第190回はレッド・ロドニーが1955年にシカゴのユニヴァーサル・スタジオで録音したクインテットのアルバムです。
「MODERN JAZZ FROM CHICAGO」 Fantasy 3-208
1. Taking A Chance On Love
2. Dig
3. Red Is Blue
4. Clap Hands, Hear Comes Charley
5. On Mike
6. The Song Is You
7. You And The Night And The Music
8. Laura
9. Hail To Dale
10. Jeffie
11. Rhythm In A Riff
12. Daddy-O
Red Rodney (tp) Ira Sullivan (ts, tp) Norman Simmons (p) Victor Sproles (b) Roy Hayes (ds)
録音 1955年6月
この録音当時、既に薬物にドップリと浸かっていて、しばしば演奏活動が中断されていましたが、その合間を縫って数回の録音が行われていますが、そのいずれもが名演集であり、その中で時々取り出して聴いているこのアルバムを取り上げました。
2管によるクインテットの演奏で、相方を務めるアイラ・サリヴァンは曲によってトランペットとテナーサックスを使い分けており、「On Mike」では2本のトランペットによるバトル演奏を聴くことが出来ます。
1曲目の「Taking A Chance On Love」は、テーマの前に8小節のイントロを追加しており、トランペット、テナーサックス、ピアノが順次ソロを取ってテーマに返すパターンの典型的なハードバップです。
「Red Is Blue」は、8小節に渡るベースの独特なリズム・パターンを経た後、レッド・ロドニーがテーマ部をミュートで演奏していますが、ちょっとミステリアスな雰囲気を持った曲想で、アイラ・サリヴァンのテナーに移ってからは開放的となり、中間部ではレッドもオープン・トランペットで柔らかくて明るい音色に替わっています。
「Clap Hands, Hear Comes Charley」は、ベースを除く4人がそれぞれ交互にソロを取りますが、特にアイラ・サリヴァンのテナーとロイ・ヘインズのドラムスが見事な演奏を展開しています。
また、次の2曲はアイラ・サリバンを除く4人の演奏となっていて、「The Song Is You」は、レッド・ロドニーのソフトでレガートを中心としたスムースなトランペット・ソロが魅力的で、中間部ではノーマン・シモンズのピアノ・ソロも大きくフューチャーされており、後半ではトランペットとロイ・ヘインズの4バースを経てテーマに戻っています。
一方の「Laura」は、ゆったりしたテンポの中で、ミュート・プレイの妙が聴ける演奏となっていてこちらも名演です。
「Rhythm In A Riff」は、そのタイトル通り幾つかの音が繰り返し演奏されるバップの典型的な形の曲で、テーマの後はレッド・ロドニーがスキャットを交えたヴォーカルを披露し、続くアイラ・サリヴァンのテナー・サックスは特に輝いて聞こえます。
各曲の演奏時間は3分前後と短いですが、同時期に活躍したローチ・ブラウン・クインテットに負けず劣らずのハードバップが詰まった濃い内容の演奏集です。
「MODERN JAZZ FROM CHICAGO」 Fantasy 3-208
1. Taking A Chance On Love
2. Dig
3. Red Is Blue
4. Clap Hands, Hear Comes Charley
5. On Mike
6. The Song Is You
7. You And The Night And The Music
8. Laura
9. Hail To Dale
10. Jeffie
11. Rhythm In A Riff
12. Daddy-O
Red Rodney (tp) Ira Sullivan (ts, tp) Norman Simmons (p) Victor Sproles (b) Roy Hayes (ds)
録音 1955年6月
この録音当時、既に薬物にドップリと浸かっていて、しばしば演奏活動が中断されていましたが、その合間を縫って数回の録音が行われていますが、そのいずれもが名演集であり、その中で時々取り出して聴いているこのアルバムを取り上げました。
2管によるクインテットの演奏で、相方を務めるアイラ・サリヴァンは曲によってトランペットとテナーサックスを使い分けており、「On Mike」では2本のトランペットによるバトル演奏を聴くことが出来ます。
1曲目の「Taking A Chance On Love」は、テーマの前に8小節のイントロを追加しており、トランペット、テナーサックス、ピアノが順次ソロを取ってテーマに返すパターンの典型的なハードバップです。
「Red Is Blue」は、8小節に渡るベースの独特なリズム・パターンを経た後、レッド・ロドニーがテーマ部をミュートで演奏していますが、ちょっとミステリアスな雰囲気を持った曲想で、アイラ・サリヴァンのテナーに移ってからは開放的となり、中間部ではレッドもオープン・トランペットで柔らかくて明るい音色に替わっています。
「Clap Hands, Hear Comes Charley」は、ベースを除く4人がそれぞれ交互にソロを取りますが、特にアイラ・サリヴァンのテナーとロイ・ヘインズのドラムスが見事な演奏を展開しています。
また、次の2曲はアイラ・サリバンを除く4人の演奏となっていて、「The Song Is You」は、レッド・ロドニーのソフトでレガートを中心としたスムースなトランペット・ソロが魅力的で、中間部ではノーマン・シモンズのピアノ・ソロも大きくフューチャーされており、後半ではトランペットとロイ・ヘインズの4バースを経てテーマに戻っています。
一方の「Laura」は、ゆったりしたテンポの中で、ミュート・プレイの妙が聴ける演奏となっていてこちらも名演です。
「Rhythm In A Riff」は、そのタイトル通り幾つかの音が繰り返し演奏されるバップの典型的な形の曲で、テーマの後はレッド・ロドニーがスキャットを交えたヴォーカルを披露し、続くアイラ・サリヴァンのテナー・サックスは特に輝いて聞こえます。
各曲の演奏時間は3分前後と短いですが、同時期に活躍したローチ・ブラウン・クインテットに負けず劣らずのハードバップが詰まった濃い内容の演奏集です。