大人の智慧などと書いた。自分に村の船頭を引退するような歳になって、十分な大人の知恵がある自信はないが、大人の智慧について語ることはできそうである。大人の智慧は物事を断片で捉えないところにあると思う。物事には時空の広がり、つまり全体像があるということを知っている智慧、人の一生になぞらえれば可愛い幼児期から生意気で不安定な青春を経て一家を成しやがて老いて消えゆく一生という経過を物事は包含しているということを踏まえ弁える能力だ。
勿論、大人の智慧にはまだ色々あるだろうが、日本のジャーナリストにはこの大人の智慧が足りないと思う。いつものことで受け手側にも問題はあろうが、優れたジャーナリストを目指す人間には認められない言い訳と思う。
新人のジャーナリストには少なくとも一つの外国語を自家薬籠中の物とし十分歴史と地理を勉強し、先輩を反面教師にと申し上げよう。