もう半世紀近い昔だが鳳啓助と京唄子という漫才師が活躍していた。その鳳啓助が「忘れようとして思い出せない」。としゃべくっていたのを憶えている。
「思い出そうとして忘れられない」。とも言っていたような気がする。どこかの大統領の暴言釈明解説を聞いて、この言葉を思い出した。
忘れようとして思い出せない国と思い出そうとして忘れられない国の不毛の争いにうんざりしている。残念ながら相手を叩くことで自分の生存証明を感じる人達が一定数以上居る限りせめぎ合いは終わらないようだ。これは恐らくいじめの心理にも近いものだと思う。精神病に幻想の優越感耽溺症とでもいうべき病態があるかどうか知らないが、どうもそうした心性をどこかに感じる。
「儂等は正しい、俺達は偉い」。は自分で決めることではないように思う、だいたい儂が俺がというだけの人は正しくもないし偉くもないとしたものだ。