シリアとルーマニアで、二人の日本女性が死亡するという出来事がありました。一人の女性(45)は、政府軍と反政府軍が激しい戦闘を繰り広げるシリア情勢を取材する中で、もう一人の女性(20、学生)は、ルーマニアで日本語を教えるボランティアに向かう途中で、亡くなりました。二人とも崇高な志をもって異国に出かけ、それを果たせない形で命を失いました。やりきれない悲しさを感じます。ご遺族の方にとりましては、深い悲しみと無念の思いを感じておられることと思います。お二人のご冥福を心から祈ります。
新聞の天声人語でも、亡くなった一人:ジャーナリストの山本さんの志についてふれていました。
山本さんは、ビデオカメラを手に、アフガニスタン、イラク、コソボなどの紛争地に出かけ、戦火の中に生きる弱者(女性や子どもを中心に)に寄り添う視点で戦争という暴力を伝え、帰国すれば子どもたちに平和を説いたとのこと。
「戦争で何が起きているかを伝えることで……いつの日にか、何かが変わるかもしれない。そう信じて紛争地を歩いている」<『ぼくの村は戦場だった』マガシンハウス>
「世界は戦争ばかり、と悲観している時間はありません。……さあ、みんなの出番です」<10代向けに書いた『戦争を取材する』講談社>子どもたちに向かって 「さあ、みんなの出番」 と、語る言葉の内には 「子どもたちが やがて主役となって つくりあげる 戦争のない平和な未来」を待望する思いが込められているように思いました。
一人のジャーナリストとして、戦争のない平和な世界を実現するために 今起きている戦地の状況を伝え続けるという志を 強く感じます。志半ばに銃弾で倒れたことがとても残念でたまりません。それはまた、志を果たせないまま、ルーマニアで亡くなった女子学生の方に 重なる思いでもあります。
その死を悼むことで、果たせなかった志を 心から受けとめたいと思います。生きている者が、その志を受け継ぐことで 果たせなかった夢が実現されていくのですから…。
二人の目指した志の向こうに、世界中の人が 幸福に生きることのできる世界の実現があるのではないかと思います。
国境にある島の帰属問題を巡って、韓国や中国との対立がある現在、改めて もっと広い視野に立って 戦争や対立を超えて 人間として理解し、助け合うことのできる 国と国の関係であり、国境を超えて世界としての絆が深まる関係でありたいと思います。
亡くなったお二人も、世界中の人々が笑顔で暮らせる 平和な世界であることを 心から願っていたのではないでしょうか。
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