下手の横好きで、将棋界の盛衰を40年以上も見て参りました。昨年、羽生永世7冠が棋聖位を失って無冠となり、将棋界は明らかにひとつの時代が終焉した感があります。(その後、羽生さんの不振が続いていることも、この時代観を蔓延させている理由なのですが‥)
マスコミは、新時代の旗手として藤井7段ばかりを取り上げていますが、まずは今年の名人戦にもっと光を当てて報道してほしいものです。挑戦者の豊島将之2冠は、昨年羽生さんを無冠に転落させた張本人であり、その後、王位も奪取、今は名人戦に3連勝中で、5月16日~17日の第4戦を制すれば、遂に3冠となります。まさに羽生時代が終焉したあとの初めての「全国統一王者」に君臨することになります。
そして、名人戦の後は、渡辺明2冠を迎えた棋聖位の防衛戦があります。本来、羽生時代を終焉させる役割は渡辺2冠だったはずですが、その役割を豊島2冠に奪われた格好になって、渡辺さんの闘志に火がついているはずです。
マスコミの論調は、羽生時代のあとに、藤井時代を! との期待が強そうですが、その前に、豊島・渡辺の羽生後継者争いが激しくなりそうですので、この闘いにも注目してみて下さい。