既に旧聞だが、羽生九段が王将戦リーグでぶっちぎりの六連勝し藤井五冠の挑戦者になった。羽生九段を旧といっては失礼になるかもしれないが新旧天才の対決になる。羽生九段は昨年の不調から蘇り今年は羽生マジック健在でタイトルを保持していた頃の力に戻っている感じがある。
羽生さんが王将位を奪取すれば前人未到のタイトル百期達成となる。九十九期だって前人未到なのだが百期というのは三桁で切りがよく、王将リーグでの戦い方から見ると羽生さんのタイトル百期達成に掛ける強い意欲を感じる。
勿論、羽生さんには羽生マジックがあるのだがどうも昨日の棋王戦挑戦者決定戦の棋譜を見ると藤井五冠にはマジックは通じないのではないかと思えてしまう。羽生マジックは一流棋士でも見逃す盲点を突いた指し手なのだが、幅広く深く読む藤井五冠に盲点はほとんどないようで紙一重でも破れない紙一重の差を保ちきっちりと藤井五冠が勝利した。さすがの羽生さんでも藤井王将を破るのは難しそうに見えるが、百期に掛ける執念が白熱の接戦を展開すると思う。王将戦は年明けの楽しみの一つだ。