あしたのブログ!趣味や日々の報告ページ

このページを活用し趣味や日々のことなどを中心に報告しています。

Tres Palabras を聴く(CD)

2025-02-26 | JAZZ (CD)
チャーリー・ヘイデン絡みで色々検索していたところ、彼のリーダー・アルバムの中にラテンの美しい曲である “Tres Palabras” を演奏しているものがあったので、早速購入して聴きました。
同時に、他の奏者のものを手持ちの中から掲載してみました。

この “Tres Palabras” という曲は、Osvaldo Farresが作曲したもので、ラテン語では「三つの言葉」という意味だそうで、英語では「Without You」として歌われています。

最初は、チャーリー・ヘイデンの「Nocturne」と、ハバナ出身のゴンサロ・ルバルカバの「Suite 4 Y 20」です。
 
「Nocturne」はヘイデンが、ピアニストにゴンサロ・ルバルカバを迎えたトリオに、バット・メセニー (g) 、ジョー・ロバーノ (ts) 等の豪華メンバーを迎えて、キューバのスタンダードとメキシカン・ソング、それにヘイデンのオリジナルを加えたバラード集です。
藤本史昭さんの解説によると、ヘイデンが1968年にリベレーション・ミュージック・オーケストラのために「チェ・ゲバラに捧げる歌」という曲を書いた後、キューバ音楽に魅せられ続けていて、その後ゴンサロ・ルバルカバに会って何枚かのアルバムを作ったことで、益々キューバ音楽に魅了されたことから出来たアルバムだそうです。
お目当ての “Tres Palabras” は、デヴィッド・サンチェスのテナー・サックスをフューチャーしており、中間部でソロを取るルバルカバと共に、演奏はホテルのラウンジで聴くような仕上がりとなっています。
一方、ルバルカバの「Suite 4 Y 20」での同曲は、トランペッターのレイナルド・メリアンを加えたカルテットでの演奏で、アップ・テンポで正にジャズを演っています。
(クレジットには+チャーリー・ヘイデンとなっていますが、この演奏に参加しているか否かは不明です)

続いて、ブラッド・メルドーの「Anything Gose」と、クリストフ・サンジャーの「Imagination」です。
 
ブラッド・メルドー・トリオによる同曲は、ミディアム・スローで演奏され、テーマの後のアドリブでもメロディが浮かんでくるようで、優しくてスマートなタッチも心地良いです。
また、クリストフ・ザンガー・トリオの方は早めのテンポによる演奏で、淡々と弾くピアノに対しリズム陣が変化を付けており、中間部でのベース・ソロはメロディを入れながら力演しています。

最後は、松尾 明の「Alone Together」と、ナット・キング・コールの「Cole Espanol」です。
 
松尾 明トリオ(ピアノは寺村容子)に西田 幹のバス・トロンボーンを加えたカルテットで演奏される同曲は、好録音に相まって好演奏が聴ける1曲に仕上がっていて、トロンボーンとピアノは夫々メロディーを演奏した後、なんとバス・トロンボーンがC管のような高音でスムースなアドリブを展開しており、最後も高音部を使ってテーマを吹くという見事な演奏を披露しています。
LPのナット・キング・コールによる同曲は、お得意のスペイン語で歌っています。

なお、この曲の名演の一つに、ケニー・バレルがコールマン・ホーキンスを迎えて演奏している「BLUESEY BURRELL」というアルバムがあり、過去に「私の愛聴盤」として取り上げたことがありました。

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スウェーデンのピアニスト、オキ・ヨハンソン(CD)

2025-02-19 | JAZZ (CD)
チェット・ベイカーのセッションに参加していたオキ・ヨハンソンの2枚のアルバム(CD)を取り上げました。
最初は、1977年にラジオ放送用として録音されたものです。

「TRIO・77」 DRAGON DRCD 364

1. Taxi 424
2. Tjejen I Aspen
3. A Tribute to Bud
4. Besvikelse
5. Lotus Blossom
6. Every Time We Say Goodbye
7. Solar
8. Just Friends
Ake Johansson (p) Torbjorn Hultcrantz (b) Leif Wennerstrom (ds)
録音 1977年2月10日

