第17回はホレス・パーランの「アス・スリー」です。
ホレス・パーラン(Horace Parlan) 1931年1月19日 - ペンシルヴァニア州ピッツバーグ生まれ
ホレス・パーランは幼いころ小児マヒを患い、右手の一部が不自由というハンディを逆手にとって、独自のピアノ・スタイルを生み出しました。
1957年にニューヨークに進出してからは、チャールス・ミンガスのジャズ・ワークショップに参加して、ブッカー・アービンと共に活躍し、アービンの死後、彼に捧げた「ラメント・フォー・ブッカー・アービン」という曲をピアノ・ソロで録音しています。(ドイツのenjaレーベル)
1960年2月にブルー・ノート・レーベル(BN) に初リーダー・アルバムを吹き込んだ後は、本アルバムの3人で、ミントンズ・プレイ・ハウスのハウス・バンドを務め、その後、ローランド・カークとの共演を経て、1973年からはコペンハーゲンに定住しています。
地元のステープル・チェース・レーベルでは、ピアノ・トリオの他、アーチー・シェップとの録音も残していますが、ここに挙げた3人のサックス奏者は、いずれも強烈な個性の持ち主です。
その彼らと共演できる数少ないピアニストの一人でもあります。(ジャッキー・バイヤードもそうです)
日本には、1988年の第3回マウント・フジ・ジャズ・フェスティヴァルに出演するため来日しています。
「US THREE」 BLUE NOTE 4037
1. US THREE
2. I WANT TO BE LOVED
3. COME RAIN OR COME SHINE
4. WADIN’
5. THE LADY IS A TRAMP
6. WALKIN’
7. RETURN ENGAGEMENT
HORACE PARLAN(p) GEORGE TUCKER(b) AL HAREWOOD(ds) 録音 1960年4月20日
ホレス・パーランは、BN に7枚のリーダー・アルバムを残していますが、このアス・スリーは1作目に続くピアノ・トリオ作品で、彼の代表的作品であるばかりでなく、全ピアノ・トリオ作品の中でも名盤と称されている内の1枚です。
最初のリーダー・アルバムでは、サム・ジョーンズがベースを担当していましたが、強烈な個性のジョージ・タッカーに代わったことで、一際印象の強い内容となり、最初の曲からその真価が発揮されます。
その1曲目は、冒頭にベースの導入部があり、何かが起こりそうなピアノのイントロと共に、アル・ヘアウッドのブラシが加わります。
その後、アップ・テンポの4ビートに移ってからは、タッカーのウォーキング・ベースがものすごい音圧でビートを刻み、弦の振動がスピーカーを通してダイレクトに伝わってきます。
そこにパーランのシングル・トーンが絡み、全速力で突っ走るような4分32秒間となります。
2曲目は一転して、サヴァナ・チャーチルの書いたバラードで、パーランのシングル・トーンに加え、ヘア・ウッドのブラシと、その裏できっちりと2・4拍目を刻むハイ・ハットのバランスが絶妙です。
全体を通して、パーランは右手のハンディを全く感じさせませんし、ベースのタッカーは最後まで強烈な個性を発揮し、ドラムも絶妙なサポートを繰り広げていて、全7曲ダレることなく一気に聴き通せる素晴らしいアルバムだと思います。
なお、オリジナルはモノラル盤ですが、45回転の2枚組LP(Music Matters / Stereo)も、RVGがリマスタリングしたCD(東芝 TOCJ-9020/Stereo)も、それなりに納得できる「音」です。
ホレス・パーラン(Horace Parlan) 1931年1月19日 - ペンシルヴァニア州ピッツバーグ生まれ
ホレス・パーランは幼いころ小児マヒを患い、右手の一部が不自由というハンディを逆手にとって、独自のピアノ・スタイルを生み出しました。
1957年にニューヨークに進出してからは、チャールス・ミンガスのジャズ・ワークショップに参加して、ブッカー・アービンと共に活躍し、アービンの死後、彼に捧げた「ラメント・フォー・ブッカー・アービン」という曲をピアノ・ソロで録音しています。(ドイツのenjaレーベル)
1960年2月にブルー・ノート・レーベル(BN) に初リーダー・アルバムを吹き込んだ後は、本アルバムの3人で、ミントンズ・プレイ・ハウスのハウス・バンドを務め、その後、ローランド・カークとの共演を経て、1973年からはコペンハーゲンに定住しています。
地元のステープル・チェース・レーベルでは、ピアノ・トリオの他、アーチー・シェップとの録音も残していますが、ここに挙げた3人のサックス奏者は、いずれも強烈な個性の持ち主です。
その彼らと共演できる数少ないピアニストの一人でもあります。(ジャッキー・バイヤードもそうです)
日本には、1988年の第3回マウント・フジ・ジャズ・フェスティヴァルに出演するため来日しています。
「US THREE」 BLUE NOTE 4037
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/22/e0/88b6ae8ae1d3444857ff9747d5ac924c_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/63/9e/7d787408e9d1fba6e6e99691fecd7d74_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/79/33/f90c061ec746bf66f4a117ca0fb7f762_s.jpg)
1. US THREE
2. I WANT TO BE LOVED
3. COME RAIN OR COME SHINE
4. WADIN’
5. THE LADY IS A TRAMP
6. WALKIN’
7. RETURN ENGAGEMENT
HORACE PARLAN(p) GEORGE TUCKER(b) AL HAREWOOD(ds) 録音 1960年4月20日
ホレス・パーランは、BN に7枚のリーダー・アルバムを残していますが、このアス・スリーは1作目に続くピアノ・トリオ作品で、彼の代表的作品であるばかりでなく、全ピアノ・トリオ作品の中でも名盤と称されている内の1枚です。
最初のリーダー・アルバムでは、サム・ジョーンズがベースを担当していましたが、強烈な個性のジョージ・タッカーに代わったことで、一際印象の強い内容となり、最初の曲からその真価が発揮されます。
その1曲目は、冒頭にベースの導入部があり、何かが起こりそうなピアノのイントロと共に、アル・ヘアウッドのブラシが加わります。
その後、アップ・テンポの4ビートに移ってからは、タッカーのウォーキング・ベースがものすごい音圧でビートを刻み、弦の振動がスピーカーを通してダイレクトに伝わってきます。
そこにパーランのシングル・トーンが絡み、全速力で突っ走るような4分32秒間となります。
2曲目は一転して、サヴァナ・チャーチルの書いたバラードで、パーランのシングル・トーンに加え、ヘア・ウッドのブラシと、その裏できっちりと2・4拍目を刻むハイ・ハットのバランスが絶妙です。
全体を通して、パーランは右手のハンディを全く感じさせませんし、ベースのタッカーは最後まで強烈な個性を発揮し、ドラムも絶妙なサポートを繰り広げていて、全7曲ダレることなく一気に聴き通せる素晴らしいアルバムだと思います。
なお、オリジナルはモノラル盤ですが、45回転の2枚組LP(Music Matters / Stereo)も、RVGがリマスタリングしたCD(東芝 TOCJ-9020/Stereo)も、それなりに納得できる「音」です。