まずは京都2歳S。
勝ったのは、キズナ産駒エリキング。4番手追走で脚を溜めます。逃げたウォータークラークの前半1000mのラップは1分1秒9でスローで淡々としたペースに。直線に入ると、ウォータークラークが逃げ粘りますが、残り150mのところでエリキングが外から一気に抜け出して、そのまま後続に1馬身1/4差をつけて快勝。良の勝ちタイムは2分0秒9。2着には、最後方から追い込んできたエピファネイア産駒ジョバンニ、1馬身差の3着は、6番手から差してきたサートゥルナーリア産駒クラウディアイ。
勝ったエリキングは、デビューから3連勝で重賞制覇。4コーナー手前で仕掛けた時はモタモタしていましたが、直線に入ってスピードが乗ったあとは鮮やかな差し脚を見せました。まだ腰が緩くて成長途上に見えますので、陣営は暮れのホープフルSは見送るようです。来年2月の共同通信杯あたりで、一段と成長した姿を見せてもらいましょう。文句なしに3歳クラシック候補と言えると思います。
2着ジョバンニは、前走に続いてエリキングには負けましたが、その他とは明らかな差を見せました。この馬が暮れのホープフルSを勝っても全く驚きません。そのくらいレベルの高い馬です。3着クラウディアイも上位2頭同様の差し脚を見せており、地力の高さを示しました。
2番人気で7着に敗れたサラコスティは、淀みのない流れでラストはバテてしまいましたが、この馬も成長途上。ここからの成長を期待したいと思います。
次は京都の京阪杯。
勝ったのは、ビッグアーサー産駒の4歳牡馬ビッグシーザー。好スタートから5番手追走へ。逃げたスクリーンヒーロー産駒ウインカーネリアンの前半3ハロンのラップは33秒7と平均ペースに。直線に入ると、ウインカーネリアンがスピードを加速、そのまま押し切りを図ります。これを追いかけてビッグシーザーが前に迫ります。ゴール寸前でビッグシーザーがクビ差交わして勝利。良の勝ちタイムは1分7秒7。2着ウインカーネリアンから1馬身3/4差の3着には、10番手から追い込んできたタートルボウル産駒ヴェントヴォーチェ、さらにハナ差の4着がイスラボニータ産駒プルパレイ。
勝ったビッグシーザーは、念願の重賞初勝利。芝の短距離路線には絶対的王者がいませんので、これをきかっけにビッグシーザーが5歳になって一気にトップへ駆け上がる可能性もありそう。
2着ウインカーネリアンは、マイルだけでなく1200~1400mでも十分にスピードを活かせることを示しました。7歳牡馬ではありますが、まだまだ活躍が期待できます。3着ヴェントヴォーチェも完全復活のレース内容でした。
そしてGⅠジャパンカップ。
勝ったのは、ハーツクライ産駒の5歳牡馬ドウデュース。最後方待機で脚を溜めます。逃げたシユーニ産駒の3歳牡馬シンエンペラーが作った前半1000mのラップは1分2秒2と超スローの流れに。後方待機組は折り合いに苦労する展開。4コーナー手前でマクリ気味に前に進出したドゥラメンテ産駒ドゥレッツァが先頭に立ち、直線ではそのまま押し切りを図ります。そこに外からドウデュースが早めに並びかけ、激しい競り合いが続きます。残り200mを過ぎたところでドウデュースが抜け出しますが、最内からシンエンペラーが差し返してきます。それでもドレッツァとシンエンペラーをクビ差に抑えてドウデュースが勝利。良の勝ちタイムは2分25秒5。2着には同着でドレッツァとシンエンペラー。2馬身1/2差の4着には、3番手からハービンジャー産駒の3歳牝馬チェルヴィニア、さらいアタマ差の5着が9番手から差してきたディープインパクト産駒ジャスティンパレス。
勝ったドウデュースは、天皇賞秋に続いてGⅠ5勝目。しかも、超スローの流れで最後方から前の馬を全て交わしての勝利ですから、天皇賞秋と同じく絶対的な力の差を見せての勝ちっぷりでした。このあとは体調面で心配がなければ、暮れの有馬記念でラストランになります。この歴史的名馬の走りを最後まで見守りたいと思います。
2着はドゥレッツァとシンエンペラーが同着でした。ドゥレッツァはマクリ気味に早め先頭に立って、ドウデュースと激しく競り合いました。上手く消耗戦に持ち込んで、もう少しで王者を倒す寸前まで追い詰めました。シンエンペラーも、逃げて一度下げたところから、ラストは一番伸びていましたので、抜群のスタミナと闘争心を見せてくれました。あと50mあればドウデュースを交わしていたと思います。まだ3歳ですから、来年の活躍が大変楽しみになりました。
4着チェルヴィニアは、3番手の位置からよく粘り込みました。ただ今回は、地力の差が出た感じ。5着ジャスティンパレスは、スローの前残りを9番手から差してきますから、ドウデュースの次に強い内容だったと思います。天皇賞秋もジャパンカップも、レース展開は向かず不運だったと思います。