デビュー当時のオキ・ヨハンソンは、バド・パウエルの影響を受けていたこともあり、このアルバムでもそれを感じさせる部分が多くあります。
特に1~4曲目における自作曲において顕著であり、バド・パウエルに敬意を表した「A Tribute to Bud」においては、ピアノ・ソロでモード的なフレーズを使い魅力的なプレイを展開しています。
また、5曲目からのスタンダードの中では「Every Time We Say Goodbye」が、ピアノに被るベースとのバランスが絶妙で素晴らしいです。
なおこのベーシストは、アルバート・アイラーのファースト・レコーディングにも参加していたトルビョルン・ハルトクランツで、このアルバムにおける骨太で的確なサポートも魅力的です。


続いては、上記から20年を経過していますが、一部では77年録音の名残りも感じられます。

「THE Spinning Top」 DRAGON DRCD 314

 1. The Spinning Top
 2. Deja - vu
 3. Starcrossed Lovers
 4. Sing Me a Song
 5. My Ideal (*)
 6. Traintrip (*)
 7. Till Brita-Lena
 8. Baker Street
 9. Molde-75
10. Nightwalk
11. Deep in a Dream
12. Dex
13. Spar 12
Ake Johansson (p) Kjell Jansson (b) Magnus Gran (ds) Stefan Isaksson (ts) (*)
録音 1997年4月14, 15日

1曲目の「The Spinning Top」は、ビバップのフレーズが顔を出す12小節のブルースです。
また、バラードで演奏されるエリントン・ナンバーの「Starcrossed Lovers」は絶品で、「 Molde-75」や「 Nightwalk」は、作曲の巧さも加わった佳曲となっていて、ベースの活躍するソロ・パートも含んでいます。
そして、4曲のピアノ・ソロの中では「 Deep in a Dream」が一服の清涼剤のように爽やかであり、デクスター・ゴードンのニックネームである「Dex」では、デックスが吹くゴツゴツとした感じのフレーズも織り込んで、粋な演奏に仕立てています。
一方、2曲で参加しているテナー・サックスのステファン・イーザクソンは「My Idea」において、サブトーンを効果的に使って情緒豊かにと思えば、続く「Traintrip」ではアップ・テンポでゴリゴリと吹きまくっています。

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トリビュート・トゥ・マイルス・デイヴィス / マーカス・ミラー(CD)

2025-01-30 | JAZZ (CD)
一時期ではありますが、後期のマイルス・デイヴィスのグループに参加していたマーカス・ミラーが、マイルス没後20年として、マイルスに縁の曲を演奏しているアルバム(CD)です。

「MARCUS MILLER TUTU revisited」 VICJ 61650 ~ 1


先週一気に聴き通したマイルスのモントルー・ライブに続いて聴いた音源で、フランス・リヨン・オーディトリアムでのライブをCD2枚で137分収録しています。

オープニングは、フェデリコ・ゴンザレス・ペーニャのシンセサイザーによる荘厳なサウンドに乗って、お馴染みの「TOMAAS」のメロディがマイルス・サウンドとして再現されています。
リーダーのマーカス・ミラーは、1枚目の中の「Portia」において、ベースのテクニックを駆使しての演奏が素晴らしく、また、バスクラを吹く「IN A SENTIMENTAL MOOD」では、長いイントロを経てメロディが現れますが、中間部では高音部を中心にしたアドリブを披露しています。
バスクラは、最終曲の「HUMAN NATURE ~ SO WHAT」において、HUMAN NATUREのテーマ部でも高音と低音を使い分けながら吹いています。
続くSO WHATのイントロにおけるベースは、フリーなピッキングからスタートし、お馴染みのベース・ソロに移行していきますが、演奏の後半でのミラーの重厚なベースがまたイカしています。

2枚目の中では、マーカス・ミラーが作曲した「TUTU」がマイルス時代の演奏を彷彿とさせるサウンドで圧巻であり、アレックス・ハンはアルト・サックスで、ケニー・ギャレットに似たフィーリングで好演しています。

