あしたのブログ!趣味や日々の報告ページ

このページを活用し趣味や日々のことなどを中心に報告しています。

テディ・ウイルソンと北村英治のセッション

2023-02-26 | JAZZ
テディ・ウイルソンと北村英治のセッション(2枚)を聴きました。
最初は、テディの初来日を捉えて録音されたもので、この後、コンサート、レコーディングで度々共演をしている北村英治との初めての録音です。

「TEDDY WILSON MEETS EIJI KITAMURA」 TRIO RSP - 9015
  
1. ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET
2. TIME ON MY HANDS
3. I CAN´T GET STARTED
4. I´VE FOUND A NEW BABY
5. STARS FELL ON ALABAMA
6. WHISPERING
7. DREAM A LITTLE DREAM OF ME
8. BODY AND SOUL
9. AFTER YOU´VE GONE
10. SOMEDAY AWEETHEART
TEDDY WILSON (p) 北村英治 (cl) 原田政長 (b) BUFFALO BILL ROBINSON (ds) 増田一郎 (vib)
録音 1970年10月5日

これは、良く知られたスイングの名曲を集めた演奏集で、ヴィブラフォンが入ることによって美しい響きが一層増しています。
ジャケット内の記事によると、北村英治はとても緊張してこのセッションに臨んだようですが、結果として程よい緊張感が良い演奏を生み出しています。
ミディアム・テンポの曲を中心に纏めた選曲も良く、テディのコードを押さえる左手の動きと、右手のシングルトーンもはっきりと聞き分けられ心地良い響きとなっています。
「 BODY AND SOUL」での北村は、ベニー・グッドマンを意識している様に感じられるところもあり、アップテンポで演奏される「 I´VE FOUND A NEW BABY」や、「AFTER YOU´VE GONE」では、控えめに録音されているドラムスのブラシが演奏を引き締めており、全体のバランスも旨く収録されています。


続いては、上記のレコーディングから10年後に銀座のJUNKで収録されたライブ盤です。

「LIVE AT JUNK」 YUPITERU YJ25-7034
  
1. I GOT RHYTHM
2. WHISPERING
3. LIMEHOUSE BLUES
4. BODY AND SOUL
5. WHEN YOU´RE SMILING
6. WHERE OR WHEN
7. SWEET GEORGIA BROWN
8. THESE FOOLISH THINGS
9. HONEYSUCKLE ROSE
TEDDY WILSON (p) 北村英治 (cl) 池沢行生 (b) 須永ひろし (ds) 
録音 1980年12月26日

このレコーディング時、テディ・ウイルソンは5回目の来日で、北村英治とは旧知の仲ということに加え、聴衆を前にしたライブということから、非常にリラックスした演奏となっており、速いテンポとミディアム・テンポの演奏が旨く織り混ざって収録されています。
また、最初のレコーディングにも収録されている 2曲が含まれており、「WHISPERING」では、確実なビートで演奏をサポートしている池沢のベース・ソロが、一方の「 BODY AND SOUL」では、最初のレコーディングと同じようにテディと北村の気心知れた対話が感じられる演奏となっています。

その中で、圧巻は1曲目の「I GOT RHYTHM」で、最も速いテンポで演奏され、テディと北村の絡みが素晴らしいし、後半でソロを取る須永のドラミングも旨く捉えられていて、「SWEET GEORGIA BROWN」におけるテディの歯切れの良いロング・ソロが聞けます。
そして、「THESE FOOLISH THINGS」では、北村が趣を変えてベン・ウエブスターばりのテナーサックスを吹いていて、演奏後の拍手が鳴り止まぬうちに最後の「HONEYSUCKLE ROSE」へと続いて行きますが、ベースのソロやドラムスとの4バースを挟んで6分を超える演奏があっという間に終わってしまいます。

上記2枚のテディ・ウイルソンは、いつもと変わらぬ演奏に対し、2枚目の北村英治は、明らかに手慣れてリラックスしたプレイとなっています。

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富士山の日の花火

2023-02-23 | 日記
2月23日は、語呂合わせで「フジサンの日」となっていて、毎年河口湖畔で花火が打ち上げられます。
今日は現地に滞在していたので、午後8時からの花火を見てきました。

