第130回はジョー・ニューマンの「グッド・グルーヴィ」です。
「GOOD “N” GROOVY」 SWINGVILLE SV 2019

1. A.M.ROMP
2. LI′L DARLIN′
3. MO-LASSES
4. TO RIGMOR
5. JUST SQUEEZE ME
6. LOOP-D-LOOP
JOE NEWMAN(tp) FRANK FOSTER(ts)
TOMMY FLANAGAN(p) EDDIE JONES(b) BILLY ENGLISH(ds)
録音 1961年3月17日
ジョー・ニューマンが、カウント・ベイシー楽団の盟友であるフランク・フォスターを迎え、トミー・フラナガンを始めとした確実なリズム陣を従えて作ったアルバムです。
プレステッジ傍系のスイングビルにも、この様なハード・バップの演奏集があり、実力者揃いのプレイは完成度も高く、聴きごたえ十分です。
1曲目のブルース「A.M.ROMP」は、ニューマンとフォスターの2管によるリフでテーマが提示され、その後のフラナガンの長いピアノ・ソロは、何時にも増してスイングしています。
続いてフォスターのサックス・ソロがあり、後半のニューマンは、ミュートを付けての演奏となります。
ニューマンのミュート・プレイは、4曲目の「JUST SQUEEZE ME」も同様で、マイルスのそれと比べても中々のものだと思います。
2曲目の「 LI′L DARLIN′」、及び4曲目の「TO RIGMOR」は共にスロー・バラードで、ニューマンの歌心あるトランペットと、その後ろを受け持つフラナガンのピアノが絶妙なバランスで心地よく、それにイングリッシュの4つを刻むブラシが効果的です。
3曲目の「MO-LASSES」もブルースですが、ジョーンズのベースによるイントロを受けてテーマが提示され、ソロはフォスターが担当し、ここではブローを交えて思いっきりの力演を披露しています。
また一方でフォスターは、スローな曲においてはソフトで情感たっぷりに歌っています。
このアルバムは、ベイシーの十八番と、エリントンの名曲も加えて変化もあり、メンバーにも恵まれて演奏良しの1枚です。
「GOOD “N” GROOVY」 SWINGVILLE SV 2019



1. A.M.ROMP
2. LI′L DARLIN′
3. MO-LASSES
4. TO RIGMOR
5. JUST SQUEEZE ME
6. LOOP-D-LOOP
JOE NEWMAN(tp) FRANK FOSTER(ts)
TOMMY FLANAGAN(p) EDDIE JONES(b) BILLY ENGLISH(ds)
録音 1961年3月17日
ジョー・ニューマンが、カウント・ベイシー楽団の盟友であるフランク・フォスターを迎え、トミー・フラナガンを始めとした確実なリズム陣を従えて作ったアルバムです。
プレステッジ傍系のスイングビルにも、この様なハード・バップの演奏集があり、実力者揃いのプレイは完成度も高く、聴きごたえ十分です。
1曲目のブルース「A.M.ROMP」は、ニューマンとフォスターの2管によるリフでテーマが提示され、その後のフラナガンの長いピアノ・ソロは、何時にも増してスイングしています。
続いてフォスターのサックス・ソロがあり、後半のニューマンは、ミュートを付けての演奏となります。
ニューマンのミュート・プレイは、4曲目の「JUST SQUEEZE ME」も同様で、マイルスのそれと比べても中々のものだと思います。
2曲目の「 LI′L DARLIN′」、及び4曲目の「TO RIGMOR」は共にスロー・バラードで、ニューマンの歌心あるトランペットと、その後ろを受け持つフラナガンのピアノが絶妙なバランスで心地よく、それにイングリッシュの4つを刻むブラシが効果的です。
3曲目の「MO-LASSES」もブルースですが、ジョーンズのベースによるイントロを受けてテーマが提示され、ソロはフォスターが担当し、ここではブローを交えて思いっきりの力演を披露しています。
また一方でフォスターは、スローな曲においてはソフトで情感たっぷりに歌っています。
このアルバムは、ベイシーの十八番と、エリントンの名曲も加えて変化もあり、メンバーにも恵まれて演奏良しの1枚です。
これはリチャード・デイビスの数少ないリーダー・アルバムで、モンクとパーカーの代表曲が収められており、ライブということから片面1曲の長尺演奏集です。
「EPISTROPHY & NOW′S THE TIME」 MUSE MR 5002

