金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【雑感】 死生観 その1

2019-08-26 07:29:17 | 雑感

 「死生観」というと大げさになりますが、生きること、死ぬことについて、考え方に変化が起きる不思議な瞬間を、何回か経験してきました。

 最初は35歳頃。その時の職場は密室のような職場で、5人だけで大きな組織の負託を実現しなければならない世界。従業員組合の専従書記局でした。すぐ上の上司は、課題を並べ立てるが、一切の解決方法を出してくれない人物。一番上の人物は、理想が高すぎて、美しい解決方法を求めすぎるが故に、かえって具体的な解決策がどんどんと遠くなってしまうような人物でした。ベストでなくとも現実的な解決方法を素早く出していくのが自分の信条でしたが、上記2名の上司からは、そんな自分の考え方が認められることはないため、課題だけが積み上がり、答えの出ない打合せを、延々とやらされる毎日でした。

 ある時、オルグで地方へ移動する時、乗っていた飛行機が台風の影響で大きく揺れ続きました。周囲の人間は青ざめて、気分を悪くする人が続出する程の揺れ具合でしたが、その時、二度と職場に戻りたくなかった自分は「もう、このまま落ちてくれても良い」と妙に冷静な気持ちになっていました。自暴自棄と言えなくもない心理ですが、実はその瞬間から、多少危ない目に遭っても「怖い」とは感じなくなり、どうせいつかは死ぬのだから、という感覚が芽生えました。そういう感覚が芽生えると、不思議なことに職場に戻ったら、上司二人とも真っ向から闘う覚悟が自然と生まれてきたのです。

 また、どうせいつかは死ぬのだから、と割り切る一方で、自分の家族への責任も強く感じるようになりました。嫁の老後の生活保障や、子供の教育資金の確保を考えると、まだ死んではいけないと。また、自分の親が健在なうちは、親より先に死ぬことは最悪の親不孝であり、それまでは死ねないと。

 自分の死生観は非常にシンプルで、「どうせいつかは死ぬのだから、今を全力で走り、いつ死んでも後悔しない」「ただし、嫁の生活保障と子供の教育が終わるまでは絶対に死なない」「両親が亡くなるまでは絶対に死なない」。この3つから成り立っています。(続く)


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【競馬】 ダノンスマッシュのスピード血脈も素晴らしい!

2019-08-25 07:26:47 | 競馬

 先週、モズスーパーフレアのスピード血脈が凄い!と言ったばかりで、しかも4着に敗れてしまい、恥ずかしい限りなのですが、今週も札幌のキーンランドカップにダノンスマッシュが登場しますので、改めてこの馬のスピード血脈を叫んでみたいと思います。

 私は、世界の3大スピード血脈を「Mr.Prospector」「Danzig」「Storm Cat」だと考えていますが、ダノンスマッシュはこの全てを備えているばかりか、Mr.Prospectorの4×4のインブリードとなっておりまして、正に「スピードの申し子」と言えます。当然ながら、今週のキーンランドカップは、⑬ダノンスマッシュの頭固定の三連単で勝負したいと考えています。相手は、①ナックビーナス、⑩アスターペガサス、⑯リナーテ、⑦タワーオブロンドン。


 オマケで、新潟2歳ステークス。素直にいくなら、ハーツクライ産駒⑥ウーマンズハートとオルフェーヴル産駒の⑪モーベットだと思いますが、ウーマンズハートは、上がり32.0の鬼脚を使った新馬戦から中2週で重賞競走に臨むのが心配ですし、モーベットも、初戦を凄い勝ち方で驚かせたオルフェーヴル産駒は2戦目で典型的な危険人気馬になりやすいことが気になります。皆の期待を集め過ぎると、アマノジャクな結果を呼び起こすのがオルフェーヴルの血なんです。とにかく、キャリアの少ない2歳重賞ですから、人気馬への過信は禁物です。

 それならば、本日の新潟は少し雨の影響を受けそうですので、重の実績があるダイワメジャー産駒③グランチェイサーと⑬ペールエール、リアルインパクト産駒⑤トライフォーリアル、キズナ産駒②クリアサウンド、ロードカナロア産駒⑨タイムマシンの馬連BOXで。


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【将棋】豊島名人の天下統一に、木村九段が待った!

