駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

言葉に隠された糸を見つける

2015年04月05日 | 世の中

                   

 また雨の日曜日、ここまで続くと恐れ入ってしまう。

 最善を尽くす、全力でやる、一生懸命やる、できるだけのことをする、やれることをする・・・善処する・・・揚げ足をとるな・・・ケチをつけるのか・・・あんたこの前**したろうと、いつの間にか居直り立場を逆転させるのはその筋の常套手口なのをご存じだろうか?

 しかしこれはその筋でなくても、争う世界では今もしばしば使われる手法で、言葉だけでなく手を振り回したり睨んだり大声を出したり畳み掛けたりする演技を伴う。居直りや逆捩じほどあからさまでなくても、そうして問題点から目を逸らさせる手法に長けた政治家は多いので要注意。

 要注意と申し上げても、マスコミはそのまま伝えるので掛け値のないところはなかなか見えてこない。

 世の中の物事は複雑に絡み合いわかりにくく、黒白がつくものは殆んどない。大部分はそれこそ微妙なグラデイションに陰る灰色で見る角度で濃さも変わって見える。

 診察の手法にインチングというのがある。これは明らかな所見から少しずつずらしたり近づけたりして、曖昧な所見に意味づけをしてゆく方法だ。これは政治家の言葉の真意を見破るのにも有効のように思う。何かをしようとする人間には意図がある。遡ったり、別件での発言を思い浮かべるといい。名優は自然に意図を隠すから要注意と申し上げたい。人をだますコツは自分をだますことにあるからだ。

コメント
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