演奏は何れも素晴らしいのですが、2枚を連続で聴くには体力もいります。

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マイルス・デイヴィスのモントルー・ジャズ・フェスティヴァルの記録(CD)

2025-01-22 | JAZZ (CD)
マイルス・デイヴィスがモントルー・ジャズ・フェスティヴァルに出演した1973年から1991年までを、8回に渡って記録したCD20枚組について、発売当時に購入したきりとなっていたので、今年になって年代毎に順次聴いてみたことから最後の1991年を聴き終えたところで、ここに掲載してみました。

「The complete miles davis at montreux 1973 -1991」 WARNER MUSIC


ケースの中には、各々の演奏曲目とメンバーのクレジットの他、マイルスが描いたスケッチが9枚あります。



美しいメロデーの「Time After Time」や「Human Nature」を始め、マーカス・ミラーの「TUTU」「Portia」等、多くの人が作った曲を18年間に渡って繰り返し演奏している貴重な記録です。
マイルスのサウンドの変化と、体力の衰えと共にミストーンもあり、徐々に出番も少なくなっていきますが、ラッパの一音が出ただけで、マイルスと分かるところはさすがです。

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ケニー・ドリュー・トリオによるクリスマス・ソング集(CD)

2024-12-24 | JAZZ (CD)
毎年、この日だけに聴く1枚
ケニー・ドリューが日本のレコード会社と契約していた1980年代にレコーディングしたクリスマス・ソング集で、プロデューサーは木全信です。

「CHRISTMAS SONG」 Alfa Records 18-R2-58

1. Jingle Bells
2. White Christmas
3. Blue Christmas
4.The Christmas Song
5. A Way in a Manger
6. Silent Night
Kenny Drew (p) N.H.O.Pedersen (b) Alvin Queen (ds)

トナカイが駆けてくるようなホップするベース音に乗って、ドリューがシングル・トーンで鍵盤を叩く「Jingle Bells」、
アルペジオを多用して最初の1コーラスがピアノ・ソロで演奏される「White Christmas」、

続く3曲はピアノ・ソロで、
エルビス・プレスリーを始め多くの歌手や演奏がある「Blue Christmas」、
ナット・キング・コール他、多くの歌手が歌っている「The Christmas Song」、
そしてメロディを忠実に演奏しているクリスマス・キャロルの「A Way in a Manger」、

最終曲の「Silent Night」は、ペデルセンのベースが最初の2コーラスを響きのあるソロで、
楽しいクリスマス・ソング集となっています。

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ラッセル・マローンのライブ盤(CD)

2024-09-22 | JAZZ (CD)
ラッセル・マローンが2005年にニューヨークのクラブで演奏したライブ盤(CD)です。

「LIVE AT JAZZ STANDARD」 MAX JAZZ MXJ604
 
1. MUGSHOT
2. FOR THE LOVE OF YOU
3. THEME FROM GUNSMOKE
4. HOW ABOUT ME
5. DON'T POINT THAT OVER HEAR
6. PLAYGROUND
7. SUGAR BUZZ
RUSSELL MALONE (g) MARTIN BEJERAND (p) 
TASSILI BOND (b) JOHNATHAN BLAKE (ds)
録音 2005年9月9~11日

1曲目は、カッティングで刻む音が心地よい「MUGSHOT」で、メロディを弾く時もコードワークを多用して技巧的な所を披露しており、そのプレイに触発されてバックのピアノ・トリオも好演しています。
シングル・トーンにおけるラッセル・マローンのギター・サウンドは、グラント・グリーンの音質に似ているところがあり、その特徴がよく出ているのは「FOR THE LOVE OF YOU」で、フレーズはよりモダンでしかも軽快です。
西部劇ドラマの主題歌である「THEME FROM GUNSMOKE」は、シンプルにテーマ・メロディを弾いており、アドリブに入ってもその雰囲気を維持したまま10分を超える演奏となっています。
ちなみにこの西部劇は、1955年から1975年まで実に20年間にわたって放送され、西部劇ドラマ最長ロングランを記録しているそうです。

