外苑茶房

神宮外苑エリアの空気を共有し、早稲田スポーツを勝手に応援するブログです。

「美味しんぼ」騒動に思う

2014-05-13 01:50:41 | 社会全般

漫画「美味しんぼ」の表現が、政府まで巻き込む一大騒動となっています。
テレビやネット上で交わされる意見は、文字通り賛否両論。
何が真実なのか、私もさっぱり分かりません。
Web上の情報例

錯綜する報道を眺めながら、いわゆる四大公害病を思い出しました。
四大公害病とは、水俣病、新潟水俣病(第二水俣病とも呼ぶ)、イタイイタイ病、そして四日市ぜんそくを指します。

四大公害病は数多くの被害者を生みましたが、後に水質、空気、土壌、食品などの安全を確保するための日本の法整備を飛躍的に進めるきっかけとなりました。

しかし、四大公害病から、解決法を見出だせないままの重たい宿題も残しています。

たとえば、水俣病を追い続けた記録映画監督である土本典昭さんの指摘があります。
「たぶんノーモア広島だろうが、ワンモア水俣だろう。それは、たんに化学物質による害が繰り返されるというだけではない。そうしたときの社会の対応、すなわち政府・自治体の無責任、企業の隠蔽工作、金で釣られた医者(科学者)の登場、患者と非患者の違い、患者たち内部での意見の相違、これらすべてをひっくるめて繰り返されることだ。」

また、公害裁判に関する当時の資料を読むと、「米や魚が売れなくなる」「娘の縁談に支障が出る」等々の理由から、公害発生当初には、住民から報道自粛の要請があったことも分かります。
また、公害反対の声をあげた人々に対して地域住民から陰湿な差別もあったと。

このような過去の教訓を踏まえて今回の「美味しんぼ」騒動を考える時、漫画作者の表現を封じ込めようとする政府や地方公共団体の動きに私は違和感を抱くのです。

繰り返しになりますが、私は何が真実なのか分かりません。
だからこそ、耳障りの悪い情報にも触れる機会が私は欲しいのです。

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