2019-08-24 05:40:36 | 将棋

 今週行われた王位戦第4局、および竜王戦挑戦者決定戦第2局ともに、木村九段が快勝。王位戦は2勝2敗、竜王戦挑決も1勝1敗のタイへ持ち込まれました。

 豊島・木村の真夏の10連戦も、これで3勝3敗で、木村九段の粘りの真骨頂を見せつける展開となっています。ここは中高年の星、木村九段にぜひ頑張ってほしいものです。

 次は8月27日・28日の王位戦第5局です。見逃せません。


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【雑感】言語と思考回路 その2

2019-08-23 07:15:19 | 雑感

 昨日は、言語によって人の思考回路そのものが支配されているのでは? という仮説を述べました。

 もともと、この仮説は多くの言語学者が唱えている説ですので、真新しい話ではありませんが、明らかに、英語圏の人間との会議、日本語圏の人間との会議では、結論のスピードや、修正のスピードが異なりますので、日々実感している両者の違いを、感覚的に述べさせて頂きました。(ちなみに「言語によって、思考の土俵そのものが異なる」という考え方は、ハリウッド映画「メッセージ」が分かりやすく映像化しているので、ぜひご覧下さい)

 ところで、ゲルマン語系やラテン語系、あるいは中国語に至るまで、まず結論を述べて、理由を後から付け足す語順の言語が世界中に多く広まっているのに対して、日本語やハングルのように、結論を最後に述べる言語が数少ないのはなぜなのでしょうか?

 今から話すことも私の仮説ですので、悪しからず。もともとは、語順の異なる言語が世界中に溢れていたとします。しかし、決断⇒実行⇒修正⇒実行⇒見直し⇒実行、としていた民族と、検討⇒検討⇒修正⇒検討⇒実行、としていた民族とが、歴史の流れの中で、要はどちらが勝ち残ったのか、ということだと考えています。すなわち、数百万年の人類の歴史の中で、行動様式が「熟慮タイプ」よりも、「試行錯誤タイプ」の方が勝ち残ったということ。

 ただし、島国で海に閉ざされた民族や、半島の先っちょに住んでいた民族は、例外的に、根絶やしにされるような戦乱に巻き込まれることが少なかったため、世界でも珍しい「結論を最後まで決めない言語」が残ったのではないか? そんな風に考えています。

 自分は日本語文化を残すべきと考える人間の一人ではありますが、同時に、英語とのバイリンガル化を加速すべきと考える人間でもあります。この考えの背景には、今申し上げた仮説があります。日本人が「熟慮タイプ」から「試行錯誤タイプ」へ変わっていくためには、言語の土俵自体を変える必要があると考えています。


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【雑感】言語と思考回路 その1

2019-08-22 07:10:11 | 雑感

 自分は英語が得意という訳ではありませんが、仕事柄、アメリカ人やイギリス人、あるいはイタリア人の運用担当者と議論をしなければならないことが時々あります。一方で、自分の職場内は殆ど日本人だけですから、日本人同士のごく普通の会議が山ほど用意されています。

 どちらの会議が長いか? 結論が出るまでに要するやり取りの多さは? 

 これは圧倒的に外人との会議の方が短く、早く結論が出ます。

 一方で、一度出した結論をひっくり返したり、中止にしたりするケースは、どちらの方が多いか?

 これも圧倒的に外人との案件の方が多い傾向になります。これはなぜなのか、ずっと考えていました。すなわち、英米人やラテン人の行動様式が、決断⇒実行⇒修正⇒実行⇒見直し⇒実行、という形が多いのに対して、日本人の行動様式が、検討⇒検討⇒修正⇒検討⇒実行、という傾向が強いのはなぜか、という点です。これらの外国人と日本人の行動様式=思考回路の違いは、実は使っている言語から来ているのではないか、というのが今の自分の考えです。

 ゲルマン語系もラテン語系も、まず、行くのか?行かないのか? やるのか?やらないのか? の意思表示をしないといけない言語体系となっています。まず結論を述べてから、理由を付け足すという語順になります。一方で、日本語は、まず理由を並べてから、最後に、やるのか?やらないのか? の結論を述べる語順になっています。こういう語順だと、外人の場合、まず直感的に結論を述べて、あとからそれらしい理由を添付する、ということになりますが、日本人の場合は、あれやこれや材料を集めてから、よいしょと結論を述べることになりますので、場合によっては、最後まで結論を決めずに、延々と話ができる言語だということになります。

 この言語の違いにより、欧米人⇒結論が早い、日本人⇒なかなか結論を出さない、という傾向があるというのが、私の仮説であります。(続く)



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