今夜は、鰻を食べてしまいました。
これは、一仕事を終えた夕刻にチラリと読んだ、日経夕刊のせいです。
(;^_^A
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インターネット全盛の現代において、新聞の夕刊は、その存在感が薄くなりつつあります。
特に日経新聞は、朝刊のみを駅売りで買って読むという方が多いのです。
しかし、このブログを訪問してくださる方々に強く主張します。
日経夕刊こそ、日本のビジネスパーソンの懐を深くして、かつ、心を豊かにする最良のメディアであると。
例えば、コラム「十字路」。
朝刊のコラム「大機小機」と併せて毎日「十字路」も読んでいると、間違いなく複眼的に政治や経済を見ることができるようになります。
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一方、豊田泰光さんの「チェンジアップ」に代表されるように、ビジネス以外の分野においても、日経のコラム記事は良質です。
今夜、私が心を乱されてしまったのは「食あるば楽あり」という小泉武夫さんのコラムです。
私たちの世代では、ややもすると、プロ雀士の小島武夫さんと間違ってしまいそうですが、小泉さんは発酵学者にして文筆家。
「食の冒険家」と異名をとる方です。
その小泉さんが、ご自身が鰻重を食べた時の様子を、次のように書いていらっしゃったのです。
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(前略)
その鰻屋で、いつもの鰻重を頼んでかなりの時間待っていると、鰻の蒲焼きをのせた飯の入った重箱、蓋付き椀に入った肝吸い、小皿にのった奈良漬三切れが運ばれてきた。
それではいただきましょうと、先ず重箱の蓋を取ると、濃い琥珀色と淡い黄褐色が混じり、全体が蒲色(かばいろ)となった蒲焼きが2枚、飯の上に横たわって重箱全面に被さっていた。
蒲焼きの表面は、ところどころに小さな焦げ目が付いていて、その下の方はやわらかそうでポテポテとしている。
肝吸い椀の蓋も取り、蒲焼きと吸いものに粉山椒を振り込んでから、先ず吸いものを啜(すす)った。
すると口中にダシのうま味と鰻の肝からのコクとが広がり、鼻からは粉山椒の快香が抜けてきてなかなかの味わいであった。
そして、いよいよ重箱の角の方に箸を入れ、蒲焼きをやや大き目につまみとり、それを口に入れて噛んだ。
すると蒲焼きは、身の方の表面がやや歯に当たってサクリとした感じがして、しかしその 中身の方はネトリトロロンと舌に当って、さらに皮の方はピロロンとした感じで歯や舌に当り、それぞれから濃厚なうま味と上品なコクがピュルピュルと湧き出し、ジュルジュルと流れ出てきた。
また、ほどよく乗っていた脂もトロトロと溶け出てきて、それがペナペナとした奥深いコクを演じていて絶妙であった。
蒲焼きのタレにじっとりと染まった飯の一粒一粒も豊満な甘みとうま味を含んでいて、とにかくどこにも隙の無い鰻重は永久不滅の味がした。
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お腹が空き始めた夕方のビジネスマンたちに、こんな文章を読ませるのは、ちょっと罪深いです。
(><)
鰻を味わい、日本酒をチビチビやりながら、私は考えました。
小泉さんの表現をパクって、野球を描写できないかなと。
「サクリ」
「ネトリトロロン」
「ピロロン」
「ピュルピュル」
「ジュルジュル」
「トロトロ」
「ペナペナ」
数多くの選手の様々なプレーを思い浮べながら考えてみたのですが、やはり小泉さんのフレーズを使って学生野球を表現するのは難しいですね…
(;^_^A
これは、一仕事を終えた夕刻にチラリと読んだ、日経夕刊のせいです。
(;^_^A
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インターネット全盛の現代において、新聞の夕刊は、その存在感が薄くなりつつあります。
特に日経新聞は、朝刊のみを駅売りで買って読むという方が多いのです。
しかし、このブログを訪問してくださる方々に強く主張します。
日経夕刊こそ、日本のビジネスパーソンの懐を深くして、かつ、心を豊かにする最良のメディアであると。
例えば、コラム「十字路」。
朝刊のコラム「大機小機」と併せて毎日「十字路」も読んでいると、間違いなく複眼的に政治や経済を見ることができるようになります。
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一方、豊田泰光さんの「チェンジアップ」に代表されるように、ビジネス以外の分野においても、日経のコラム記事は良質です。
今夜、私が心を乱されてしまったのは「食あるば楽あり」という小泉武夫さんのコラムです。
私たちの世代では、ややもすると、プロ雀士の小島武夫さんと間違ってしまいそうですが、小泉さんは発酵学者にして文筆家。
「食の冒険家」と異名をとる方です。
その小泉さんが、ご自身が鰻重を食べた時の様子を、次のように書いていらっしゃったのです。
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(前略)
その鰻屋で、いつもの鰻重を頼んでかなりの時間待っていると、鰻の蒲焼きをのせた飯の入った重箱、蓋付き椀に入った肝吸い、小皿にのった奈良漬三切れが運ばれてきた。
それではいただきましょうと、先ず重箱の蓋を取ると、濃い琥珀色と淡い黄褐色が混じり、全体が蒲色(かばいろ)となった蒲焼きが2枚、飯の上に横たわって重箱全面に被さっていた。
蒲焼きの表面は、ところどころに小さな焦げ目が付いていて、その下の方はやわらかそうでポテポテとしている。
肝吸い椀の蓋も取り、蒲焼きと吸いものに粉山椒を振り込んでから、先ず吸いものを啜(すす)った。
すると口中にダシのうま味と鰻の肝からのコクとが広がり、鼻からは粉山椒の快香が抜けてきてなかなかの味わいであった。
そして、いよいよ重箱の角の方に箸を入れ、蒲焼きをやや大き目につまみとり、それを口に入れて噛んだ。
すると蒲焼きは、身の方の表面がやや歯に当たってサクリとした感じがして、しかしその 中身の方はネトリトロロンと舌に当って、さらに皮の方はピロロンとした感じで歯や舌に当り、それぞれから濃厚なうま味と上品なコクがピュルピュルと湧き出し、ジュルジュルと流れ出てきた。
また、ほどよく乗っていた脂もトロトロと溶け出てきて、それがペナペナとした奥深いコクを演じていて絶妙であった。
蒲焼きのタレにじっとりと染まった飯の一粒一粒も豊満な甘みとうま味を含んでいて、とにかくどこにも隙の無い鰻重は永久不滅の味がした。
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お腹が空き始めた夕方のビジネスマンたちに、こんな文章を読ませるのは、ちょっと罪深いです。
(><)
鰻を味わい、日本酒をチビチビやりながら、私は考えました。
小泉さんの表現をパクって、野球を描写できないかなと。
「サクリ」
「ネトリトロロン」
「ピロロン」
「ピュルピュル」
「ジュルジュル」
「トロトロ」
「ペナペナ」
数多くの選手の様々なプレーを思い浮べながら考えてみたのですが、やはり小泉さんのフレーズを使って学生野球を表現するのは難しいですね…
(;^_^A