オウムの菊地直子が逮捕された。世にも忌まわしいオウムの犯罪実行者には相当の刑に服して欲しいが、匿っていた男との生活を知ればどうも複雑な気持ちになる。
菊地を好きになり愛するようになって結婚を申し込んだら、私は菊地直子と告白されて断られた男にはちょっと同情する。映画小説顔負けの運命のいたずらがあったわけだ。
先の平田容疑者を匿った斉藤明美にしても、いささか哀れの気持ちが湧く。
菊地も平田も好かれていると気が付いたら、進行を避けるように身を引けとか、高橋や斎藤は事情を知ったら通報しろと言うのは、筋ではあっても男女の機微に疎い感覚と思う。決して許すわけではないが、心の動きはわかる感じがする。逃亡生活の中で大切と思う人に出会ったのなら、何の罪もない人の命を奪い精神と肉体を傷つけることが如何に重大な犯罪であるかに気が付いているだろう。全てを正直に告白して欲しい。罪は償えないがせめてものことだ。
菊地直子をかばうわけではないが、どうも知り得た逃亡生活の断片からは凶悪な犯罪者とは違った印象を受ける。逃亡中に洗脳が解けたのだろうか。改めてオウムの恐ろしさを思い知る気がする。
オウムは特異で麻原は極悪では片付かない。排除、差別、独善・・は目に見えにくいがどこかオウム的な犯罪に繋がる火種だと思う。菊地直子の軌跡から社会が学ばねばならないことは多いのではないか。
通報者は懸賞金を受け取らないことが望ましいと思う。少なくとも相当の部分を犠牲者などに寄付するのが良いとアドバイスしたい。