金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【松山英樹選手がPGAツアー10勝目!】 危うく2打罰を受けかねないピンチもあったが・・

2024-08-22 01:59:18 | ゴルフ

 ゴルフの松山英樹選手がPGAツアー10勝目を挙げました。

 

 

 米PGAツアーのプレーオフ第1戦、フェデックス・セントジュード選手権(TPCサウスウインド=パー70)で最終日、松山英樹選手が首位から出て70で回り、通算17アンダーの263でツアー通算10勝目を挙げました。2月のジェネシス招待以来の今季2勝目で賞金360万ドル(約5億3280万円)を獲得。

 松山選手は、銅メダルを獲得したパリ五輪後、米国に戻るため経由したロンドンで盗難に遭い、一緒にいたコンビを組む早藤キャディーらのパスポートを入れたバッグが持ち去られ、松山選手も財布を失いました。今回は、日本帰国を強いられたキャディーに代わり、普段は久常涼選手のバッグをかつぐ田淵大賀キャディーと急造コンビで優勝することに。予期せぬハプニングを乗り越えての勝利だったと言えます。

 

 そしてハプニングと言えば、もう一つありました。それは7番ホールで松山選手が行った「グリーン外でのピッチマーク直し」について。そもそも、グリーン内でのピッチマーク(ボールが落ちた衝撃で掘れた穴)を直すことはルール上でOKですが、グリーン外のプッチマークを直すのは御法度。とは言え、それは全て自分の次のプレイに影響がある「ピッチマークの直し」であって、7番ホールでの行為は、それには該当しないものでしたから、当然問題になるはずがありません(ちなみに、グリーン外のピッチマークを見つけたら、自分のプレイに影響があるものでなければ、次のプレイヤーのためにも直しておくのがマナー。フェアウェイ上でターフが取れた穴を見つけたら「砂」を入れておくのもその一環であります)

 ところが、この7番ホールでの松山選手の行為を観て「ペナルティの対象ではないか?」と指摘した人間がいたようです。恐らくは、ギャラリー(観客)の中の一人か、あるいは報道関係者か。少なくとも、最初に指摘したのは、正規の競技委員やビデオで見ている監視員ではなかったようです。

 

 こうしたトラブルを見るにつけ、「レキシ―・トンプソン選手の4打罰事件」を思い出します。それは2017年の米女子ツアーのメジャー第1戦「ANAインスピレーション」で起きました。最終日に独走していたレキシ―・トンプソン選手が12番ホールプレイ時に突然「4打罰」を宣告されました。理由は、前日3日目の17番ホールで、マークした位置とは異なる場所からプレイを再開したからと。しかも、それはTV中継を観ていた視聴者からの指摘がきっかけでありました。

 位置が異なるといっても微妙な違いであり、ゴルフの世界では常識的なレベルだったようですが、映像で証拠が残っている以上、競技委員としては「4打罰」を宣言せざるを得ないと判断したようです。結局、これが響いてレキシ―・トンプソン選手はプレイオフで破れ、メジャー制覇はなりませんでした

 こののち、映像で映るプレイヤーと映らないプレイヤーでの不公平を発生させないため、「TV視聴者からの指摘」は一切受け付けないルールへ変更されました

 

 しかし、同様のトラブルは無くなりません。「畑岡奈紗選手のタイムオーバー事件」です。それは今年の米女子ツアー「ショップライトLPGAクラシック」の大会2日目(6月8日)に起きました。大会2日目にプレイ中だった畑岡奈紗選手に突然「失格」の通告がなされました。理由は、初日9番ホールのボール探索時間が規定の3分を超過していたため。ちなみに、当該ボールの捜索時間について、同じ組のプレイヤーからも近くにいた競技委員からも指摘はなく、違和感なくプレイは続行されていました。この時の指摘は、近くで取材をしていたゴルフ専門誌の記者からで、あとから録画を丹念に調べてみると、捜索開始から見つけるまでの時間が「3分6秒」だったと。

 この時も、「指摘」する主体を制限すべきとの議論が巻き起こりました。なぜなら、競技委員やビデオ監視員には「公正・公平な意識」が根付いていても、ギャラリーやマスコミ関係者には当然ながら「贔屓目」が存在するからある選手には指摘するが、ある選手には指摘しないことだって当然起こり得ます

 

 今回の松山英樹選手への「指摘」も、一般のギャラリーかマスコミ関係者だった可能性が高いのです。

 実は松山選手の調子が急に狂いだしたのが、この件につき競技委員よりインタビューを受けた12番ホールから。この12番をボギーとしたあと14番もボギー、15番ではダブルボギーを叩いて2位に後退します。このくらい、競技委員からのインタビューというのは選手の動揺を招きます。プレイ中にいきなり2打罰、3打罰を宣告されるかもしれないと考えただけで、優勝争いをしている選手に影響を与えることは想像に難くありません。

 

 結果的に、ラスト2ホールで「開き直った」松山選手が連続バーディを奪って優勝したから良かったですが、もし負けていたら・・と考えるとゾッと致します

 

 やはり、こうした「指摘」が出来るのは、「同伴プレイヤー」「競技委員」「映像をチェックしている監視員」に限るルールに変更すべきだと思います。

 

 


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