打ち上げ前の湖水には、遊覧船も出ていて、三日月とのコントラストも美しかったです。
 

   

   

こんな、しゃれた花火もありました。
    

打ち上げ場所は3カ所あり、打ち上げの競演もありました。
   

気温は5℃で、この時期の夜としては暖かく、凡そ20分間の冬花火を堪能しました。
駐車場は何処も混雑していて、県外ナンバーの車が大半でした。(私もそうですが)
1月21日の土曜日から、土、日曜日に開催された今年の冬花火ですが、2月23日だけは特別な日でもあり、今年の最終日となりましたが、地元の人の話ではこの日が一番豪華な花火だったそうで、それが見れたことはラッキーでした。

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チャック・イスラエルのリーダー・アルバム(CD)

2023-02-22 | JAZZ (CD)
レイ・ブラウンと共に、米国の偉大なベーシストであるチャック・イスラエルのリーダー・アルバムです。

「CONVERGENCE」 Philology W370.2
 
録音 2006年6月3,6日

チャック・イスラエルがピアノとギターを伴って自身のオリジナル3曲と、スタンダードを中心にした構成となっています。
共演しているホッド・オブライエンとスティーヴ・ブラウンのプレイが控えめで、しかもドラマーが居ないことからベースの響きがより鮮明で、3者が絡み合う場面でもそれぞれの楽器が明確に鳴っていることから、優秀録音盤です。

アップ・テンポで演奏される「TOO MARVELOUS FOR WORDS」は、ギターが先行し続いてピアノがメロディを担当し、イスラエルは4つを刻むウォーキングで支え、後半でソロも披露しますが、ドラムレスでありながら十分スイングしています。
スティーヴ・ブラウンは、このアルバムで初めて知りましたが、彼のギター奏法はどこかタル・ファーロー似たところがあり、同じ編成であるタルのアルバムの様に聞こえるところがあります。

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私の愛聴盤(第174回)

2023-02-19 | 私の愛聴盤
私の愛聴盤の第174回は、日本のベテラン・サックスプレイヤーの尾田 悟がテディ・ウイルソンを迎えてのセッションです。

「ALL OF ME」 LOBSTER LDC-1036
  
SIDE 1(QUARTET)
1. ALL OF ME
2. THESE FOOLISH THINGS
3. SOMETIMES I´M HAPPY
4. LESTER TALK
SIDE 2(尾田・TEDDYのDUO)
1. ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET
2. OH, LADY BE GOOD
3. IF I HAD YOU
4. PENNIES FROM HEAVEN
5. BLUES FOR T & S
尾田 悟 (ts) TEDDY WILSON (p) 池沢行生 (b) 渡辺 毅 (ds)
録音 1982年12月8日

これは、日本のベテランサックス奏者の尾田 悟が、“テディ・ウイルソンと共演してレコードを作りたい” という夢が叶ったアルバムで、レコードのA面はベース、ドラムスを入れたカルテットで、B面は尾田とテディのデュオで構成されています。
アルバム・タイトルにもなっている1曲目の「ALL OF ME」は、テディのミディアム・テンポによる4小節のイントロを皮切りに、尾田のテナーは好調時のレスター・ヤングが今様の録音技術の中で演奏しているような錯覚の中で、尾田が2コーラスを、続いてテディが相変わらずスマートな演奏で2コーラスと進行していく堪えられない演奏となっています。

なおこの曲は、テディ・ウイルソンがレスターヤングと共演している「PRES and TEDDY」でも最初に入っており、こちらは更に早いテンポで、レスターの好演を聴くことが出来ます。


一方、尾田の方は録音の良さも相俟って、A面の残り3曲も時折レスターのフレーズを織り交ぜながら余裕すら感じられる堂々の演奏となっています。
また、ブラシを主体とした渡辺のドラムスにより、スイング感がより強く感じられます。

B面のデュオでは、尾田の豊かで暖かい音色のテナーと、テディの以前と変わらない洗練されたフレーズをじっくり味わうことが出来る演奏で、ゆったりとしたテンポで進行する「ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET」は、絶品の1曲だと思います。
ダイレクト・カッティングという緊張感が続く演奏の中でも余裕が感じられ、その雰囲気が聴き手にも伝わってきます。

