駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

地球の感想は変わるだろう。

2015年03月16日 | 小考

                       

 トミー・リー・ジョーンズが地球にやってきた宇宙人に扮したCMがある。この星の人の行動を観察して、水を大切にする人達だ・・と色々呟くあれだ。不思議ではあるけれど好ましい星と思うのが分かる設定になっている。

 しかし彼も新聞を読めば首を傾げ、週刊誌を読めば愕然として感想が変わるだろう。知らなかったと口を拭いやり過ごそうとする公的責任のある立場の人々、通りすがりの人を近隣の人をそして仲間を殺める理解しがたい犯罪者達。その存在を知ればこれは狂った星にやってきたと早々に退散しようとするかもしれない。果たして彼に帰りの宇宙船はあるのだろうか。

 元より帰る星もなく、地球に生まれてやがて七十年、今頃何だかおかしいと気付いた土着の高齢者には帰る場所もない。否応なしのお迎えというのがあるのだが、それならせめてこの美しき世界と見定めたい気持ちがする。辛いのが人生、それは応と受け入れられても、理解しがたい歪んだ非道にはどうしてそんなことをと思う。

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日曜日は農作業のまねごと

2015年03月15日 | 身辺記

              

 日曜日はお休みの日なので、あれこれ作業をした。後輩のK君に勧められた野菜作り、十坪ばかりの庭を耕してみた。ずぼら方式で、雑草共存方式の予定、上手くいきそうにないがやってみる。たった二畝で顎が上がった。とてもお百姓さんは出来そうにない。聴診器より思い物を持つのは大変だ。

 絵はほぼ完成した。手前の菜の花?は残すことにした。後ろ姿の人物は先生。

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患者渋滞は交通渋滞に似て

2015年03月14日 | 診療

                      

 例年より二週間ほど早く、患者数が通常に戻った。高々十五、六人の違いであるが、殆どお待たせすることはなく、待合室で十分も待てば診察の順番が回ってくるようになった。中には「えっ休んでる間もない、早過ぎる」と言われる患者さんもいるくらいだ。午後などは誰も待っていない時間帯もあり、「あれ、今日は休みかと思った」と診察室に入ってこられる患者さんもいる。「患者さんには波がありますから」と答えることが多い。看護師のMさんは空いていると言われるのがあんまり好きでないようで「さっきまで大勢いらしたんですよ」とか、「もう少しすると混んできますよ」と答えている。

 いずれにしても、高々二割程度の患者数の違いで診察のペースが全く違うから不思議だ。一時間に十五人を越える時間帯があるとしばしば渋滞する。渋滞というのは間が詰まって団子状態になる現象で、渋滞学という学問もあるようだ。渋滞すると回復しようと頑張る気持ちが出てくる。実は急いでも患者さん一人あたりで短縮できるのはたかだか十数秒だ。遅れた十五分を取り戻すのは容易ではない。せかされる感じがするのは、診察に手間取った理由が救急車を呼ぶような重症とか難しい病気というのではなく単に話がくどいというかしつこい時で、待たせた患者さんに悪いという気持ちとしつこい話に辟易したのが重なってイライラするからだ。

 こうした滞りも一時間に七、八人の患者数であれば、直ぐに遅れが吸収分散されて、渋滞とはならない。患者渋滞は交通渋滞と同じようなメカニズムで起きているように思う。予約というのが一つの対策ではあるけれど、後期高齢者の多い外来では難しいと読んで導入していない。果たして、どんなものか?。

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勝負の風見鶏

2015年03月13日 | 趣味

            

 サッカーの日本代表新監督にボスニアヘルツェゴビナ出身のバヒド・ハリルホジッチ氏が決まった。折角味を出し始めていたのだが、八百長事件で告訴されて監督業を中断せざるを得なくなったアギーレ氏の解任はやむを得なかった。

 報道によるとハリルホッジ氏は元フォワードで選手監督としての実績もあり、大いに期待できそうだ。采配を楽しみにしている。災い転じて福となる予感がする。どういう選手選択をするか、注目している。

 将棋名人戦挑戦者決定戦で渡辺二冠が久保に負けた。ちょっと詰まらなくなった。羽生と五分で戦えるのは渡辺しか居ない。久保でも行方でもまず羽生に勝てない。どちらかと言えば行方の方に僅かな脈がある。勝負というのは手に汗を握らなければ面白くない。行方久保ファンには怒られるだろうな。まあでも将棋が好きだからファンの発言は大目に見て欲しい。渡辺は大事な一番に負けることがあり、その辺りに大事な一番を逃さない羽生との差を感ずる。しかし、渡辺は意外に常識があり謙虚で、そこに魅力を感じている。

 井山が山下に三連勝後三連敗と囲碁棋聖戦が縺れている。井山が羽生たり得るか、そうした意味でも注目の最終戦だ。そういえば羽生も井山も指し手打ち手の手指形が独特で、念力を感じてしまうのは私だけだろうか?。

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受け身で自己主張を避けてしまう

2015年03月12日 | 医療

             

 ぶり返した冷気の中を出勤してきた。前を行く女子高生の大根足も寒そうだったが、さすがの若さ、どんどん離されてしまった。

 この期に及んでという気もするのだが、列車は急に曲がれないわけで、民族の特性も簡単には変わらないという話を緩和ケアの医師から聞いた。どうも戦後も日本人の受け身で横並びを選び、自己主張しない性質はさほど変わっていないようだ。

 私は明治維新や敗戦後に日本人の思考(志向、、嗜好)にどのような変化があったかに詳しいわけではなく、通り一遍の知識しかないのだが、そう感じた。

 癌が転移し抗がん剤も効かない、限られた余命をどうするかに対して、はっきりした自分の主張を表明されない患者さんも多く、家族の負担になりたくないといった周りのことを優先される患者さんが多いと言われた。最期は自宅でと思って居る様子でも、家族が大変そうだから病院でと自分を二の次にする方も多いという。緩和ケア医としては、本音を引き出せていないと感じられる様子でまだまだ自分の力量が足りないとも言われた。

 どうもあまり表面には現れないけれども、これが変わらない日本の底流というか基調なのかなと思った。

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