あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

カタクリが咲きました!

2012-04-17 21:17:52 | インポート

暖かい春の訪れを待ちかねたように、庭のカタクリが四つ咲きました。うつむいた花びらの先端は、そりかえるように空に向かって伸びながら、春の光をつかみとるように受け止めています。紫を基調とした色合いとその立ち姿には、清楚でありながら凛とした意志を感じます。

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よく見ると、花びらの中心にまるでもう一つの花が咲いているような模様を見ることができます。一つ一つの花を大地に頭をつけながらながめて見ると、改めてその色や形、たたずまいの見事さに感心してしまいます。とうてい人間の手ではつくれない自然美のすばらしさを痛感します。

昨年、秋田で見た林の中のカタクリの群落も感動的でしたが、こうして庭に咲く姿もいいものですね。一つ一つの花に目がいくので、それぞれに花の形や微妙な色合い、立ち姿に違いがあることに気づきます。

サン・テグジュぺリの『星の王子様』の一節を思い出します。

「だれかが、何百万もの星のどれかに咲いている、たった一輪の花がすきだったら、その人は、そのたくさんの星をながめるだけで、しあわせになれるんだ。……… 」

星野富弘さんは『速さの違う時計』の中で、一つの花と向き合う心境をこう語っています。

「…… 小さな一つの花を、しっかりと見つめ、観察することができたのです。見なれていた花も、ただ見ていた時と、絵を描こうとして見たときとは違いました。一枚の花とはいえ、じっと見ていると、山があり谷があり、林があり、底知れぬ洞窟があり、それは広大な風景でもありました。花を描く私は、その大自然の中をさまよう旅人でした。……」

一つがあって、すベてがあるのかもしれません。一つが見えることが出発点となって、すベてを見通すことも可能なのかもしれません。一つのカタクリが好きだから、どのカタクリも好きになるのかもしれません。一人の人間を愛するからこそ、多くの人間が好きになるのかもしれません。

一つの花、一人の人間を大切にするからこそ、この世界が大切に思えるのかもしれません。

一つ一つから始まることで、大きなものにつながっていくような気がします。

一つの出会い、一つの別れ、一つの幸せ、一つの悲しみ、生きているからこそ向き合うことのできる一つ一つのことを思います。

 

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