金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【東京都の水源地を散策】 小河内ダムと水源地の森!

2024-11-20 01:38:44 | 旅行

 

 先日、東京都の水源地を散策する趣旨で、「小河内ダム」「水源地の森」を散策して参りました。

 

 まずは「水源地の森」から。

 なぜ「水源地の森」が大切かというと、当然ながら川に流れる水は、降った雨が「豊かな森」の中で綺麗に浄化されて「湧き水」となって集められたものであります。ちゃんと木々が生い茂った森が無いと、降った雨が地中に長く蓄えられることなく流れてしまい、すなわち「浄化」のレベルの低い水となってしまいます。また水と土砂が一緒に流れてしまって、これも安定した上水管理に支障をきたすことになります。

 そのため、「水源地」には整然とした森が必要となる訳ですが、これを管理していくことはけっこう難易度が高い仕事になります。例えば、東京都の場合、明治になってから水源地にあった杉林の伐採が進み過ぎて、いわゆる「ハゲ山状態」に。その結果、多摩川に流れる水の水質が猛烈に悪化してしまいました。そこで、当時の東京市は「水源地の森」を復活させるべく自らの管理体制を強化して、小河内ダム上流にある山梨県内の森に賃料を支払いながら、自ら植樹と森の維持に取り組んだそうです。(実はもともと山梨県内にある多摩川の水源地の森は、江戸時代は幕府の天領だった場所で、明治維新時の廃藩置県により強引に分離させられてしまった場所。そのため、東京都が賃料を払って借りた上で、自らの水源の管理責任を負うという仕組みになっているそうです)

 

 その森の一部がこれであります。

 水質が良いと言われる多摩川の水は、こうして守られているのですね。

 

 次は、その水を集めて出来た「小河内ダム」であります。

 行った日が曇っていたせいか、何だか不気味な風景になってしまい、まるで黒沢清監督の「回路」の舞台みたいに映っております。

 実際、映画やドラマの撮影で利用されることも多いらしく、庵野秀明監督の「シン・仮面ライダー」でも撮影舞台として使われたそうです。

 

 多摩川への放水路です。黒部第四ダムとは比較しようがありませんが、それでも迫力満点の放水路と、先に続く美しい多摩川上流の風景でありました。

 

 ちなみに、「小河内ダム」は東京電力管理ではなく、東京都が管理しているダム。というのは、もともと東京の「市電」=「都電」の電源を自ら確保すべき、という考えから、戦前の昭和13年から着工、途中で戦局の悪化から工事は中断されましたが、昭和23年に工事を再開して19年かけて昭和32年に完成したそうです。

 なお19年の間に、工事で87名の方が犠牲になられたそうです。私たちの綺麗な飲み水と大切な電源が確保されている陰には、こうした方々の尊い犠牲があることを忘れてはいけませんね。

 

 


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