アーヴィング・バーリンが1928年に作詞・作曲した「HOW ABOUT ME」は、多くの歌手が取り上げていますが、マローンはゆったりとしたテンポで歌うようなプレイを披露しています。
続いての「DON'T POINT THAT OVER HEAR」は、全7曲の中では一番フリーな演奏でテンポも自由で、速いフィンガーワークの部分があるかと思えば、ギターとピアノのコール・アンド・レスポンスも交えて演奏が進行していきます。
「PLAYGROUND」は、美しいメロディの中でマローンの絶妙なフレーズが魅力的であり、ピアノ・トリオをバックにアルペジオをも上手く使いながらじっくり聞かせており、最後にプリテンドのメロディの断片で締めくくるという粋な演奏となっています。
「 SUGAR BUZZ」は、締めくくりに相応しい演奏となっていて、アップ・テンポで目にも留まらぬ早さで弾きまくるマローンのフィンガー・ワークが素晴らしく、後半で聞かれるジョナサン・ブレイクの長いドラム・ソロも充実しています。


なお、ラッセル・マローンは、今から丁度5年前のハリウッドのCATALINA JAZZ CLUBで、ロン・カーター・トリオのライブを聴いたことがあり、写真は、そのトリオのライブを聴いた時に、ピアニストのリチャード・ヴェガのプロモートをしているご夫婦に声を掛けて頂いて、ラッセル・マローンと一緒に撮ったものです。



その後、同じメンバーによるロン・カーター・トリオの演奏をここに掲載しています。

そして今回は、手元にある彼の他のアルバム(CD)も聴き直しましたが、上記のライブ盤が良い出来だと感じています。

 

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エリック・アレキサンダーの初期の演奏集(CD)

2024-09-01 | JAZZ (CD)
エリック・アレキサンダーのデルマーク・レーベルに続く、クリス・クロスからのCD(2+1枚)を取り上げてみました。

「In Europe」 CRISS CROSS CRISS 1114     
 
録音 1995年4月10日
この録音前には、オランダのツアーを行っていて、その関係から同地のスタジオで録音されたもので、オルガンはウェス・モンゴメリーとの共演で知られるメルヴィン・ライン、ギターは名手のボビー・ブルーム、そしてドラムスは先のデルマーク盤にも参加していたジョー・ファーンスワースという豪華メンバーで、エリック・アレキサンダーにしては珍しい編成となっています。
デビューから3年、テナー、オルガンとの相性も良く、「What A Difference A Day Made」(縁は異なもの」や、自作の「Trippin’」の様なアップ・テンポにおける演奏や、「Good Morning Heartache」のバラードにおける堂々としたプレイが素晴らしいです。


「Two Of Kind」 CRISS CROSS CRISS 1133

録音 1996年12月15日
ピアニストのデヴィット・ヘイゼルスタイン・トリオをバックに5曲、そして親子ほど違うベテランのセシル・ペイン (bs) を加えてのクインテットによる4曲が収録されています。
エリックの自作で、同じテナーサックス奏者であるエディ・ハリスに捧げた「Mr. Harris」は好演しているし、「Angel Eyes」は、予想に反して優雅なメロディがかき消されてしまうようなアップ・テンポで突っ走っています。
セシル・ペインをフューチャーした「I Can’t Get Started」の他、2人の共演としては、セシル・ペインの作曲による「Kick-A-Poo」がアップ・テンポによる演奏ですが、テーマ部の2人のハモリがかっこよく、最後まで痛快な演奏となっています。


そして、番外編の1枚は、ベーシストのアトロ・ミッコラの自主制作盤への参加アルバムです。

「On The Way」 AMK 1000

録音 1995年10月2日
3曲のスタンダード以外は、リーダーのミッコラによるものですが、演奏の主体はエリック・アレキサンダー・カルテットの様に聞こえます。
その中で、ジョージ・ガーシュインの名曲である「How Long Has This Been Going On?」は、おおらかでゆったりとした吹奏で、大ベテランのような風格さえ感じます。(アイク・ケベックのBlue Note盤「With A Song In My Heart」の中の同曲の演奏を聴いているようです)
リーダーのミッコラは、エリントン・ナンバーの「In A Sentimental Mood」においてヴォーイングでメロディを、続くピアノをバックにピチカット~テンポを早めて再びヴォーイングで絶妙なソロを取っていてこれまた名演です。(ここでのエリックはお休みです)

