駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

病名公表で不思議なこと

2012年09月23日 | 世の中

     

 患者さんの病名は本人以外には秘密である。昔は癌の場合、家族だけに伝えて本人には別の病名を告げることもあった。今は本人と同伴の家族に病名を告げることが殆どだ。そして今では、あとから家族が単独で病名を聞きに来た場合には本人の同意があるか確かめなければならない鬱陶しさが生まれている。

 そこまでして守られる病名が芸能人の場合、素通しで公表されることが多い。今朝のインターネットに、元めざましテレビのアナウンサー大塚範一さんが急性リンパ性白血病の治療中一時退院を許可され、蕎麦屋で一杯という記事が出ていた。芸能人というのはそれこそ私生活まで晒して仕事をするようなところがあるので、本人の口から出たのだろうが、私などには馴染みにくい感覚だ。

 そこへ行くと政治家というのは公的な責任があるから、現役の場合病名を公表するのはやむを得ないと思う。ところがこれが公表されるとは限らずうやむやも多い。

 いつも思うのだが総理大臣と閣僚に健康診断を義務づけ、有能な主治医と医師団を付ける必要がある。こうした場合、おそらく純粋医療とはならず政治がらみになりやすく、なかなか担当が決まらないんだろうなと推測する。

 「政治語が話せる医師求む」、内閣秘書室。

 

コメント (2)
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