ちょっと前までは、タンポポのじゅうたんだった庭が、模様替えをしたかのようにマーガレットの白で包まれるようになりました。黄色から白色へ、色の変化が季節の移り変わりを教えてくれます。春から初夏へと、肌に感じる風にも心地よさを感じます。
震災のあった年にも、色の変化はあったのですが、その時だけは季節の移り変わりにも虚しさを感じたものです。どんなことがあっても、季節だけは変わらず移り変わっていくものだと、人間の世界を突き放すように 時間だけは前へと進んでいくものだ と感じたものです。
日々の暮らしと自然は、一体となって結びついているものなのかもしれません。花を見るゆとりが生まれてきたことで、少しずつ日々の生活に流れる時間と自然の中で流れる時間が重なりあうようになってきたように感じます。
被災され、たくさんの悲しみを背負われた方々にとっても、復興の流れの中で 自然の変化と一体となって ゆるやかに 時が流れていくことを 祈りたいと思います。流れる時の先に、多くの幸せが訪れますように と …。