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Haewon MOONの歌の再現

2024-08-07 | JAZZ (CD)
先日のインターナショナルオーディオショウのアキュフェーズのブースで聴いた韓国のHaewon Moon (ヘウォン・ムーン 文慧媛)の歌とJBL4349から出てくる音に惚れ惚れしたので、自宅の装置で聴いてみようと思いCDを購入ました。

「MIDNIGHT SUN」 SOMETHINCOOL SCOL - 1072
 

我が家の再生装置は、プリメインアンプがMclntosh MA6900、CDプレイヤーがPioneer PD - 70AE、スピーカーがJBL S4600です。



「MOON Haewon with 山本剛」のCDについて、最初に会場で音出ししていた「 I Let a Song Go Out of My Heart」を聴いてみましたが、我が家の装置では会場で聴いたほどのカチットしまった音のインパクトはありませんでした。
しかし、ヴォーカルは特有の暖かさがあり、バックのベース音の再生と共にこれはこれで満足でした。
また、2曲目の「Midnight Sun」は、ピアノとのデュオで歌詞を大事に歌っており、続く「In The Middle of a Kiss」も同じ雰囲気で続いていました。
「Autumn Leaves」になると、MOONは歌詞を崩して自分のペースとしていて、山本剛の十八番の「Misty」ではストレートに歌っていて、ここでの山本は何時ものペースでトレモロを使い、中間部ではイパネマの娘の数小節を入れたりで余裕たっぷりの演奏となっていました。
「Send in the Clowns」はミュージカルからの曲で、MOONの歌い上げが見事な1曲ですが、一方で、ジュディ・コリンズの歌や、フランク・シナトラがギターを伴奏に歌うのも良いです。

アップ・テンポによる「I Didn'T Know What Time It Was」は、ピアノトリオがしっかりとバックを務めていますが、大半の曲では、MOONのリラックスした歌声と山本剛のピアノを中心としたデュオ部分が多いアルバムとなっていて、英語の発音は、生粋のアメリカンと言うよりは日本人の多くの歌手が歌うイントネーションに似ていて、またそれが私にとってはなじみやすく聞こえました。

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チェット・ベイカーが一番好きだったという演奏集(CD)

2024-03-28 | JAZZ (CD)
雑誌、ジャズ批評の中でのヒロ川嶋氏によると、チェット・ベイカ―自身が最も好きなアルバムだそうで、このアルバム(CD)を取り上げて見ました。

「Broken Wing」 EmArcy UCCM 3003
 
1. Broken Wing
2. Beautiful Black Eyes
3. Oh You Crazy Moon
4. How Deep Is The Ocean
5. Blue Gilles
6. Beautiful Black Eyes (2 takes)
7. How Deep Is The Ocean (2 takes)
Chet Baker (tp, vo) Phil Markowitz (p) Jean-F-Jenny-Clark (b) Jeff Brillinger (ds)
録音 1978年12月28日

アルバムのタイトルとなっている「 Broken Wing」はミュートによる演奏で、ピアニストのフィル・マーコウィッツの端正なピアノが、チェットのミュート・プレイにうまく合致しています。
続く「Beautiful Black Eyes」は、彼が亡くなるまでに幾度もレコーディングしている曲ですが、こちらはジャン・F・ジェニー・クラークのズシーンと響くベースが全体を支配しており、陰影を付けた演奏で素晴らしいです。
「Oh You Crazy Moon」は最初と最後の夫々1コーラスを歌たっていますが、後半のコーラスはスキャットを織り交ぜながらの好演で、中間部のピアノ・トリオの演奏はここだけでも一聴の価値があります。
スタンダードが2曲並べられていますが、ミディアム・テンポで軽快に演奏される「 How Deep Is The Ocean」は、チェットのラッパが淡々とメロディを吹く中で、ドラマーのビートがより強調され演奏を鼓舞しており、後半ではジェニー・クラークのピチピチと歯切れの良いベース・ソロと、ドラムスのソロが挿入されています。
「Blue Gilles」はゆったりしたテンポで、チェットのオープン・トランペットによる演奏が奥深さを感じるし、続くピアノとベースのソロもじっくり聴くことが出来ます。

