えーっと今日は何曜日と診察中に確かめることがしばしばある。そんなことは考えるまでもないはずだったのだが、当番医や祝日があると曜日感覚が狂う。それに物忘れもちょっと出てきているのだ。なぜ曜日が大切かというと総合病院へ送る可能性のある患者さんの場合、判断時期を間違えないようにするためだ。総合病院は週休二日になって久しい。土日は外来がお休みなのだ。勿論、どうしてもという場合には土日でも、頼みこんでどこかの病院へ送り込まなければならないのだが、ウイークデイであれば比較的スムースにどこの病院でも診てくれる。
中にはそんなの関係ないと、ゴリゴリと押し込む医師もいるだろうが、私はどうも不機嫌な声を聴くのは嫌だし、あちこちの病院に電話をするのを負担に感じる。勿論、嫌そうな声が出るには、それなりの理由があり受け入れる方も大変なのだ。だから医学的とはちょっと違うのだが、木金だと早めに紹介するし、月火水だと二三日様子を診ようということも多い。尤も、往診先で今日は何曜日などと言っていると家族は先生も惚けてきたかと思っているかもしれない。
電話をしたとき気心の知れた医師だとホッとする。こちらの言うことが掛値なく伝わるからだ。先日も虫垂炎の疑いで明らかに腹膜炎を起こしている患者を外科の当番病院に紹介したのだが、出てきた若造?医師は私の診断を過小評価したらしく、内科当番へ回すように指示してきた。お願いする方は立場も弱いし争う気もせず、内科当番病院へ紹介した。私が睨んだ通り、穿孔性虫垂炎及び虫垂周囲膿瘍で外科医が呼ばれ緊急手術となった。昨日、患者さんは術後経過順調で、本日退院となりました。切除した虫垂の病理所見は壊死性虫垂炎でした。ご紹介ありがとうございましたと返事が来ていた。
おそらく今もそうだと思うが、若い外科医は、手術がしたくてしょうがないので、急に呼ばれて手術というのを嫌がらなかったはずだ。国立の大病院の院長になったMなど、一緒に研修医時代を過ごしたのだが、救急当番で手術がないと詰まんねえとぶつぶつ言っていた。