よかったなあ
まど みちお
よかったなあ 草や木が いてくれて
ぼくらの まわりに いてくれて
目のさめる みどりの葉っぱ
美しいものの代表 花
かぐわしい実
よかったなあ 草や木がいてくれて
何おく 何ちょう
もっと数かぎりなく いてくれて
どの ひとつひとつも
みんな めいめいに違っていてくれて
よかったなあ 草や木が
どんなところにも いてくれて
鳥や けものや 虫や 人
何が訪ねるのをでも
そこに動かないで 待っていてくれて
ああ よかったなあ 草や木がいつも
雨に洗われ
風にみがかれ
太陽にかがやいて きらきらと
まどさんの『よかったさがし』の詩です。そこに草や木があることも、すばらしい『よかった』なのですね。まるで大好きな友だちのように、そこに 動かないで 待っていてくれる 草や木。そこにあるのではなく そこにいてくれる 存在なのですね。草や木がこれまで以上に身近で親しい存在に思えてきます。私にとっては、草や木と同様に、空がそこにいてくれて『よかったなあ』と思える大切な存在です。まどさんの詩を参考にすると、
~ よかったなあ 空が いてくれて / ぼくらの 上で いつも 見守っていてくれて /
その明るさや 輝きに / 澄み渡る青さに / 果てのない広がりに / どんなに /
力を与えてもらったろう / …… ああよかったなあ / 見上げると いつもと 変わらな
い 光で / つつんでくれるから ~
よかったなあという思いの根っこには、感謝の思いがあふれているような気がします。
~ よかったなあ きみが いてくれて / よかったなあ あなたと 出会うことができて /
よかったなあ 生きていて ……
よかったなあ で いっぱいの 日々で ありたいものですね。
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