1. EPISTROPHY
2. NOW′S THE TIME
RICHARD DAVIS(b) CRIFFORD JORDAN(ts) MARVIN PETERSON(tp)
JOE BONNER(p) FREDDIE WAITS(ds)
録音 1972年9月7日
「EPISTROPHY」は、ベース・ソロからスタートし、テナーがテーマを提示した後はピアノ・トリオとしてフリーな演奏となり、徐々に熱くなったところで再びテナーが絡んでいきます。
それに続くマービン・ピーターソンは、お得意のハイ・ノートを駆使し後半では至上の愛の1節もでてきます。
続くジョー・ボナーのピアノ・ソロは、フリー・リズムによる独特なもので、そのムードが全員の演奏に受け継がれた後、テーマに戻っています。
裏面の「NOW′S THE TIME」は、ビ・バップの代表曲の一つですが、ここではモード的な感覚の演奏となっています。
ソロは、ドラムス → テナー → トランペット → ベースの順で受け継がれ、ベース・ソロの後ろでは管楽器奏者が色々な小道具に持ち替え、その後は、全員が楽器を離れて声だけのパフォーマンスを繰り広げ、テーマから再びドラム・ソロへと戻っていきます。
このアルバムの注目度No.1は、リーダーのリチャード・デイビスではなくテナー・サックスのクリフォード・ジョーダンで、彼のプレイは、ブルーノート時代とは異なり、新主流派の一人と呼ばれたジョー・ヘンダーソンかと思われるような図太い音で、時にはフリーキィな音も散りばめており、変身マンとなっています。
この2曲は、共に各プレイヤーの熱気が伝わってくる内容であり、アルバムの裏面にある「Call it free, avant-garde, new thing, modern, whatever」のコメントが正にこの日の演奏を表しており、当夜のライブが他にも記録として残っているならば、ぜひ聴いてみたいと思うのですが。
「EPISTROPHY & NOW′S THE TIME」 MUSE MR 5002



1. EPISTROPHY
2. NOW′S THE TIME
RICHARD DAVIS(b) CRIFFORD JORDAN(ts) MARVIN PETERSON(tp)
JOE BONNER(p) FREDDIE WAITS(ds)
録音 1972年9月7日
「EPISTROPHY」は、ベース・ソロからスタートし、テナーがテーマを提示した後はピアノ・トリオとしてフリーな演奏となり、徐々に熱くなったところで再びテナーが絡んでいきます。
それに続くマービン・ピーターソンは、お得意のハイ・ノートを駆使し後半では至上の愛の1節もでてきます。
続くジョー・ボナーのピアノ・ソロは、フリー・リズムによる独特なもので、そのムードが全員の演奏に受け継がれた後、テーマに戻っています。
裏面の「NOW′S THE TIME」は、ビ・バップの代表曲の一つですが、ここではモード的な感覚の演奏となっています。
ソロは、ドラムス → テナー → トランペット → ベースの順で受け継がれ、ベース・ソロの後ろでは管楽器奏者が色々な小道具に持ち替え、その後は、全員が楽器を離れて声だけのパフォーマンスを繰り広げ、テーマから再びドラム・ソロへと戻っていきます。
このアルバムの注目度No.1は、リーダーのリチャード・デイビスではなくテナー・サックスのクリフォード・ジョーダンで、彼のプレイは、ブルーノート時代とは異なり、新主流派の一人と呼ばれたジョー・ヘンダーソンかと思われるような図太い音で、時にはフリーキィな音も散りばめており、変身マンとなっています。
この2曲は、共に各プレイヤーの熱気が伝わってくる内容であり、アルバムの裏面にある「Call it free, avant-garde, new thing, modern, whatever」のコメントが正にこの日の演奏を表しており、当夜のライブが他にも記録として残っているならば、ぜひ聴いてみたいと思うのですが。
これは、モダンジャズ・クラシックという副題がついていて、マーティ・ぺイチの粋なアレンジにより、多くのジャズメンのオリジナル作品を、アート・ペッパーのアドリブとオーケストラの妙を聴くことができます。
「ART PEPPER + ELEVEN」 CONTEMPORARY S7568

