ロンパリとはロンドンとパリの略ですが、二都物語ではありません。誰が言い出したのか、やぶにらみ(斜視)のしゃれた?表現です。もちろん、ロンドン、ベルリンと離れ過ぎていては医療の対象ですが、僅かな斜視はなかなか色っぽく、どきりとさせられることもあります、たいてい美女が見つめたのは隣の男でがっかりさせられるのですが。
医療の世界にロンパリ診断と呼ばれる現象があります。肺癌や胃癌の勉強会で「先生、凄いね、よくこんな早期の病変見付けたね」。「いや、ロンパリ」。「何だ、やぶにらみか」。ということが時々あります。
胸部写真で異常陰影を肺癌かと思いCT検査をしたら肺炎の跡で、横に小豆大の早期肺癌が見付かった。あるいは胃透視で胃ポリープを見つけ胃カメラの検査をしたら奥に硬貨大の早期胃癌が見つかったというようことは珍しくなく、これを我々はやぶにらみ診断と言ったりしています。視線(検査)の方向と見ていた物(見つかった病気)が違っているところから流用されるようになったと思いますが、やぶ医が胃炎と睨んだのが実は早期胃癌と云う怪我の功名から来た可能性もあります。
似たような現象に痛む場所が通常と違っており、診断に手こずる場合があります。例えば胆石胆嚢炎は普通は鳩尾から右季肋部が痛むのですが、左季肋部が痛むと訴えたり、回盲部が痛いと訴える患者さんが時々おられます。痛む場所によって、考える病気の順序が違いますので、診断が遅れることがあります。しかしまあ、手遅れになることは経験のある医者ならまずありません。
医療の現場では図らずもこうしたことがあるのですが、交渉や勝負では、意図的なロンパリもあるようですので油断めさるなと申し上げましょう。
医療の世界にロンパリ診断と呼ばれる現象があります。肺癌や胃癌の勉強会で「先生、凄いね、よくこんな早期の病変見付けたね」。「いや、ロンパリ」。「何だ、やぶにらみか」。ということが時々あります。
胸部写真で異常陰影を肺癌かと思いCT検査をしたら肺炎の跡で、横に小豆大の早期肺癌が見付かった。あるいは胃透視で胃ポリープを見つけ胃カメラの検査をしたら奥に硬貨大の早期胃癌が見つかったというようことは珍しくなく、これを我々はやぶにらみ診断と言ったりしています。視線(検査)の方向と見ていた物(見つかった病気)が違っているところから流用されるようになったと思いますが、やぶ医が胃炎と睨んだのが実は早期胃癌と云う怪我の功名から来た可能性もあります。
似たような現象に痛む場所が通常と違っており、診断に手こずる場合があります。例えば胆石胆嚢炎は普通は鳩尾から右季肋部が痛むのですが、左季肋部が痛むと訴えたり、回盲部が痛いと訴える患者さんが時々おられます。痛む場所によって、考える病気の順序が違いますので、診断が遅れることがあります。しかしまあ、手遅れになることは経験のある医者ならまずありません。
医療の現場では図らずもこうしたことがあるのですが、交渉や勝負では、意図的なロンパリもあるようですので油断めさるなと申し上げましょう。