昨日は連休前だからか、患者さんが大勢受診され、文字通り三分診療を余儀なくされた。午前中は待合室で立って待たれた方も多かったようで、付いてくれた看護師のMさんが「お待たせして申し訳ありません」と謝りながら、できる限り迅速に診察を進めた。
三分診療というのは実は平均で、重い病気や難しい病気の患者さんには五分十分と時間を割いている。しかしながら、医学的に重要とは思われない女王様のご希望に遺憾ながら時間を取られることもある。女王様に跪くのではなくて、躓いてしまう。男性にはこうした方は殆ど居られないが、女性の中には時々後に何十人並んでいても、女王然と話したいことを全部話される方が居られる。こういう方は対応が難しく、今日は忙しいので今度にしてくださいと言いにくく、つい時間を取られてしまう。
たとえば、胃の調子が悪くO医院に行ったが胃カメラに異常なく**という薬を貰ったがこの薬で良いか、貰った血液検査結果で**という異常があるがこれは何だと言うご下問である。そんなことはO先生に聞いてくれと怒鳴りたいのを我慢して、分かる範囲でお答えする。女王様は要するにそれでよいと思います、心配なものではありませんという答えを期待しておられる。
どんなに早く診察しても二分以下にはすることは出来ない。平均三分診療では五分浮かすために五人を二分で見なくてはならない。二分間診察が可能なのは後に待っている患者さんがたくさん居て早く診るのはやむを得ない、先生も忙しくて大変ですねという患者さんのご理解があるからだ。そうした中、女王様に躓くと忸怩たるものがある。