寒い時は「寒いねえ」。暑い時は「暑いねえ」。が患者さんとの挨拶の定番である。人間は勝手なもので、暑い時は寒い方が良いような気がして寒い時は暑い方が良いような気がする。しかし時々シロクマというかペンギンのような人が居て「おれは寒いのは平気だ」。と宣う。これは女の人には殆ど居ない。中高年の小太り親爺と決まっている。暑い時には「暑いのは平気だよ」。という人は少ない。どちらかと言えば女性の方が涼しい格好がしやすく、暑い時は若干女性の方が有利かもしれない。
殆どの人がそうかも知れないが、私は暑さも寒さも最初の内は割と平気なのだが、後半になると顎が出て早く暖かくならないかなあとか早く涼しくならないかなあとなる。そろそろ寒さが堪えてくる時期になった。
どちらかと言えば暑い方が寒いよりもいい。というのはもともと乾燥肌の気があったのに、年を取ってそれが進行し冬はあちこち痒くて困るのだ。風邪を引いた患者さんの聴診をする時、背中に掻いた痕あり、ここにも同類が居るなあと思うことだ。大抵はお年を召した方だ。「痒いですか」。と聞くと「そうなの、タンスの角にこすりつけてるわ」。と色気のない告白をされる。確かに手が届きにくい場所ではある。一人暮らしでは当然、爺さんが居ても中々頼みにくいかな。