余談ですが、ジャケットに書かれている尾田とテディのイラストは、このレコーディングに立ち会った評論家の野口久光さんが書いたもののようです。(ジャケットの下面にサインがあります)

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レイ・ブラウンのリーダー・アルバム(CD)

2023-02-15 | JAZZ (CD)
デューク・エリントンとデュオで共演したレイ・ブラウンが、TELARCレーベルに録音したリーダー・アルバム(3枚)です。

1枚目は、レイ・ブラウンが最も信頼できるベニー・グリーン (p)とジェフ・ハミルトン (ds)をパートナーに選んで1993年4月にカリフォルニアで行ったライブです。
収録されている9曲の内、2曲が自身のオリジナル、他はよく知られたナンバーで、途中ブラウンのMCも入っていて楽しい雰囲気が伝わってきます。
その中で、1曲目の「マイルストーンズ」は、意表を突いて同じマイルスの「ソー・ホワット」を連想させるイントロからスタートしているし(このアレンジの意味がわかる聴衆もいると思うのですが)、アップテンポで突っ走る「リメンバー」は、演奏途中での聴衆の拍手からも熱演ぶりが伝わってきます。
「BASSFACE」 CD-83340



2枚目は、上記のメンバーからドラマーがグレゴリー・ハッチンソンに代わり、スエーデン出身のウルフ・ヴァケニウス (g)が加わったカルテット編成となり、これまたスタンダードを中心としたプログラムで埋めたアルバムです。
2曲目の「ザ・サム」ではウエスを彷彿とさせるギター演奏、「マイ・ロマンス」や「星影のステラ」でテーマを弾くヴァケニウスの後で確実なサポートを送るブラウン、そして、ブラウンとヴァケニウス~ブラウンとグリーンのデュオによる「イン・ア・センチメンタル・ムード」などの他、アップ・テンポで演奏される「コットン・ティル」は、ブラウンのウォーキング・ベースが演奏全体を引っ張っており、これも聞き所が多くあるアルバムです。
「SEVEN STEPS TO HEAVEN」 CD-83384
 


3枚目は、2枚目のピアノ・トリオに若手からベテランまでの6人のサックス・プレイヤーが、それぞれ2曲づつ参加するという豪華なアルバムです。
それぞれに印象深い演奏はいずれも旧知のスタンダードで、ジョシュア・レッドマンが「ポルカ・ドッツ&ムーンビームス」を、ジョー・ロバーノが「イージー・リヴィング」をバラードでと、2人の演奏曲目の珍しさに加え、ベテランのベニー・カーターが「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」を、また、スタンリー・タレンタインが「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」を情緒たっぷりに吹いています。
そして、ラルフ・ムーアは「ホエン・イッツ・スリーピー・タイム・ダウン・サウス」を、ジェシ・デイヴィスは「愚かなり我が心」と、色々変化が楽しめます。
「THE SAX PLAYERS」 CD-83388


以上3枚は、1993年から96年に掛けて録音されたものですが、いずれのアルバムも主役のレイ・ブラウンがアコースティック・サウンドで、ベースをベースらしく弾くというところに加え、ピアニストのベニー・グリーンのサポートが聞き所であることは間違いありません。

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2月14日のプレゼント

2023-02-14 | 日記
山梨の事務所には、女性5人と若手からおじさんまでの男性が13人います。
毎年、この日は女性陣から全員にプレゼントがあり、今年もいただきました。
巷でいうところの「義理チョコ」ですが、嬉しいことに変わりはありません。

 

 

早速、いただきたいと思います。

【2月17日追記】
自宅に戻って、ババと孫からもプレゼントをいただきました。
孫からのものは、手作りのクッキーでした。


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エリントンとブラウンのデュオ

2023-02-12 | JAZZ
デューク・エリントンが、レイ・ブラウンと共に、アルバム1枚をピアノとベースによるデュオで通したアルバム

「THIS ONE´S FOR BLANTON !」Pablo 2335 728
  
1. DO NOTHIN´ TILL YOU HEAR FROM ME
2. PITTER PANTHER PATTER
3. THINGS AIN´T WHAT THEY USED TO BE
4. SOPHISTICATED LADY
5. SEE SEE RIDER
6. FRAGMENTED SUITE FOR PIANO AND BASS
 ( First Movement ~ Fourth Movement )
DUKE ELLINGTON (p) RAY BROWN (b)
録音 1972年12月5日

