駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

モールス符合の隠れた意味

2016年06月05日 | 自然

            

  モールス符合がそんなに凄いアイディアだとはとは気が付かなかった。CSで海外の科学番組をやるので時々見る。先日、見えないものを科学するという番組があり、その中でモールス符号が情報を伝達する革命的なアイディアであったと紹介されていた。モールス符号というのは、戦争映画などで戦況を伝える背景にトツー、トツートツーと聞こえる短点長音を組み合わせた符合である。中学の数学の教師が元通信兵で左手で電鍵を叩きながら右手で字が書けますよと符合を説明してくれたので馴染みがある。

  人類が電気を利用できるようになったのは高々二百年前のことだが、それ以降の技術の進歩はめざましく、今では電気なくしては人類の生活は一日も立ちゆかなくなっている。電気と言えば光、それ以外にもあらゆることに使われているが、大きく分けて力、熱、情報だろう。

 それこそ最初、電気が伝えられるようになった頃には画像や音声を伝える技術はなかったわけで、とうやって電気で情報を送ろうかと考えてモールス符合が工夫された。どうも、大発明とは言いにくい。というのはひょっとしたら自分でも思いつけたかも知れないと思うほど簡単単純な工夫からだ。しかし短点長点の組み合わせでアルファベットを表わし、それを何百キロ先に瞬時に送ることが出来るようになったことは情報伝達革命だった。

 番組の解説をしていた教授が言うにはそこにビットをいう、最も根源的な情報単位が使われていることが重大なポイントだという。確かに最小の情報単位はあるなし、つまり1と0で、これを組み合わせれば全ての複雑な情報を表現できる。成る程そうだったんだと思いながらもびっくりしてしまう。更に感じ入ったことは頭の中で考え出した荒唐無稽な話あるいは抽象的な理論も、情報として存在する以上、影も形もない空ではなく、物理量で何某かのエネルギーを有している、つまりは抽象的な概念も物理的な存在だという言明だ。

 例えば、ホッカイドーのケイコタンが頭を掠めても、誰にも分からないし何の音も形も重さもない一瞬のことなので無きに等しい雑念と思っていたが、そうではないと知って、広がる知の世界の奥深さに唸ってしまった。

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