ワクチン接種をテーマに、本日が4日目。世界的にも、ここだけはタブー視されるケースが散見される、小中高校生へのワクチン接種をどう考えるかをテーマにします。
民主国家におけるワクチン接種の世界標準は、当然ながら「個々人の自由意志」です。ここは、小中高校生も同じですが、「個々人の自由意志」とはすなわち「親の判断」ということになります。
こうなると、世界と日本では、判断が大きく異なります。世界では、親が打つならば、子供も同様、という判断になります。一方、日本では、親自身はリスクを取れても、子供の将来のリスクを取ってくれる親というのはほぼ存在しないので、結局「見送り」という判断になりがち。
過去、日本においては、さまざまなワクチンによる副作用への過剰な警戒騒ぎが頻繁に発生しました。典型的なのは、麻疹(はしか)ワクチン。麻疹ワクチンへの厚労省方針は、それに左右されており、かつては児童の集団接種なども行われておりましたが、今では完全な「自由接種」。一方で、殆どの先進国では、麻疹ワクチンの接種をしていない児童は、原則として「学校が受け入れない」。すなわち、ほぼ強制的な接種を実施しています。
その結果、先進国の多くでは、麻疹ワクチン接種率が95%を超えているのに対し、日本では70~80%程度で、世代によっては50%を下回る年もあります。今でも、世界のどこかで麻疹が流行すると、日本からの「輸出」が疑われることが多いという恥かしい状況にあります。
以上のとおり、日本においては、ある程度の判断レベルを、国がリスクを取って決めてあげないと話が前に進まないことが、まゝあります。例えば、12歳未満の児童については「接種の対象外」、12歳以上18歳以下の中高校生については、「アナフィラキシー反応の可能性がある場合を除き、原則として学校での集団接種」を、国が推奨する方が良い気がいたします。
中高校生と言えども、成人同様に、コロナ感染は相応に発生しますし、重症化率は低いと言っても、0.1~0.2%程度は存在します。ワクチン接種によって、重症化リスクを0.004%まで抑え込むことは意義があると思いますし、家庭内感染の広がりを抑えるためには、学校での集団接種は意義が大きいはず。
このテーマをタブー視せずに、政府の分科会でも是非議論をおこなって欲しいと願っております。(終わり)