偉大なベーシストであったジミー・ブラントンは、1942年に23歳で結核により亡くなってしまったため、実働期間は凡そ2年間だけの奏者ですが、ジャズ・ベース史を顧みた時に後世に大きな影響を残しています。
ブラントンは、1940年にエリントンとデュオで4曲を録音していて、そのデュオを再現しているのが本アルバムで、パートナーはレイ・ブラウンです。
このことは、プロデューサーであるノーマン・グランツの功績の一つであると思います。

レコードのA面はエリントの曲を中心にしたプログラムで、エリントンの強いタッチの演奏に、ブラウンのウォーキングと、時には両者が入れ替わってメロディを弾きながら進行していき、しかも録音が素晴らしく願ってもない1枚です。
またB面は、4つのパートに分かれた「ピアノとベースによる断片的組曲」で、それぞれに特徴がありエリントンの打楽器的タッチに対し、ブラウンがパターン化した運指で応えたり、強靱でありながら暖かい音でメロディに対峙しています。

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ステファン・カールソンのリーダー・アルバム(CD)

2023-02-08 | JAZZ (CD)
前回掲載したエディ・ゴメスの「What‘s New at F」に参加していたスエーデンのピアニストのリーダー・アルバム(3枚)ですが、活動の場が米国中心ということから全て米国の会社からの発売となっています。

「BELOWZERO」 Justis Records JR 0703 - 2

録音 1992年12月
このアルバムはヒューストンのレコード会社から発売され、録音も地元のスタジオで収録されていますが、ステファン・カールソンの比較的初期の作品で、米国出身のベースとドラムスを従え、曲によってはサックスが参加(3,4,5,7,8,9,10,11)しており、1曲目にスエーデン民謡の「懐かしのストックホルム」を配置した心憎い構成となっています。
その他、ジェローム・カーンの「IN LOVE IN VAIN」と、ケニー・ドーハムの「LOTUS BLOSSOM」が収録されていて、それ以外は全てカールソンのオリジナルです。
内容は、2人のしっかりしたリズム陣に支えられピアノ・トリオで演奏される3曲が良いです。

「LIVE at Vartan Jazz Stefan Karlsson Trio Vol.1」 vartan jazz vj 010

録音 1995年10月27、28日 
2枚目は、コロラド州デンヴァーでのライブ録音で、エヴァンスに関連するリズム陣(エディ・ゴメス、エリオット・ジグモンド)を従え、しかもそのエヴァンス所縁の曲を演奏していることから、エヴァンス・ライクなピアニストと称された時期があったことで演奏にも興味がわきますが、ここでのカールソンはその影響を微塵も感じず綺麗なピアノ・タッチを披露しています。
その中で、5曲目の「Carmen´s Song」はゆったりしたテンポの中で、エディ・ゴメスとのコラボレーションが美しいし、シェルブールの雨傘のテーマである「I Will Wait For You」は、アレンジの妙と3者によるバランスが良く、ジグモンドのソロを挟んで10分を超える演奏ながらダレることなく聴き通せます。

「STEFAN KARLSSON TRIO & FRIENDS」 Troppe Note CD-1702

録音 1997年5月4,5日
3枚目は、ラスヴェガスのスタジオ録音で、最初の2枚とはタッチも異なり、繊細さより力強さを感じる演奏となっています。
全9曲中4曲(4,5,7,8)に管が入っていて、それらはアレンジも面白く、4曲目の「INFINITY」などは、マーク・ソリスの強烈なサックスとフィル・ワイフォールのトランペットによるロング・ソロが印象的な演奏です。
また、ピアノ・トリオの演奏はリズミカルで、最初の2枚とは明らかな差があります。
1曲目の「A Three In Four」は、ベースによる導入部を経て、チック・コリアの最初のアルバムの中の「STEPS - WHAT WAS」に似た曲想の演奏となっています。


