青空は一日だけだったようで鉛雲の下を駅まで歩いた。気温は上がっているようで到着時には上着を脱ぎたくなった。
先月、介護関係の会合でたまたま隣に座った薬剤師の中年女性が患者Yさんのお嬢さんということがあった。自己紹介のあと、母がお世話になっていますと切り出され、実は母がお酒を飲んで困るんです・・・から始まり、私が注意しても聞かないので先生から診察時に注意してくださいと色々頼まれた。最後に私と会って頼まれたのは内緒にお願いしますと言われた。「はいはい」と二つ返事でお引き受けしたのだが。
一昨日、Yさんが受診された。頼まれたことをそれとなく注意しなくてはと一呼吸置いていると「先日、娘がお世話になりました」と始まり「私のお酒のことを聞かれたんでしょ、いえほんの少しですよ。ちょっとイライラすることがあるもんですから」、えっええと頷く間もなく「娘はああ言いますが、あの子も・・・」と。そのうち娘が分が悪いような話まで飛び出してきた。手の内を知られていた上に、畳み込まれては、与太郎の使いのように「はあ、はあ」と頷くしかない。「それではいつものお薬をお出ししますので、どうぞお大事に」とお引き取りを願う始末になった。
どうも女性はなどと書くと反撃に会いそうだが、内緒と言ったのを忘れたか、それとも母親の方が一枚上手だったのか、まあ母娘で隠し事のないのは良いことと思えばいいのか、百戦錬磨?のはずの私も一本取られてしまった。