物事が円滑に進むように柔らかな物腰や丁寧な言葉遣いをするのは社会に生きる知恵作法だとは思うが、優しさとは微妙に違うような気もする。
看護師のYさんはいつも笑顔で言葉遣い声調も柔らかくよく気が付いて優秀な看護師さんなのだが、どこか微かに物足りなさも感じた。最近、彼女が患者さんの名前を中々憶えないのに気が付いた。接客業ではどのような指導をされるかよく知らないが、三度四度の相手を覚えるのは大切とされているのではないかと思う。患者さんは千人近く居るので全ての名前を覚えるのは困難でも、名前と顔が一致するかどうかは心がければできると思う。
医療は個別のもので相手がどんな人でどんな状況にあるかを知っておくのは仕事の第一歩というか、知らずにはおられないのが医療に携わる者の心だろう。作法というのはそこまで踏み込んだものと思うがどうだろう。