なお、下はステファン・カールソンがエディ・ゴメスのリーダー・アルバムに参加しています。

「PALERMO」 GPTS 713

録音 2006年10月21日
リーダーであるエディ・ゴメスは控えめで、3人のバランスと録音が優れていて、演奏内容も充実しています。
ステファン・カールソンのプレイは、上記の3枚目のリーダー・アルバム同様に躍動的で、アフリカ系米国人のドラマーであるナシート・ウエイツのカラーが加わって、ミディアム・テンポの曲はチック・コリアに似ているところも見え隠れします。
エディ・ゴメスの作曲による「Missing you」は、前半と後半でゴメスのボーイングが全体を支配し、カールソンの透き通る様なピアノ音がそれに被さるように響いています。
エヴァンスのゆかりの曲である「We will meet again」では、ゴメスもカールソンも神妙にプレイしている様子が聞き手にも伝わって来るし、最終曲の「My foolish heart」に至っては、一層そのように感じます。

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ビル・エヴァンスとフルート奏者の共演盤

2023-02-05 | JAZZ
ビル・エヴァンス・トリオにジェレミー・スタイグが参加したアルバム

「What‘s New」 Verve V6 8777
  
1. STRAIGHT NO CHASER
2. LOVER MAN
3. WHAT´S NEW
4. AUTUMN LEAVES
5. TIME OUT FOR CHRIS
6. SPARTACUS LOVE THEME
7. SO WHAT
BILL EVANS (p) EDDIE GOMEZ (b) MARTY MORELL (ds) JEREMY STEIG (fl)
録音 1969年1月30日、2月3~5日、3月11日

この「What‘s New」は、ビル・エヴァンスとジェレミー・スタイグの激しい応酬によるインタープレイが堪能できるアルバムで、アレンジも素晴らしく、スタイルのフルートを吹く時の息と声がリアルに録音されています。
このレコードを購入し、最初に針を下した時の“ビックリ”は、今でも忘れることが出来ません。
というのも、スタイグのフルートに負けずと火花を散らすエヴァンスは、これまでの美しくリリカルな部分が姿を消して一瞬たりとも気が抜けない丁々発止の連続だからです。
エヴァンスのアルバムの中では異色の演奏ですが、何度聴いてもスリルが味わえる傑出した1枚です。


なお、ビル・エヴァンスがフルート奏者と共演したアルバムは、先にハービーマンと1961年12月から62年5月にかけて録音した「NIRVANA」があります。
ここでのハービーマンを除くメンバーは、エヴァンスのトリオでの共演者で、当初は大いに期待して針を落としましたが、下手なクラシック演奏の様に聞こえてがっかりした記憶があります。
ジェレミー・スタイグとの共演盤でも演っていた「LOVERMAN」は、スロー・テンポだけで物足りないし、ジャズらしい演奏はミディアム・テンポの「I LOVE YOU」と「CASHMERE」で、それでもエヴァンス・トリオに注目して聴くだけで、ハービーマンには興味が沸きません。
加えて、ステレオ・レコードによる録音状態は、ヒス・ノイズが耳障りなため購入後直ぐに処分してしまい、今はCDで聴いていますが、フルートとドラムスが左、ピアノとベースが右という完全セパレートのため、モノラル・モードにして聴くことにしており、またエヴァンスのピアノが濁って聞こえる部分があったりで、アトランティック・レーベルの不味さが出ています。

「NIRVANA」 SD 1426
 


下記のCDは、エディ・ゴメスがジェレミー・スタイグを迎え、ビル・エヴァンスの「What‘s New」のトリビュート・コンサートをライブ・レコーディングした記録で、上記のアルバムに収録されている「WHAT´S NEW」と「STRAIGHT NO CHASER」の他、エヴァンスにゆかりの曲を演奏しています。
ベーシストがリーダーとなると、こうなるという典型的な演奏で、エヴァンスとのセッションで演っていたインタープレイは殆ど聴くことが出来ません。
「STRAIGHT NO CHASER」を例にとっても、エヴァンスとのセッションではピアノとフルートの激しいやりとりが展開されていましたが、こちらは前半がピアノ・トリオで進行し、後半になってステイグのアドリブで声出し演奏となりますが、ハプニングは生まれずじまいで終了しています。
全体を通して、スエーデンのピアニストであるステファン・カールソンの好演が救いです。

「What‘s New at F」 mf 103
 

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