駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

町医者の助言

2011年08月30日 | 世の中

 

 市井の医師は病気を診療するのが仕事なのだが、当然ながら微妙であるが客商売の側面もある。儲かると揶揄される町医者もある程度の数の患者さんに来ていただかないことには、左前になってしまう。

 医師は一般の人よりも様々な人の色々な側面を見る機会が多いので、ある程度人を見る目はできているかもしれない。そのために独立して医院を始める前は、相手を見て優しくすれば商売繁盛と思いがちだ。

 確かにそれで概ね上手く行くようだが、本当はそれでは不十分なのだ。長ーく深ーく愛好されるためには相手を理解すると同じように相手に理解されなければならない。どんなに患者を理解しても、患者に先生はこういう人だと理解されなければ、強い信頼関係は築けないと、いつ頃だったか気付かされた。

 政治家にも同じことが言えると思う。国民に私はこういう人間ですが如何でしょうと理解されなければ、信頼は得られまい。人間は度し難く無知は不信を生みやすく、他人の不幸は密の味で悪評は広がりやすい。誤解を恐れず言えば、小人には細心の注意を払わねばならない。燕雀に理解されてはじめて、国を動かすことができるのだと思う。

コメント
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