコにも寛容のようです。この二匹の関係については、これからもいろんな楽しい発見がありそうで楽しみです。