聴き終わっての感想ですが、バックのサポートも良く、チェットのミュート、オープンのラッパと、ヴォーカルが良い出来である演奏集です。

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チェット・ベイカーの諸作を聴く(SEPTEMBER SONGの続き CD)

2024-03-13 | JAZZ (CD)
前回掲載した「SEPTEMBER SONG」ですが、併せて同時期のセッションにおける他の2枚(CD)を取り上げました。

1枚目は、パリでのライブ録音です。
「LIVE AT NEW MORNING」Marshmallow (Century Records CECC 00420)

1. OUT OF NOWHERE(11分20秒)
2. MY FUNNY VALENTINE(12分48秒)
3. I REMEMBER YOU(10分55秒)
4. NEW MORNING BLUES(7分27秒でフェード・アウト)
Chet Baker (tp) Duke Jordan (p) Jesper Lundgaard (b) Leo Mitchell (ds)
録音 1983年11月24日

3枚の中では唯一ドラムスが加わっていることから、「OUT OF NOWHERE」や「NEW MORNING BLUES」の演奏において、よりリズミックで躍動感が感じられるところは良いのですが、少しラフな録音となっていて、ピアノは奥に引っ込んでいるし、ドラムスの音が少し大きく、4人のバランスが余り良くないのが残念です。
ピアノ・トリオの伴奏によりヴォーカルでスタートする「MY FUNNY VALENTINE」は、マイクから遠いこともあり、しょぼくれた弱々しい声で1コーラスを歌っており、続くデューク・ジョーダンのピアノ・ソロもチェットの歌に引きずられたように、ジョーダンらしからぬしんみりとしたフレーズで続いています。
その中で、イェスパー・ルンゴーのベース・ソロが光っており、後半はチェットがこれまた弱々しいラッパで締めくくっています。
続く「I REMEMBER YOU」も、チェットはヴォーカルでスタートしますが、スキャットを交えながらの声は早めのテンポで、まずまずの内容になっており、続くジョーダン、イェスパーのソロ順序も同じですが、チェット抜きのピアノ・トリオ演奏が良いです。


下は、3枚の中で最後となるオランダのクラブでの収録アルバムです。
「STAR EYES」 Marshmallow MYCJ-30090

1. WALKIN(13分15秒)
2. SOLAR(12分05秒)
3. STAR EYES(18分45秒)
Chet Baker (tp) Duke Jordan (p) Jesper Lundgaard (b)
録音 1983年11月28日

チェット・ベイカーにしては手慣れた選曲で、演奏時間はいずれも10分を超えており、この日の演奏はチェットのラッパが一番良く鳴っていることから、体調も良かったのだと思われます。
相方を務めるデューク・ジョーダンも何時になくハードなタッチで好演しており、3人がソロを取る度に聴衆が沸くところが捉えられています。
「WALKIN」でのチェットは、最初のテーマ部でミストーンもありますが、次々と繰り出すフレーズで6分近くを一気に吹ききっており、「STAR EYES」でも、テーマの後と、ピアノ、ベースの後のソロを合わせると11分を超えるワンマンショーを展開しています。
また「STAR EYES」は、ジョーダンが4小節のイントロを弾いた後チェットの出番となりますが、中間部もパラパラとスケールを淀みなく吹いており、ジョーダンはチャーリー・パーカーと演っていた時代のようなフレーズも出てきて、当日の3曲の中では一番張り切っているように感じられます。
また、イェスパー・ルンゴーのベースも骨太の音で2人を支えており、3曲共にソロも充実しています。

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