1. MOVE
2. GROOVIN′ HIGH
3. OPUS DE FUNK
4. ′ROUND MIDNIGHT
5. FOUR BROTHERS
6. SHAWNUFF
7. BERNIE′S TUNE
8. WALKIN′ SHOES
9. ANTHROPOLOGY
10. AIRGIN
11. WALKIN′
12. DONNA LEE
ART PEPPER(as)
PETE CANDOLI, JACK SHELDON, AL PORCINO(tp)
HERB GELLER, BUD SHANK(as)
BOB ENEVOLDSEN, BILL PERKINS(ts) MED FLORY(bs)
DICK NASH(tb) VINCE DE ROSA(Frh)
RUSS FREEMAN(p) JOE MONDRAGON(b) MEL LEWIS(ds)
録音 1959年5月12日
今から丁度60年前の録音で、1曲当たり3分程度の短い演奏集ですが、ステレオ盤による部屋中広がる音の洪水が楽しめます。
アート・ペッパーは、アルト・サックスの他、テナー・サックスとクラリネットも使用していて、A面の「MOVE」や、軽快な「FOUR BROTHERS」、そしてB面の「WALKIN′」でのテナー・サックスによるソロは、楽器を変えてもアルトを吹いているがの如くのフレーズです。
ウエストの達人達が支える数々のナンバーは、いずれも過去に聴いたことのあるなじみの曲ばかりで、スイング感溢れる演奏の数々ですが、私の好みは、ペッパーとビックバンドとの掛け合いがより絶妙な「BERNIE′S TUNE」から始まるB面で、クラリネットで演奏する「ANTHROPOLOGY」も一聴の価値があります。
このアルバムでのペッパーは、大編成のバンドにおいてもコンボ演奏と同様で、特徴あるアクセントとトーンでグイグイ押していくところが凄いです。
「ART PEPPER + ELEVEN」 CONTEMPORARY S7568



1. MOVE
2. GROOVIN′ HIGH
3. OPUS DE FUNK
4. ′ROUND MIDNIGHT
5. FOUR BROTHERS
6. SHAWNUFF
7. BERNIE′S TUNE
8. WALKIN′ SHOES
9. ANTHROPOLOGY
10. AIRGIN
11. WALKIN′
12. DONNA LEE
ART PEPPER(as)
PETE CANDOLI, JACK SHELDON, AL PORCINO(tp)
HERB GELLER, BUD SHANK(as)
BOB ENEVOLDSEN, BILL PERKINS(ts) MED FLORY(bs)
DICK NASH(tb) VINCE DE ROSA(Frh)
RUSS FREEMAN(p) JOE MONDRAGON(b) MEL LEWIS(ds)
録音 1959年5月12日
今から丁度60年前の録音で、1曲当たり3分程度の短い演奏集ですが、ステレオ盤による部屋中広がる音の洪水が楽しめます。
アート・ペッパーは、アルト・サックスの他、テナー・サックスとクラリネットも使用していて、A面の「MOVE」や、軽快な「FOUR BROTHERS」、そしてB面の「WALKIN′」でのテナー・サックスによるソロは、楽器を変えてもアルトを吹いているがの如くのフレーズです。
ウエストの達人達が支える数々のナンバーは、いずれも過去に聴いたことのあるなじみの曲ばかりで、スイング感溢れる演奏の数々ですが、私の好みは、ペッパーとビックバンドとの掛け合いがより絶妙な「BERNIE′S TUNE」から始まるB面で、クラリネットで演奏する「ANTHROPOLOGY」も一聴の価値があります。
このアルバムでのペッパーは、大編成のバンドにおいてもコンボ演奏と同様で、特徴あるアクセントとトーンでグイグイ押していくところが凄いです。
これは、ジョニー・ハートマンが、アンドリュー・ヒル・トリオをバックに歌っている珍しいレコードで、1961年のセントルイスのクラブでのライブです。
「Sittin′ in With」 VGM 0011

