今年1月に84歳で亡くなったウォルフガング・ダウナーの初期のピアノ・トリオの傑作
「DREAM TALK」 (CBS 62478)

1. DAMMERUNG
2. FREE FALL
3. YESTERDAYS
4. ZEHN NOTIZEN
5. SOUL EYES
6. BIRD FOOD
7. A LONG NIGHT
8. DREAM TALK
WOLFGANG DAUNER(p) EBERHARD WEBER(b) FRED BRACEFUL(ds)
録音 1964年9月14日
ヨーロッパの貴重な音源を次々に販売に繋げて注目を集めた澤野商会により、これもCDで再発されやっと聴くことが出来るようになったと思ったら、今度はLPでも発売されたことで、早速購入した想い出の1枚です。

元はと言えば独CBSからのリリースでしたが、版権の関係でロゴマークが使えないことで、その点は目を瞑るとして、LPで聴きたかった(持っていたかった)アルバムです。
最初のアルバム「ジャズ・スタジオH.G.B.S. No.1」に続いてレコーディングされたこの「DREAM TALK」は、「MUSIC ZOUNDS」と共にウォルフガング・ダウナーの代表作となるもので、ここでは彼の硬質なピアノ・タッチと斬新なハーモニーが上手く生かされています。
また、エバーハルト・ウェーバーのウッド・ベース音と、フレッド・ブラセフルのブラシを中心とした切れのあるドラミングのバランスも良く、何度聴いても飽きないアルバムです。
後年はロックやフリーに傾倒し、サウンドも大きく変化していきますが、ここでは、オーネット・コールマンや、マル・ウォルドロンの他、ジェローム・カーンのスタンダード曲も織り交ぜながらの純粋なジャズ・ピアノ・トリオとなっています。
デビュー当初のダウナーは、ビル・エバンスの影響を受けていたようで、1曲目の「DAMMERUNG 」の出だし等は正にエバンスそのものですが、自身のオリジナルである「FREE FALL」になるとセシル・テイラーの影も感じるようになります。
一方、スタンダードの「 YESTERDAYS」は、曲の最初と最後にメロディーの断片を散りばめたり、マル・ウォルドロンの「SOUL EYES」では美しいタッチの小品として弾ききっています。
続くオーネット・コールマンの「BIRD FOOD」は、このアルバムのハイライトの一つで、ゴツゴツ感のあるテーマの後を、リズミックでテンポが良いミディアム・ファーストの4ビートで処理していて、ウッド・ベースとドラムスのきめ細やかなサポートも効いています。
スロー・テンポで演奏される「A LONG NIGHT」は、曲のイメージが膨らむ1曲で、これがアルバム全体のバランスを考慮した演奏となっているようにも感じます。
アルバム・タイトルにもなっている「DREAM TALK」は、ベースとドラムスのタムタムを中心とした導入部のパターンが雰囲気を保ったまま最後まで持続しており、これにピアノが上手く被る演奏となっています。
全曲を通して、ドイツ人らしい硬質のピアノタッチと斬新なハーモニーで、時折見せるフリージャズの片鱗をのぞかせる緊張感あるプレイが展開されていますが、このアルバムの価値を高めているのはパートナーのベースとドラムスのサポートによるところが大きいと思います。
「DREAM TALK」 (CBS 62478)



1. DAMMERUNG
2. FREE FALL
3. YESTERDAYS
4. ZEHN NOTIZEN
5. SOUL EYES
6. BIRD FOOD
7. A LONG NIGHT
8. DREAM TALK
WOLFGANG DAUNER(p) EBERHARD WEBER(b) FRED BRACEFUL(ds)
録音 1964年9月14日
ヨーロッパの貴重な音源を次々に販売に繋げて注目を集めた澤野商会により、これもCDで再発されやっと聴くことが出来るようになったと思ったら、今度はLPでも発売されたことで、早速購入した想い出の1枚です。


元はと言えば独CBSからのリリースでしたが、版権の関係でロゴマークが使えないことで、その点は目を瞑るとして、LPで聴きたかった(持っていたかった)アルバムです。
最初のアルバム「ジャズ・スタジオH.G.B.S. No.1」に続いてレコーディングされたこの「DREAM TALK」は、「MUSIC ZOUNDS」と共にウォルフガング・ダウナーの代表作となるもので、ここでは彼の硬質なピアノ・タッチと斬新なハーモニーが上手く生かされています。
また、エバーハルト・ウェーバーのウッド・ベース音と、フレッド・ブラセフルのブラシを中心とした切れのあるドラミングのバランスも良く、何度聴いても飽きないアルバムです。
後年はロックやフリーに傾倒し、サウンドも大きく変化していきますが、ここでは、オーネット・コールマンや、マル・ウォルドロンの他、ジェローム・カーンのスタンダード曲も織り交ぜながらの純粋なジャズ・ピアノ・トリオとなっています。
デビュー当初のダウナーは、ビル・エバンスの影響を受けていたようで、1曲目の「DAMMERUNG 」の出だし等は正にエバンスそのものですが、自身のオリジナルである「FREE FALL」になるとセシル・テイラーの影も感じるようになります。
一方、スタンダードの「 YESTERDAYS」は、曲の最初と最後にメロディーの断片を散りばめたり、マル・ウォルドロンの「SOUL EYES」では美しいタッチの小品として弾ききっています。
続くオーネット・コールマンの「BIRD FOOD」は、このアルバムのハイライトの一つで、ゴツゴツ感のあるテーマの後を、リズミックでテンポが良いミディアム・ファーストの4ビートで処理していて、ウッド・ベースとドラムスのきめ細やかなサポートも効いています。
スロー・テンポで演奏される「A LONG NIGHT」は、曲のイメージが膨らむ1曲で、これがアルバム全体のバランスを考慮した演奏となっているようにも感じます。
アルバム・タイトルにもなっている「DREAM TALK」は、ベースとドラムスのタムタムを中心とした導入部のパターンが雰囲気を保ったまま最後まで持続しており、これにピアノが上手く被る演奏となっています。
全曲を通して、ドイツ人らしい硬質のピアノタッチと斬新なハーモニーで、時折見せるフリージャズの片鱗をのぞかせる緊張感あるプレイが展開されていますが、このアルバムの価値を高めているのはパートナーのベースとドラムスのサポートによるところが大きいと思います。