1. SOMEBODY LOVES ME
2. STELLA BY STARLIGHT
3. ANDREW GROOVES Ⅰ
4. YOU CAME A LONG WAY FROM ST. LOUIS
5. MISTY
6. ANDREW GROOVES Ⅱ
JOHNNY HARTMAN(vo) ANDREW HILL(p) JOHN MIXON(b) GENE GAMMAGE(ds)
録音 1961年夏 Gas Light Square
ジョニー・ハートマンには、インパルス・レコードにコルトレーンとの共演盤(1963年3月録音)がありますが、このアルバムはその凡そ2年前のもので、ラフな音撮りですが録音状態が良く、オン・マイクということもあり、ハートマンの声が非常に生々しく捉えられていて、クルーナーとしてのベルベット・ヴォイスを存分に味わえます。
ハートマンのレコーディングとしては、上記のインパルス盤と1959年1月録音の「And I Thought About You」(Roost)の間を埋めるものですが、ディスコグラフィーには載っていませんでした。
一方のアンドリュー・ヒルは、1955年頃に録音された「SO IN LOVE」(WARWICK)が初録音とされており、そこでのプレイ・スタイルは、エロール・ガーナーやアーマド・ジャマルが顔を出していました。
その後の公式録音は、8年後のブルーノート・レコードの「BLACK FIRE」(1963年11月録音)となるため、今回の掲載盤は、その間に録音されていることになります。
ローカル盤らしく、レコードの表裏の編集はクレジットと異なるところがあり、それはそれでご愛敬ですが、コルトレーンとの共演盤を彷彿とさせるハートマンのヴォーカルと、若干24歳のアンドリュー・ヒルが弾くフレーズは、かなり新しくはなってきているものの、ブルーノート時代の諸作品に聴かれるようなセロニアスモンクからの影響は、まだありません。
ヒルは、ダイナ・ワシントンの歌伴奏を務めた経験もあることから、ハートマンのバックも無難にこなしていて、歌伴奏とピアノ・プレイも楽しめる1枚となっています。
「Sittin′ in With」 VGM 0011



1. SOMEBODY LOVES ME
2. STELLA BY STARLIGHT
3. ANDREW GROOVES Ⅰ
4. YOU CAME A LONG WAY FROM ST. LOUIS
5. MISTY
6. ANDREW GROOVES Ⅱ
JOHNNY HARTMAN(vo) ANDREW HILL(p) JOHN MIXON(b) GENE GAMMAGE(ds)
録音 1961年夏 Gas Light Square
ジョニー・ハートマンには、インパルス・レコードにコルトレーンとの共演盤(1963年3月録音)がありますが、このアルバムはその凡そ2年前のもので、ラフな音撮りですが録音状態が良く、オン・マイクということもあり、ハートマンの声が非常に生々しく捉えられていて、クルーナーとしてのベルベット・ヴォイスを存分に味わえます。
ハートマンのレコーディングとしては、上記のインパルス盤と1959年1月録音の「And I Thought About You」(Roost)の間を埋めるものですが、ディスコグラフィーには載っていませんでした。
一方のアンドリュー・ヒルは、1955年頃に録音された「SO IN LOVE」(WARWICK)が初録音とされており、そこでのプレイ・スタイルは、エロール・ガーナーやアーマド・ジャマルが顔を出していました。
その後の公式録音は、8年後のブルーノート・レコードの「BLACK FIRE」(1963年11月録音)となるため、今回の掲載盤は、その間に録音されていることになります。
ローカル盤らしく、レコードの表裏の編集はクレジットと異なるところがあり、それはそれでご愛敬ですが、コルトレーンとの共演盤を彷彿とさせるハートマンのヴォーカルと、若干24歳のアンドリュー・ヒルが弾くフレーズは、かなり新しくはなってきているものの、ブルーノート時代の諸作品に聴かれるようなセロニアスモンクからの影響は、まだありません。
ヒルは、ダイナ・ワシントンの歌伴奏を務めた経験もあることから、ハートマンのバックも無難にこなしていて、歌伴奏とピアノ・プレイも楽しめる1枚となっています。